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2015年9月27日 (日)

カタルシツ「語る室」東京芸術劇場シアターイースト(若干ネタバレあり)

<2015年9月26日(土)昼>

ある山間の町。幼稚園の送迎中の運転手と園児1人が、山道にバスだけ残して消える事件が起きる。初動の警官は残されたカバンから消えた園児が甥であることに気が付くも、現場にいた不審な若者に逃げられ、人海戦術による探索も空しく2人の行方は不明のまま。5年後、事件を調べるためにやってきた霊媒師の車が盗まれて、その警官の勤める交番に届出に来たところから話は始まる。

5年間、ここに至るまでの経緯を描いた芝居はとても良いところに着地していたのだけど、全体に衝突よりもすれ違いを優先した仕上がりはちょっと食い足りない。最初は中嶋朋子が抜けきっていないように見えたのだけど、よく考えたら周りが追付いていなかったのかも。

甥の行方をつかむ手掛かりになるかもしれない容疑者を逃した警官はもっと悔やんでほしいし、父の手掛かりを探す兄妹にはもっと驚いてほしい。盗まれた車の行方は展開上重要になるけど、ちょっとその盗まれた理由は強引に過ぎるし、いろいろ時間軸が合わないような。2人が行方不明になった理由が大胆なだけに、その他の部分で強引な要素は脚本で取除いてほしかった。そのせいか、舞台となる町の規模とか時間帯がいまいち想像がつかなかった。見えても掴んではいけないという霊媒師の台詞が大本で、それをひっくり返してここまで話を創ったのだと推測するけど、そもそもチラシに書かれていた内容とは違う部分があったので、脚本を書き直して時間が足りなかったか。

あと、イキウメでなくカタルシツでやるから「地下室の手記」とか橋爪功の「犯罪」とか、あのくらい客席向けの台詞で埋めることを想像していたけど、思ったよりも普通の演劇の範囲に収まっていた。語りを担当している役者は会話台詞には参加せずに語るくらいゴリゴリに語ってもよかったのに。

文句ばっかり書いているけどある種の希望を感じさせる良い芝居です。なのに何で自分はこんなに面倒な客なんだろう。

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