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2016年5月28日 (土)

DULL-COLORED POP「演劇」王子小劇場(若干ネタバレあり)

<2016年5月25日(水)夜>

「僕」は卒業式間近の小学生。友達と遊びながら卒業式になんて出ないと言い合っている。夜中の外出中に、車椅子の少女と出会い、恋をする。一方、卒業式間近の学校。卒業間近の生徒が合唱の練習をしている最中、職員室では教師たちが相談を繰返す。自殺未遂を起こした生徒の親から連日問詰められており、本日の対応を協議していると、現れた父親がこれまでの非礼を詫びて「娘を卒業式に出席させたい」と教師に懇願する。

活動休止前の最終公演のうち長編のほう。タイトルにいろいろ重ねて、最終公演にふさわしい内容と、この規模の劇場らしからぬ仕上がりの高さに。無理やり観に行ってよかった。

人生は演劇でありそれぞれが誰かにとって主役であり脇役である(雑)、というシェイクスピアのような台詞をおもいっきりダイレクトに説明する場面を前振に、小劇場らしい「僕」の場面と硬派なストレートプレイの学校の場面という表看板を展開。最終公演に参加を希望しつつも体調不良でひとりだけ降板した劇団員という自分たちの劇団を想像させるような設定に、立場上演技せざるを得ない教師と保護者という演劇的な演劇を込めて、それぞれ自分の人生の新しい局面を新しい演劇として始めていくことをタイトルコールでメタ演劇で表現。「演劇」について多分ほかにもいろいろ入っている。

これだけいろいろな要素を入れつつも、表看板のストーリーが骨太でそれだけで堪能できる脚本。特に卒業式に出席させるかどうかを最終決定するクライマックスは、登場人物の誰もが役を演じて自分の望まない発言をしているのではないか、あの登場人物がそう発言するに至った背景は何か、について考えさせられる、ものすごく上手に観る側の想像力を促してくれる名場面。

最後に「僕」と教師が会話する場面はあまり明らかにされていなかったけど、「僕」の場面のいろいろからして、小劇場的には「僕があなたの若い頃」「わかったかい、俺」みたいな裏設定を思い浮かべた。これが上手く処理できるようなら映像化できないかこの脚本。映像にとても向いている予感がする。

劇団員は父親役の大原研二を筆頭に熱演揃いだったけど、客演陣がそれに負けず劣らず好演。特に井上裕朗の学園主任役と井上みなみ(日替ゲスト)の少女役は、よくできた小劇場芝居でよく見かける好演よりも振切りが大きくて、新鮮だった。

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