新国立劇場演劇研修所「ロミオとジュリエット」新国立劇場小劇場
<2016年11月12日(土)夜>
2つの名家が反目を続けて勢力が二分されている街、ヴェローナ。一方のモンタギュー家の御曹司であるロミオは恋に破れたばかり。いたずら好きの友人にそそのかされて、もう一方のキャピュレット家が主催する仮面舞踏会に潜り込む。そこでキャピュレット家の一粒種の娘、ジュリエットと出会う。
一度はどこかで観たはずで、観終わって筋を思い出した。結構期待していたのだけど、窮屈な演技で終わってしまった。これでは合格点はおろか及第点にも届かない。研修所の上演とはいえ、やりたくったってやれないシェイクスピアの、そのまた王道の1本に主要な役で参加できる貴重な機会だったはずだけど、残念。周辺役でちょっといい感じと思ったのは後で確認したら全員卒業生だった。
がんばっているのはわかるけど完全に台詞に負けていて、まっすぐこちらに届く台詞がほとんどなかった。「ロミオとジュリエットは結構恥ずかしい台詞。日本人のメンタリティでは言えない。」って言葉が今になってようやく実感できた。これは難しい脚本。上手にやるかどうかより、ほとばしるエネルギーで芝居をねじ伏せるのが先に必要だけど、エネルギーが足りない。とりあえず大声出しとけって言ったのは野田秀樹だったか。
最後の場面、アメリカ大統領選だけでなく日本を含めた世界中が似たような状況になっているので、そういう意図も込めて脚本選んだのかな。そうすると、世界をねじ伏せるような愛を見せつけてくれないといけない。ますます難しい脚本。
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