劇団チョコレートケーキ with バンダ・ラ・コンチャン「ラインの向こう」東京芸術劇場シアターウエスト
<2015年12月17日(木)夜>
1946年に降伏して終戦を迎えた結果、ソ連管轄の北日本とアメリカ管轄の南日本とに分断された日本。県境で国境が引かれたため、山奥の県境にまたがる、親戚同士の農家が2家族が住むだけの集落が北と南とに分かれることになる。家族は互いの農作業を手伝いつつ、両国の国境監視の兵士が1人ずつ駐在するも、見回り以外何もしない平和な状態が続く。そこに、北と南との戦争が勃発し、北日本の軍に入隊していた息子が脱走して戻ってきてから、村の雰囲気が少しずつ変わっていく。
初日。観に行ったこちらの引きの強さというか、前回に続いて暗い日本の話。昨今はこういうテーマの芝居が多い。豪華ゲストを迎えて大きな設定を持ってきた割には保守的な仕上がり。上記あらすじまで進んだ時点で3パターンくらい考えたら、その中の一番穏当な結末だった。無理に破天荒な芝居が観たいわけではないけど、この筋だと現実の重苦しさに力負けしている。あとひと転がしがほしかった。
台詞がほぼすべての状況と心情を説明する脚本は観る側に想像する余地を与えない。演出で笑いやシリアスのメリハリをつけようとしたり、深く掘ろうとした気配もない。初日とはいえ近藤芳正がいて戸田恵子と髙田聖子を呼んで、この出来は不満の一言。
南日本の兵士の西尾友樹が肩の力が抜けた感じで好印象。劇場一杯の飛行機の効果音は臨場感を上手に煽っていた。
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