東京芸術劇場主催「ポリグラフ」東京芸術劇場シアターイースト
<2014年11月1日(土)夜>
カナダのケベックシティーに住む女優の卵ルーシー。たまたま見かけた列車の飛込事件がきっかけで、犯罪捜査学を職業とするデイビッドといい仲になる。ルーシーの隣人のフランソワは大学時代に政治学を学ぶも今はレストランのウェイターをやっている。やがてルーシーはオーディションで映画の主役に選ばれるが、その映画はかつて起きた事件を題材にしたものだった。
3人のいろいろな出来事がやがて絡んでいく筋を、さまざまな演出テクニックを駆使して格好良く、だけど乾いた舞台に仕上げた1本。投げっぱなしの殺伐とした脚本は日本ではなかなか見かけないけど、だからといって上演するのは別の話。オリジナルと別物といっていたけど、ゼロから演出したのだとしたら吹越満は天才。YouTubeで宣伝映像を見つけたけど、広島はこれを3500円で観られるのか。うらやましい。
大田緑ロランスの切替の見事な演技に対して、一見棒読みだけどそれがかえっていろいろ想像させて怖い吹越満が別の意味で見事。動きも鬱屈も魅せてくれた森山開次に対して、よく動くけど微妙にゆがんだ感じがまた目を引く吹越満。2人ともレベル高いけど、なんだかんだ言って吹越満が気になる。WAHAHA本舗出身だけど、日本では、小劇場出身で有名になった役者の身につけているある種の「怪しさ」の魅力がすごい。
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