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2014年3月16日 (日)

サンプル「シフト」東京芸術劇場シアターイースト

<2014年3月15日(夜)>

教師だった男が結婚を機に妻の実家に移り住む。山奥の狭い村で、妻の叔母と姉が暮らしている。勤め先も見つかって生活も落着いてきた頃、妻との関係が疎遠になり、子作りをけしかけていた近所の住人も男を除け者に扱うようになる。

前衛的な芝居だと思い込んで避けていたサンプルだが、劇団第一弾の再演となるこの芝居は不気味な舞台美術と気持ち悪い展開を除けば王道ど真ん中のような芝居。笑いを狙っているかと思う場面も多々あれど、終盤の明らかに狙った場面を除いては客席全体の雰囲気としては引き気味で、陰惨な話がより陰惨になる。先日の「おそるべき親たち」といい、ゲスい登場人物月間なのか東京芸術劇場。

役者はどうも鬼才というか奇才が揃っていて、特に養鶏所経営者の武谷公雄がやばい。他の役者の好演が霞む。青年団的なニュートラルな演技と早稲田っぽいいかにも小劇場らしい暴れっぷりが同居していると思ったら、本当にそんな経歴だった。箪笥もやばい。箪笥が気になる人は正面上手の席へ。

ポストパフォーマンストークは作演出ひとりでハイバイに倣って観客アンケート。できるビジネスマンのさわやかで嘘くさい営業トークのような印象。覚えていることメモ(言葉は大意)。
・日本では、すでに一度伝統から断絶している。「伝統を途切れさせないようにする」運動があったら、それはすでに途切れたものを復活させようとする運動。さいきんのゆるキャラ流行はその一環のように思える。
・自分が役者として出演する場合は、演出家に喜んでもらいたい。自分の芝居には出ない。自分の芝居は自分の妄想なので、妄想を形にするときに中に入ったら混乱する。
・ピンボールの玉のような役者が好き。自分で考えてきたプランを披露するだけの役者より、何か働きかけたらそれがいろいろ反応してぶつかってまた返ってくる役者のほうがいい。

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