シス・カンパニー企画製作「子供の事情」新国立劇場中劇場
<2017年8月5日(土)夜>
三谷幸喜の小学校4年生時代。クラス替えがなく3年生から同じメンバーだったクラスに、転校生がやってくる。放課後に残っていて遊んでいたメンバーに参加するが、悪知恵の働く転校生はみんなを次々に陥れていく。
シチュエーションを思いついた瞬間にガッツポーズが出たであろう企画。いろいろ強引で無理な展開を大人が小学生を演じるという無茶な設定で成立させ、その無茶な設定を無駄に贅沢なキャスティングで納得させ、その無駄なキャスティングは無理な展開をこなさせるために必要となる。今の舞台界のトップを占めている立場を存分に活用。「こんばんは、三谷幸喜です」でいきなり笑いを取ってくるオープニングから、たっぷり笑わせてきっちり郷愁をさそって、劇中歌が転じてカーテンコールの歌になるところまで見事の一言。
華も実もある主役級の役者陣に目移りするも、舞台中央で決めポーズを取っただけで拍手が起きる天海祐希、素直でない悪ガキを演じて魅力たっぷりの小池栄子、陥れていく様がときに爆笑になる転校生の大泉洋の3人が存分に活躍し喧嘩せずに成立するのはシチュエーションのよさ。広い舞台を見切れないように割切って狭く取ったのかと思いきや、奥行きを活用した中劇場ならではのラストは以前のシアターコクーン(「死の舞踏」「令嬢ジュリー」)にも増して美術の松井るみを絶賛したい。これより面白い芝居も質の高い芝居も観たことはあるけど、誰が観ても満足度高いだろうというくらいここまで満足度の高い芝居はなかなかお目にかかれない。
なお当日券は最初早い者勝ちだったのが徹夜組が出たため途中から抽選に変更。初期の早い者勝ちの段階で劇場に行ってみて2回断念、抽選でも2回目でようやく引き当てる。最初から抽選にしておけよの文句くらいは言わせてほしい。参加した抽選2回とも倍率10倍以上、15枚に160人とか21枚に250人とか並んで抽選を引くまでも一苦労。キャンセル待ちは加えて各回5人だけだが入れたかどうかは不明。一応記録。あれなら見切れ上等でサイド席も1-2列解放すればよかったのではないか。
« 東京芸術劇場企画制作「気づかいルーシー」東京芸術劇場シアターイースト | トップページ | Bunkamura企画製作「プレイヤー」Bunkamuraシアターコクーン(若干ネタばれあり) »
« 東京芸術劇場企画制作「気づかいルーシー」東京芸術劇場シアターイースト | トップページ | Bunkamura企画製作「プレイヤー」Bunkamuraシアターコクーン(若干ネタばれあり) »
コメント