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2014年12月 7日 (日)

イキウメ「新しい祝日」東京芸術劇場シアターイースト(ネタばれあり)

<2014年12月6日(土)夜>

会社でひとり残業する男。そこに変な格好をした不審な男が突然現れる。どこから現れたのかわからないし、電話も通じない。不審な男はこんなところは会社じゃないと暴れだし、男に勝手な名前を命名し、行こうぜと誘いをかける。さらに現れた人たちとは話している内容がかみ合わず、なんとなく話をあわせるが、不審な男とだけは会話が通じる。

残業する男が不審な男の言うことを聞かされる導入部が超強引で、これさえ乗り切ればと思いきや、こういうのはメタ物語というのか、非常に好みの分かれる展開が続く。終わったときの拍手の少なさは内容よりも描き方が万人受けしなかったからだと信じたい。今の自分ならとても好き。劇団ならではのよい冒険だと思う。

ネタばれで書くと、男の人生をやり直させて、どこで自分に嘘をついたのかを辿る旅なのだけど、それにかこつけて自分に嘘をつくことを強いる日本の集団心理を描いたもの。その代表として(導入部は置いておいて)幼稚園、部活動、会社組織を選ぶところがセンス。その中で特に部活動を重点的に描いているけど、あの悪気は一切ない悪意の描き方はよかった。ルールに従うというのは大事なのだけど、それは適切な目的に沿って妥当な理由に基づくものであって、単に「俺のいう事を聞け」をルールと言換えるのは違うだろ、そんなものに従って自分に嘘をつく義理はない、という直球の脚本だった。けど、あれが通じない人もいるんだろうな。自分も15年前なら通じなかったと思う。中学校のころ観たらどういう感想になったんだろう。

で、もっとすぐれているのはあれを全部テンプレートとして描いたことで、当日パンフの登場人物は役名でなく役割を載せたこと。芝居としてつまらなくなるすれすれまで親切設計してきたか。

いつもだと引張るのは安井順平と岩本幸子(あの部長役の罪作りな感じは最高です)で、2人が引張っていたのは同じだけど、今回はさらに出ずっぱりで浜田信也が頑張った。この人はやや受身な役のときに輝くっぽい。他の役者も舞台脇待機なのである意味出ずっぱり。そして今回はゲストも含めてレベル高かった。どうも芝居によって演技水準の振れ幅が激しい印象がある劇団だけど、このレベルで安定してさらに上を臨むことを期待。

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