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2015年3月10日 (火)

カタルシツ「地下室の手記」赤坂RED/THEATER

<2015年3月7日(土)夜>

親が亡くなり、相続した家を売払った金である地下室に篭った生活をしている40歳の男。自分の抱えている鬱憤を訴えるためにインターネットの動画生中継サイトに向かって語り始める。自分がいかに不平に扱われたかという「事件」と、女の話。

初演を見逃して残念がっていたら、再演は気付かずに危うく見落とすところを、気がついて無事観劇。「インターネットの動画生中継サイト」と書いたのはニコニコ生中継で、舞台から客席に演じるスタイルと、途中で適宜コメントが流れるのが、独り語りととても相性がいい。そして前回2人芝居だったのが今回1人芝居になったけど、前回を観ていなくてもこのほうがいいと言える。

観た感想は、特に前半は、まるで自分のことを言われているような場面があって、いたたまれなくなって叫びそうになった。それでも叫ばずに観通せたのは、序盤に「未来の俺がここにいると聞いて」のコメントが流れたからで、このコメントのおかげで、少しだけ客観的な距離が保てた。この痛々しさを書いたドストエフスキーと、現代の出来事に翻案した前川知大はすごい。ドラマターグとして谷澤拓巳もクレジットされているけど、どういう役割だったんだろう。

終盤、二転、三転、四転くらいしたのか。この痛々しい芝居が前向きにまとまりそうに見せて、そこにストップをかけられて、観終わったらすごい消耗していた。再演しやすい形式だし、ドストエフスキーから今になっても通じるくらい時代を超える内容だから、今後も再演されると思うけど、もう観ない。無理。けど、一度も観ていない人は、2時間出ずっぱりでやり通した安井順平の名演として一度は観ておくことをお勧め(書いている時点では今回の東京公演は終わって大阪公演のみ)。地下室という設定に合せてこの劇場を選んだのかもしれないけど、そしてこの規模の劇場で観られるのは贅沢だと思うけど、PARCO劇場のサイズまでは問題なくいけると思う。地下室がいいならシアタークリエでもいけるかも。

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