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2017年12月30日 (土)

マームと誰かさん「ぬいぐるみたちがなんだか変だよと囁いている引っ越しの夜」VACANT

<2017年12月23日(土)昼>

これまでに発表された作品、私物、本人および存命の父親へのインタビュー、一緒に仕事をしたことがあるブックデザイナーの名久井直子からのコメントを元に、歌人・穂村弘が重ねてきた引越しの日々とその両親とについて構成された話。

マームとジプシーが他ジャンルの作家とのコラボレーションに取組む企画をマームと誰かさんと呼んでいるとのこと。自転車キンクリートと自転車キンクリートSTOREみたいなものか。「小指の思い出」がさっぱりわからなかったのでいつかもう一度と考えていたところこれならもう少し分かりやすいだろうと観てみた。

美しかったけどわかったとは言いづらい。一般的な芝居と比べて何が違うかを考えたけど、前提知識を芝居中で説明していないししようともしていない。「詩はリズム、芝居はテンポ」という台詞があったけど、公開情報その他で前提知識を仕入れてから観るか、ひたすら流れに乗るか、どちらかの態度で臨まないといけない。すごく大雑把な感想だと詩人が役者と映像と音楽を使ってDJをやっているような。野田秀樹を最初に観たときのほうがまだ何か分かった気になっていた。役者の声を含めて音に気を使っているのはわかる。

ほぼ全編、青柳いづみのひとり芝居。穂村弘(のエッセーや短歌を台詞として語る)本人と思しき役や、(映像の)穂村弘へのインタビュアーや、(映像の)穂村弘の父親へのインタビュアーを演じる。その中に名久井直子を演じる場面があるのだけど、観ていたこちらが一瞬戸惑うくらいがらっと演技を変えて、あそこから観る姿勢が変わった。出ずっぱり喋りっぱなしで、でもあまり役者本人感の薄い青柳いづみが巫女っぽいと思ったら、本人も「私は媒介物」と言っている記事を見つけた(前編後編)。もっと他の芝居にも出ればいいのに。

あの芝居の前提として青柳いづみの声と演技がないと多分成立しない。しかも藤田貴大の演出がないと成立しない。それは演劇をライブ体験として捉えるなら強みだけど、シェイクスピア的な後世への残り具合はあまりなさそう。それはつまるところ脚本構成が弱いんじゃないかと思うのだけど、今時は上演を映像で残しておけば上等で他人の上演なんて真っ平ごめんなのか。それとも見慣れたらまた印象がかわるのか。

チケットもチラシもないので少しだけ出ていたもうひとりの男性役者やスタッフの情報は不明。公式サイトにもみつからない。あと当日パンフはおろかチケットもないので、こうやって書いてでもおかないと記録が残らない。チケット作るだけでも手間だとおもうけど何とかならないものか。

会場は原宿らしいおしゃれなスペースで、窓があって遮光していないので、昼と夜とで雰囲気が大幅に違うと思うけど、個人的には昼に観られてよかった。夜に観たら怖すぎる。

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