SPAC「マハーバーラタ」KAAT神奈川芸術劇場ホール
<2014年9月13日(土)夜>
古代インド。神々からも結婚を申込まれるほど南の国の美しい姫は、その才能と容姿は当代随一といわれる西の国の王と結婚する。祝福として神々から王に送られた能力のおかげもあり12年間の治世で国は栄えていたが、姫との結婚を望んでいた悪魔の策略により、弟に王権を奪われてしまう。ここから着の身着のままで逃げる王と王女の冒険譚が始まる。
円周型劇場を作りこむなら世田谷パブリックシアターのほうがいいのではと思っていたけど、観て納得した。扱っている対象は壮大でも物語自体は単純なほうなので、影を映す演出を除いても、これは奥行きや後ろや高さを含めてあのくらいの空間がないと芝居自体が小さくなって成立しない。あと、芝居の3分の2くらいはパーカッションバンドの盛上がりでできていて、こんなに気分の乗った音楽は久しぶり。ひとり出ずっぱりでリズムを取っている人がいて、途中からそのリズムを確認しながら舞台を観るのが面白くなって、そのうち舞台よりそっちを観る割合がどんどん増えた。どこから探してきたのか、たぶんバンマスだろうとクレジットされていた(バンドマスターでなくバンドミストレスだけど)寺内亜矢子という名前を検索したら元ク・ナウカの女優だった。多芸な人はいるものだ。
バンドが盛上げていた分だけ、一部の声が劇場に負けていた感が惜しい点はあるものの、なかなか貴重なものを観たという満足感。
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