マンションポエムは反面教師に使え
fringeで「私が宣伝美術ワークショップで新築分譲マンションのサイトを見ることを勧めたわけ」というエントリーが上がっていた。
舞台芸術も、新作なら完成前に「青田売り」しなければならない点は同じです。
それはそうなんだが、これはむしろ反面教師にしないといけないのでは。というのは、すでに大山顕という鬼才がマンションポエムというジャンルを確立しているので。最初に自分が見たのを含めてリンクを載せると以下。
デイリーポータルZから2件。
高級マンション広告コピー「マンションポエム」を分析する
さらに「マンションポエム」を分析する
これでラジオにまで出演して話した内容を書き起こした人がいて、それが以下。
大山顕 分譲マンション売り文句のポエム性と魅力を語る(YouTube)
大山顕と安住紳一郎 マンションポエムを語り合う(YouTube)
これの眼目は何と言っても以下。
(大山顕)マンションポエムは何をごまかそうとしてる。『あれは何を表してるんですか?』ってよく聞かれるんだけど。あれは何かを表してるんじゃなくて、何かを隠そうとしている。で、これは一体何を隠そうとしてるんだ?と思って考えたのは、他ならぬマンションそれ自体を隠そうとしている。現にフラッシュには出てこない。
(赤江珠緒)うん。
(大山顕)で、どういうことか?って言うと、高級分譲マンション。これね、だいたい4000万以上のものに多いんです。でね、港区で最低価格が8000万から上が1億2000万みたいなマンションも、たとえばこう、大宮の2000万みたいなやつも、実は建築としては一緒なんですよ。今日び、マンションっていうのはほとんど工業部材みたいになっているんで。
(赤江珠緒)うんうん。
(大山顕)そうするとね、この価格差を建築で説明できないじゃないですか。『この価格差は何だ?』って言った時に、『これは建っている場所が違うんです』って。
(ピエール瀧)下の土地の値段。
(大山顕)値段。そうすると、土地の値段を、そこ価格差を説明できるだけの、ここの土地がいかにいいのか?っていうことを言うためにポエムが総動員される。
(赤江珠緒)はー!
(ピエール瀧)まあ後はあれでしょうね。だいたいモノが建つ前に分譲って抽選とかで売れちゃうのがあったりするんで。要は有りもしないものを説明する時に、どのぐらいいいか?っていうのを・・・
(大山顕)全部土地にお任せなの。
(赤江珠緒)はー!もう言葉で飾り立てる。
だから事前にあらすじくらいは決めておいたり、劇団のカラーを前面に打ち出したりして、ポエムを書かなくていいように予定を立てる。逆に、ポエムを書かないといけない状況に追いこまれたら制作者の制作手順がよろしくない、というチェックポイントに使うのが良いのではないかと。
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はい、こういうのをマンションポエムと呼びますね。
宣伝美術ワークショップで話す際は、
もちろん笑いを交えて紹介するのですが、
マンションポエムのことまで書くと論点がぼけてしまうので、
今回は発想の転換になる点に絞って書きました。
私の場合、大山顕氏の視点とは異なり、
> ここの土地がいかにいいのか?っていうことを言うためにポエムが総動員される。
ことよりも、逆に差別化出来る要素のない土地に建てる場合の、
コピーライターの苦労ぶりを楽しませてもらっています。
ライフスタイル提案型のことを書いたのはそのためです。
反面教師にするのは大歓迎ですが、
それ以前に情報量の少なすぎるチラシが多いのが現状なので、
マンションポエムでもいいから書けば目立つと思うのです。
投稿: 荻野達也 | 2015年4月20日 (月) 21時06分
>荻野達也さん
どうも。茶化してすいません。
なるほど、出てきた宣伝文句よりも、その宣伝文句を捻りだした宣伝担当者やその着眼点に注目する、と。あまり宣伝には縁のない仕事をしているもので、その手の苦労に想像が及ばず失礼しました。
ところで、チラシから伝わる「よい芝居」「悪い芝居」の予感が何に由来するのか、いまだに分かっていません。情報量の差なのか何なのか、これは次のエントリーに書きました。御笑覧ください。
投稿: 六角形(管理人) | 2015年4月20日 (月) 23時08分