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2017年12月14日 (木)

Bunkamura企画製作「欲望という名の電車」Bunkamuraシアターコクーン

<2017年12月9日(土)夜>

裕福だった実家が没落し、教師の職も失った姉が、静養を兼ねて妹夫婦の家を訪れる。初めて訪問した狭いアパートと、気性が荒く深夜まで仲間たちとつるむ妹の夫に面食らいながらも妹の世話で馴染んでくるが、生活を邪魔されて趣味も合わない妹の夫は事あるごとに衝突する。おとなしい独身者である妹の夫の仲間のひとりは姉に好意を寄せてデートするようになるが、ある日、妹の夫が勤め先の仲間から気になる噂を仕入れてくる。

松尾スズキ演出以来、2度目の観劇。すっかり忘れていたけど、改めて観るとやっぱり救いのない話という感想がぴったりくる芝居。大竹しのぶ演じる姉がかなり神経質な演技で通していて実に上手なんだけど、あれでは追出されても文句は言えないくらい高慢な姉になっていて、正直、感情移入ができなかった。そこを補ったのが妹を演じた鈴木杏で、姉を想い夫を愛し気を双方に使いながらもたくましく生きる面が演じられていた。

スタッフワークでは美術がよくて、アパートを中央に置いてあとは劇場の機構をむき出しにしていたけど、あれがアパートの立地を想像させて、建て込めばいいってものではないことを見せてくれた。

ただ、やっぱりそれでも救いのない話は救えなくて、レベル高く仕上がったのだけど観ていてつらい。脚本は脚本として、もう少し姉に同情心のある演出にはできなかったものか。

余談だけど、「足跡姫」「マリアの首」に今回と、鈴木杏が今年は絶好調かつどんどん上手くなっている。昔、同じ劇場でヘレン・ケラーを演じていて、大竹しのぶ演じるサリバン先生に巴投げを食らっていたのを観た身としては感慨深い。蜷川幸雄の薫陶が今になって花開いたか。来年の「ムサシ」も期待。

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