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2017年2月23日 (木)

Bunkamura/キューブ企画製作「陥没Bunkamuraシアターコクーン(若干ネタばれあり)

<2017年2月18日(土)昼>

東京オリンピック開幕前の昭和の日本。実業家がホテルの建築を計画していたが、事故死してしまう。後を継いだ一人娘は何とか開業にこぎつけたものの、夫の浮気が原因で離婚し、父がスカウトした会社の同僚と再婚している。プレオープンの日、父の借金のため費用をかけられなかったホテルはアンケートに苦情の嵐。本日は別れた元夫の再婚パーティー開催が予定されており、関係者が宿泊に来ているが、不穏な空気が流れている。死後の世界から様子を見に来た父は何とかしようと奮起し、それを早く連れ戻したい死者の見張り役とトラブルになる。

あまりオリンピックは関係なく、スマホも携帯電話もありません、くらいの時代設定。亡くなった父が見張り役に頼んで七つ道具を駆使するあたりからKERA版真夏の世の夢が始まって、その裏で一人娘と元夫と再婚相手とがぎくしゃくするKERA版岩松了が進んで、でもやっぱり要所要所がKERA芝居で、最後は、これもスクリューボールコメディっていうのか、お楽しみ、な展開。

七つ道具で「触ると内心のことを正直に話してしまう粉」がツボで、これを振りかけた椅子に座るかな、座らないかな、のじらし具合はお手の物。それを忘れたころに使うのが実に上手。何と言うか、よくできたベタな笑いがこんなに面白いとは思わなかった。もちろん丁寧な前振があるのだけど、久しぶりに大笑いした。客席のノリもいい日だった。

やっぱり主役の小池栄子が素晴らしくて、社長令嬢の役にふさわしくものすごいきれいだった。「グッド・バイ」もそうだったけど、悩んでも何しても真っ直ぐな役が似合う、華のある人で、脂の乗っている女優という表現がぴったり。それなのにきっちりおっぱいネタもこなす偉ぶらなさがまたいい。あと、山崎一の演技が芝居の軽い側の線をまとめている。何か植木等に似ているように見えてきた。他の出ている役者は複数役を兼ねたり同じ役でも体を乗っ取られたりして忙しいのだけど、それでも楽しんで観ていられるこの余裕のキャスティング。このくらいが標準になってくれるといいのだけど、やっぱり贅沢だよなあ。

芝居初心者にもぜひ勧めたい一本。1階端席で観たけど事前に言われたほどの見切れはなかった。立見ならチケット代はぐっと安くなる代わりにたぶん見切れがひどいのでできるだけ後ろ側で。

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