扇田昭彦死亡
ついこの間、好きになったと書いたばかりなのにな。ここは出身の朝日新聞から引用。全文引用だけど朝日は記事を削除してしまうので、ご容赦。
約半世紀にわたり、日本の現代演劇の最前線を紹介し続けた演劇評論家で、元朝日新聞編集委員の扇田昭彦(せんだ・あきひこ)さんが、22日午後9時1分、悪性リンパ腫のため東京都小平市の病院で死去した。74歳だった。葬儀は近親者のみで行い、後日、お別れの会を開く予定。喪主は演出家の長男拓也さん。
東京都生まれ。朝日新聞記者として、1960年代後半に興った実験劇運動である「アングラ演劇」以降、大きく姿を変えていった現代演劇を、その作り手たちに並走し取材。同時代の社会の中に演劇を位置付ける記事や劇評を書いた。
芸術選奨文部大臣新人賞を受賞した88年の「現代演劇の航海」をはじめ、「日本の現代演劇」「唐十郎の劇世界」「蜷川幸雄の劇世界」「井上ひさしの劇世界」など多くの著書がある。
静岡文化芸術大学や早稲田大学で教壇に立ち、2003~06年には国際演劇評論家協会日本センター会長も務めた。
扇田拓也が息子だとは知らなかった。他の記事だと1週間くらい前まで普通に仕事をしていたらしい。朝日新聞の舞台評よりも、NHKの深夜の芝居番組でゲストを相手に前説を交わしていたのが身近。商業演劇から小劇場まで乱立する日本の芝居業界なのにどんなゲストでも相手が務まっていたのは、博識なんてもんじゃないくらい仕事熱心だったことだと今ならわかる。
一度だけ、某劇場で他の評論家と並びで座っているのを見かけて、相手が「XXの芝居と重なったけどこっちに来た、これでつまらなかったら怒るよ」と開演前の静かな客席で大声で話しかけるのを、「ええ、ええ」とあの声でいなしていたのを思い出した。
合掌。
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