2021年12月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »

2014年3月24日 (月)

青年団・こまばアゴラ演劇学校「S高原から」こまばアゴラ劇場

<2014年3月22日(土)昼>

国内某所の高原地帯にあるサナトリウム。いつ治るとも知れない病気にかかった患者とその見舞人、サナトリウムの勤務者たちによる、ある夏の夕方。

観たのはBチーム。青年団少な目で演劇学校生多目だけど、いかにも平田オリザの芝居といった仕上がりできちんと楽しめる。脚本と演出と、どちらが強いのか。欲を言えば青年団多目のCチームも観たかった。

前回の「S高原から」がたしか青年団初見だったと思うけど、筋をまったく覚えていなかった。今観るとある種のエロスにあふれている脚本だったけど、「生と死」を扱う以上、エロスを扱うのもまた自然なのか、それとも平田オリザも青年団も若かったのか。見せ所のある役が多くて、観る方は楽しいけど、演じるほうはそれ以上に楽しいだろうと思う。

2014年3月16日 (日)

サンプル「シフト」東京芸術劇場シアターイースト

<2014年3月15日(夜)>

教師だった男が結婚を機に妻の実家に移り住む。山奥の狭い村で、妻の叔母と姉が暮らしている。勤め先も見つかって生活も落着いてきた頃、妻との関係が疎遠になり、子作りをけしかけていた近所の住人も男を除け者に扱うようになる。

前衛的な芝居だと思い込んで避けていたサンプルだが、劇団第一弾の再演となるこの芝居は不気味な舞台美術と気持ち悪い展開を除けば王道ど真ん中のような芝居。笑いを狙っているかと思う場面も多々あれど、終盤の明らかに狙った場面を除いては客席全体の雰囲気としては引き気味で、陰惨な話がより陰惨になる。先日の「おそるべき親たち」といい、ゲスい登場人物月間なのか東京芸術劇場。

役者はどうも鬼才というか奇才が揃っていて、特に養鶏所経営者の武谷公雄がやばい。他の役者の好演が霞む。青年団的なニュートラルな演技と早稲田っぽいいかにも小劇場らしい暴れっぷりが同居していると思ったら、本当にそんな経歴だった。箪笥もやばい。箪笥が気になる人は正面上手の席へ。

ポストパフォーマンストークは作演出ひとりでハイバイに倣って観客アンケート。できるビジネスマンのさわやかで嘘くさい営業トークのような印象。覚えていることメモ(言葉は大意)。
・日本では、すでに一度伝統から断絶している。「伝統を途切れさせないようにする」運動があったら、それはすでに途切れたものを復活させようとする運動。さいきんのゆるキャラ流行はその一環のように思える。
・自分が役者として出演する場合は、演出家に喜んでもらいたい。自分の芝居には出ない。自分の芝居は自分の妄想なので、妄想を形にするときに中に入ったら混乱する。
・ピンボールの玉のような役者が好き。自分で考えてきたプランを披露するだけの役者より、何か働きかけたらそれがいろいろ反応してぶつかってまた返ってくる役者のほうがいい。

2014年3月10日 (月)

こまつ座/ホリプロ主催「ムサシ」Bunkamuraシアターコクーン

<2014年3月9日(日)昼>

巌流島の決闘で勝利したものの、止めを刺さずに去った宮本武蔵。6年後、鎌倉で武蔵が建立を手伝った寺開きの最中に、怪我が癒えた佐々木小次郎が乗込んできて果合いを申し入れる。その日が修行の初日でもあったため、修行が終わる3日後に再度決闘することが決まったが、武蔵が策略を行なわないか見張るとの名目で小次郎も修行に参加して寺に泊まることになる。その3日の間に起こる、さまざまな事件、そして決闘の行方。

ロンドン・NYバージョンと銘打たれてどこが変わったのかは知らないけど、役者は馴染んだもの。主人公の2人が真面目な役の分だけ、珍しくネタが多い吉田鋼太郎や、さらにネタが多い白石加代子(反則ですよね)、ずいぶんしっかりした役にしあげた鈴木杏、安定の六平直政に、写真入でクレジットされてもよかったと思わせる大石継太など、まあ目移りが激しい。

現代が舞台だと書きづらいことが時代劇だと書きやすいと言ったのは誰だったか。笑わせて泣かせる中にテーマを含ませて、観ていても難しいことは何もなく、それでいて大きい話になる。これは蜷川演出のメリハリがいい方向に働いた結果だし、このくらい崩しても平気な井上ひさしの脚本の実力。最後の台詞がまた芝居として心憎く、テーマとしてもつながるので、スタンディングオベーションしている人もいたけど、それも納得の出来。芝居が不慣れな人にも勧められる。贅沢を言えば、ここまで安定するより前の、初演でもっと演技が固まっていない時期にも観ておきたかった。

というくらい褒めたのだけど、口コミプッシュをためらうのは、テーマに引っかかるものを感じるから。これ、井上ひさしがどの程度意識して書いたのか今となっては分からないのですけど(最後の台詞から何を想定して書いたのかは想像がつきますけど)、強者として振舞える者の立場を前提に描いた芝居なんですよね。人間は年を取れば変わるものですけど、初期に「藪原検校」みたいな脚本を書いた人が晩年にこういう脚本を書いて、何言ってんだとケチをつけたくなるのは自分がひねくれているからですかそうですか。過去と現在を観て書かれた脚本でなく、過去と現在と未来を観て書かれた脚本であったならばと思います。

東京芸術劇場主催「おそるべき親たち」東京芸術劇場シアターウエスト

<2014年3月8日(土)昼>

ひとり息子を溺愛して育てた生活能力のない母、その妻に無視される夫、かつての夫の婚約者で今も独身の姉。ある日、無断外泊した息子が、結婚すると言い出す。結婚に反対する母をなだめて話を聞いた父は、息子の結婚相手が自分の愛人であることに気がつき愕然とする。正式に相手を紹介してもらうため、翌日、婚約者のマンションに一家が揃う。

役者の実力を堪能してもよし、ゲスな登場人物(それはタイトルから想像つくでしょう)に感情移入してもよし、筋書きを楽しんでもよし、ただし観終わったあとに気分が重くなるので、むしろそういう芝居を望む人への挑戦のような脚本。個人的には苦手な部類だけど、よくできた脚本ではあるし、これが50年以上昔の脚本というところがまたすごい。長台詞が多い。

佐藤オリエが初見だったけど、存在感とはまたちょっと違う要所を押さえた演技は何て表現すればいいんでしょうね。

2014年3月4月のメモ

書き損ねたせいで今月は芝居見物が先行しています。

 

・東京芸術劇場主催「おそるべき親たち」2014/03/02-2014/03/16@東京芸術劇場シアターウエスト:これを書いている時点ですでに観たのですけど、重たいというかエグいというか

 

・スーパー歌舞伎II「空ヲ刻ム者」2014/03/05-03/29@新橋演舞場:期待しているのですが、余っているチケットが一等席ばかりで、さて

 

・青年団・こまばアゴラ演劇学校「S高原から」2014/03/06-03/23@こまばアゴラ劇場:こまばアゴラ演劇学校なんてものをやっていたとは知らなかったのですが、演出は平田オリザなので評価は手加減無用で

 

・こまつ座/ホリプロ主催「ムサシ」2014/03/07-03/15@Bunkamuraシアターコクーン:これを書いている時点ですでに観たのですけど、よいですね

 

・こまつ座「化粧」2014/03/07-03/21@紀伊國屋ホール:一度くらい観ておきたいと思いつつ、今月のラインナップでは時間ができても無理

 

・岩松了プロデュース「宅悦とお岩」2014/03/07-03/23@駅前劇場:岩松了もプロデュース公演などしているのですね

 

・パルコ・プロデュース「万獣こわい」2014/03/15-2014/04/08@PRACO劇場:完売必至の豪華面子

 

・燐光群「初めてなのに知っていた」2014/03/16-03/31@ザ・スズナリ:現代能楽集とのことですが、なぜかタイトルに惹かれた

 

・世田谷シルク「美しいヒポリタ」2014/03/27-03/31@吉祥寺シアター:もう少し広い劇場でもう一度くらい確かめたい

 

・劇団☆新感線「蒼の乱」2014/03/27-04/26@東急シアターオーブ:新しい劇場に行ってみたいと思いつつ前回を見逃したので

 

・東宝芸能主催「今度は愛妻家」2014/04/04-2014/04/20@シアターウエスト:初演を観たのでちょっと甘めのよい脚本なのは間違いないですが、初演は主演が長野里美と池田成志だったのです

 

・東京芸術劇場主催「酒と涙とジキルとハイド 」2014/04/10-2014/04/30(プレビュー公演04/08-04/09)@プレイハウス:主催に金がないのか、PARCO劇場の芝居と比べてどうもキャスティングで勝負する意欲が見られないのが東京芸術劇場の三谷幸喜芝居

 

・ナイロン100℃「パン屋文六の思案~続・岸田國士一幕劇コレクション~」2014/04/10-05/03@青山円形劇場:劇場がなくなったらこのシリーズ見納めなのかな

 

・日本の30代「十二夜」2014/04/18-04/28@駅前劇場:役者は平岩紙が注目のシェイクスピアだけど、金にならなさそうな代わりに面白そうな仕事を最近積極的に引受けている印象の鵜山仁演出

 

・ホリプロ企画制作「わたしを離さないで」2014/04/29-05/15@彩の国さいたま芸術劇場大ホール:原作は知らないけど、倉持裕脚本の蜷川幸雄演出

 

・ティルト主催「春風亭昇太独演会 オレスタイル」2014/04/27-04/29@紀伊國屋サザンシアター:聴けるものなら

 

集中しすぎると何でもっと散らさないのだろうと以前は考えていましたけど、2月は酷寒に雪、8月は酷暑に台風ということで、ニッパチを避けるのはそれなりに理由があったのだとよくわかった2月でした。

« 2014年2月 | トップページ | 2014年4月 »