Bunkamura/大人計画 企画製作「キレイ」Bunkamuraシアターコクーン
<2014年12月30日(火)昼>
日本のようなもうひとつの日本。民族同士が争っている中、死体集めを生業にする一家に謎の浮浪少女ケガレが保護される。物事を知らないだけでなく、過去についても覚えていない。そんなケガレを中心としたいろいろな栄枯盛衰の物語。
粗筋はとても書きづらいので適当。初演が松尾スズキ初見の芝居でこれだけはどうしても観ておきたくて、当日券を蹴られて蹴られてさすがに酷いと諦めかけたところに東京楽日やけくそで挑戦してようやく観劇。自分史上最多挑戦かつ最長時間の当日券待ち。もう二度とこんなに並ばない。そのかわり、座席で観たのは今回が初めての気がする。
全体にネタが整理されたみたいだけど、大部分は以前と同じ。すごい久しぶりだったけど、歌の力というのはすごくて、曲を聴いたらいろいろ思い出して、今さらだけどいい曲が多かった。あとダンスもよかった。1991年初演で2012年にみた「ふくすけ」は古いという印象を受けたけど、2000年初演で今回観た「キレイ」は10年後に観てもまだ古くならなさそう。初演再演と比べたら良くも悪くもコメント出てくるけど、今回の多部未華子/松雪泰子のケガレは3回の中で一番お互いが近い気がした。他の役者も、初見の人なら文句は出ない仕上がり。2014年の悼尾を飾るのにふさわしい芝居だった。次の上演がいつになるかわからないので、大阪公演で迷っている人は当日券にチャレンジを。
初演で「生き恥さらすのは人生の醍醐味でしょう」って言っていたように記憶している台詞は再演時と同様に微妙に違っていて、脚本が変わったのか記憶が間違っているのか初演の観たときだけ台詞を変えていたのかは定かではない。再演のときはがっかりしていたけど、再々演まで観た今となってはどっちでもいい。私の中では「生き恥さらすのは人生の醍醐味でしょう」で決定。
チケットについての余談1。世の中の金回りがよくなったからか、今回はダフ屋がうろうろしていて、敷地外ならともかくBunkamura敷地内を闊歩されて劇場真ん前で声かけていて制作は何やってんだしっかりしろよと思った。それとは別に、ダフ屋を眺めながら、あれはあれでなかなか面倒な商売なのだということもわかった。
チケットについての余談2。あれだけ当日券で苦労したのに近くに空席が残っていた。一般の人が購入済みのチケットで急遽都合が付かなくなったのならしかたがないけど、関係者席のすっぽかしだったら勘弁してほしい。別の日で蹴られたときに、開演しているけど関係者が来場していなくて連絡が付かないチケットが残っている気配があったけど、あれは5分前で連絡つかなかったらその時点で無条件に当日券に回してほしい。これだけの名作なんだから、キャンセル待ちまで並んだ客にごめんなさいしたけど空席が残って、それが関係者席のドタキャンだったら、大げさにいえば芝居と客に対する冒涜だ。
« 一日に二度も永井荷風を観たくない | トップページ | 2014年下半期決算 »
コメント