本多劇場プロデュース「志の輔らくごin下北沢 牡丹灯籠 2014」下北沢本多劇場
<2014年8月3日(日)昼>
牡丹灯篭は女の幽霊が惚れた男の家に通って祟り殺す、だけの話ではない。円朝が創作した噺がたまたま明治の速記に間に合って残っているが、これは15日がかりで上演されたというもの。1日2時間やっても30時間。何とかしてこれを休憩はさんで3時間にまとめたい志の輔が取った手法は、前半15時間分をパネルを使って1時間で説明するというまったく落語でない手法。
千秋楽に滑り込み。前半がパネルの分、後半はきっちり落語形式で話します。(1)とある武家の不義密通の話、(2)父の敵に剣を習い母を探す若者とその許婚の話、(3)馴染みの医者がうっかり引きあわせてしまったばかりに恋焦がれて死んで幽霊になって祟ってしまう話、(4)それに手を貸して逃亡する長屋の夫婦の顛末、(5)この夫が惚れた飲み屋の女の話、(6)それらがぐるっと巡ってクライマックスとなる話、で全部だったか。(1)と(2)が前半のパネルで説明されたけど、長い。これで全部なら3時間に縮めたのはさすがだけど長い。
正直なところ、前半のパネル説明は分かりやすいけれども、そこの話術はやや面白みに欠けるところを寄道で盛上げて何とか繋いだ感じ。独演会の趣旨には反するけどこれは相手役を用意したほうが良かったのでは。後半の落語はさすがだし、それがつながるクライマックスの因果は面白かった。ああ、全部の話を聴いたんだ、という満足感は大きい。
ただ、やっぱり長い。これを聴いた後世の噺家が、幽霊のところだけ取出したのもわかる。全部やるなら演劇のほうが向いていると思う。でも新感線でも3時間には収まらないだろうとも思う。
来年もやるらしいので、一度自分で確かめては如何。
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