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2016年5月27日 (金)

Bunkamura主催/キューブ企画製作「8月の家族たち」Bunkamuraシアターコクーン

<2016年5月18日(水)昼>

アメリカの田舎町。病気を抱えて薬物中毒の妻と酒浸りの夫。離婚して実家に戻った次女が面倒を看ているが、限界のため夫が住みこみの看護兼家事手伝を雇う。その数日後に夫が行方不明になり、妻の妹と長女が様子を見に来るが、薬物中毒がひどくて妻は要領を得ない。やがて悲報が届き、三女を含めた親類一同がこの家に集まる。

ブラックコメディ仕立てとの触込みだけど、これだけ問題があれば登場人物のどこかには身につまされるものがあるだろう、というくらい問題を抱えた登場人物たちによる三幕物で。このくらいコメディ仕立てにしてようやく消化できるくらいで、個人的には少ししか笑えない重い脚本。問題が順番に明るみになっていくあたり、そこまできれいに展開しないでもいいのにと思うけど、それぞれに言い分があって観客が揺らされてしまうあたりがよい脚本の証拠。あの乾いたエンディングは、なかなか日本の脚本ではお目にかかれない。

それぞれ見せ場のある役だけど、役者陣が豪華すぎて、夫役の村井國夫が冒頭5分(と2幕目の頭に少し)しか出てこないという贅沢ぶり。その中でも、やっぱり妻役の主人公の麻美れいが、こんな怪しい演技もできる人なのかと新発見。娘たちに失望する理由を述べるくだりの迫力と説得力は、選ばれた女優だけがこなせる領域。そこに真っ向からぶつかる長女の秋山奈津子が拮抗した場面の手に汗を握る緊張感、を観ると、次女の常盤貴子と三女の音月桂はもっとエネルギーを備えてほしい。生瀬勝久の事態に善処する様子と橋本さとしの怪しさは、はまっていたけどイメージ通り(失礼)なので、逆で演じてほしかった。

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