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2017年11月 1日 (水)

芝居はチケットの3倍の満足感を提供してようやく対価が釣りあう

2000円の芝居が2000円分だけ観客を楽しませればいいかというとそうではなく、6000円分楽しませてようやく観客は満足する、という話です。

淡々と書かれた文章が身にしみるこちらのブログより。

勿論、舞台に集中して、感情移入して、感動する舞台もあるけれども(映画も)、
だんだん数少なくなってきた。
俳優が(時には役者と言ったりするが)懸命に演技している事はわかるけれども、
だからといって、その舞台を褒めそやすことはできない。

歌舞伎座の歌舞伎会の会員は、もうとっくにやめてしまった。
国立劇場のあぜくら会員も、今年まで30年以上続けてきたが、
最近は国立劇場にも足を向けなくなってきて(面白くないのだ)、
結局この12月で辞めることにして、連絡した。
後はカードにハサミを入れるだけ。

あらたに新国立劇場のアトレ会員に数年前からなっているが、
いつもS席を購入しているのに(割引で)、コストパフォーマンスに見合ったものが得られない。
もう少し会員を続けるが、安い席の方にすることを決意した。

名指しで面白くない、コストパフォーマンスに見合ったものが得られない、と書いた点には一観客として非常に共感します。こう言っちゃ何ですけどマニアや狭いリピーター向けのラインナップに特化しすぎです。これはそのうち書きます。

ところでこのコストパフォーマンスを具体的に表すとどうなるか。まあコストにもいろいろあります。まずチケット代が掛かるのはスタート地点として全員納得してくれるでしょう。

次に観劇の時間がかかることを挙げます。長短あるけど仮に上演時間が2時間なら2時間のコストを観客は払っているということです。えっ、って思うかもしれませんけど、飲食で頼んで食べた瞬間に満足したり、おしゃれな衣料品が着た瞬間から満足開始だったりするのを考えると、最初から笑わせっぱなしの喜劇ならともかく、2時間最後まで観ないと満足できないのはかなりのハンデになります。この前のこまつ座の「円生と志ん生」は、後半はかなり笑えたけど前半はあまり笑えない仕上がりでしたけど、2-3人が前半途中で退席していました。昼の回だから帰宅を考えてということではありません。こまつ座だから笑える喜劇を期待していたのにこんなものを観に来たのではないという結果です。それを考えれば、2時間最後まで座っているのもコストに含めていいと思います。いまどき連続2時間を一箇所で確保するというのは贅沢ですよ。

あとは見逃しがちですけど、往復の交通に掛かる費用と時間を挙げます。都内のよほど一等地に住んでいれば最寄の劇場まで徒歩5分かもしれませんけど、普通は都内に住んでいたり働いていたりしても片道30分以上はまず必要。通勤圏の住宅街からなら1時間は掛かります。そこに交通費が掛かる。往復2時間分は費やしていると見なせます。でもこれはかわいいほうで、例えば赤坂ACTシアターはアクセス案内画面に「飛行機をご利用の方」という項目を設けています。宝塚みたいに旅行会社と組んで宿泊セットを売る場合もあります。総じて交通には費用も時間も掛かりますけど、ここでは合計で片道1時間分のコスト、往復で2時間分のコスト、と考えます。

そうすると、チケットコスト+観劇コスト2時間+交通コスト2時間分がおおまかなコストになります。チケット(金額)と観劇+交通コスト(時間)の換算をどうするかですが、その芝居のチケット代と上演時間を換算レートにしましょう。つまり2時間2000円の芝居なら、2000円+2時間+2時間は6000円または6時間ということです。もちろん、4時間1万円とか1時間5000円とかいろいろありますが、最大公約数に最大公約数を重ねて、平均ではチケット代の3倍のコストを観客は支払っている、というのがこのエントリーの主張です。

2000円の価値を他のライブと比べるなら条件は同じです。でも6000円あったらどのくらい美味しい食事が楽しめるか、あるいは衣料品が買えるか、などなど。1万円のチケットなら3万円で何ができるか。他のそこまでコストがかからない業界の満足感と比べて釣り合っているかは、とりあえず目安として悪くないのではないかと考える次第です。

ここまでくると、ならば満足感を定義せよとなりますが、それはまたそのうち。

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