庭劇団ペニノ「地獄谷温泉 無明ノ宿」神奈川芸術劇場大スタジオ
<2017年11月12日(日)昼>
北陸の奥地にある、一部の地元の人間しか来ない湯治宿。冬を間近に控えた季節に、余興を依頼されて東京から訪れた人形遣いの親子だが、その温泉宿はすでに持主が亡くなって所有者はいないという。帰りのバスもすでにないため、相部屋で一晩過ごしてから帰ることに決めた。その一晩の出来事。
これが最後の上演という岸田國士戯曲賞作の千秋楽は満員御礼状態。変態か絶望のどちらかを秘める登場人物たちが、一晩の交流のうちにそれをちらりと見せながら過ごす宿の出来事。ラストも一見平和に見えるけど、いろいろ考え合わせると平和には思えない。全体に粘度の高い芝居で、適度に不親切な脚本と併せて、過去に観た庭劇団ペニノもそんな感じたったよなと思い出す。
マメ山田ありきの脚本でマメ山田が人形遣いを演じたから成立した芝居かと思ったけど、よく考えたら他の役者でも成立するよくできた脚本。でもあの雰囲気はマメ山田ならでは。それも含めて不親切な脚本を不親切に役者は公演。あの狭いスペースに4分割で湯治宿を詰込んだ舞台美術と照明には拍手。
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