新国立劇場制作「星ノ数ホド」新国立劇場小劇場
<2014年12月20日(土)夜>
共通の知人が主催するバーベキューで知合った、養蜂家のローランドと物理学者のマリアン。人生の転機で起こり得た無数の出会いと衝突を描きながらたどる2人の人生の行方。
出会いの場面からして5パターンくらい、その後もそれぞれの場面で誘ったり喧嘩したりの場面を何パターンも描く、脚本の構成に大きく依存した芝居。エッシャーの騙し絵みたいな舞台で繰広げられるやり取りは「そのときその一言を上手くいえなかったばかりに」という場面ばかり。その無数の場面の果てがどうなるか、もやっぱり脚本の構成で用意されている。同じ場面のパターン切替は音で合図してくれるので、その仕組みさえわかればあとはそれぞれの場面やパターンを楽しめる。エンディングも含めて満足できる佳作。
2人芝居を演じたのが浦井健治と鈴木杏で、2人とも観ている側に真面目な印象を与える役者なので、悪いことではないが、笑えるシーンの数の割には芝居全体も真面目に進行した印象。これはよい芝居なので、いっそダブルキャストやトリプルキャストにして、新国立劇場で定期的に上演する演目になったらいいのにと空想。あの役者とあの役者だったらこの場面はどうなっていただろう、と想像が膨らむ。
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