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2017年12月19日 (火)

ブス会「男女逆転版・痴人の愛」こまばアゴラ劇場

<2017年12月16日(土)昼>

大学で美術の講師を勤める「私」は40歳が語る5年前からの話。母の命日に行きつけのバーで出会った「ナオミ」という少年はそのころまだ15歳。親もおらず家もない少年に目を掛けて、家を借りて一緒に暮らすようになる。少年の美しさに心を奪われた「私」は、成長するにつれて見えてきた少年のわがままな面にも目をつぶり生活の支援を続けるが・・・。

谷崎潤一郎の原作は未見。観劇後の声では案外原作に忠実らしい。「私」を演じる安藤玉恵が完全に仕上がっていて緩急自在、しっかりした大人に見えたところからヒモにはまって狂っていくまでを狭い空間で堪能できる、主演女優賞候補といってもいい一見の価値あり。その分だけ絡みの多い少年役の福本雄樹が追いついていないのがつらい。その他4役を演じた山岸門人が、出番は少ないながらも面白い役をこなして盛上げただけに惜しい。

音響は効果音以外はチェロの生演奏、芝居の雰囲気に合っていて堪能。簡素な舞台は自分の席からは見切れがあったものの複数場面をこなすのに有効。ただ照明がかなりベタ明かりで、陰影礼賛を書いた谷崎潤一郎の芝居ならもう少し影の多い照明にしてもあの劇場なら十分見えるし許されたのではないか。

全体には気合十分の満足度の高い仕上がり。これを書いている時点であと1ステージだけど、当日券に挑戦しようか迷っている人には挑戦してみてほしい。

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