2017年9月17日 (日)

風琴工房「アンネの日」三鷹市芸術文化センター星のホール

<2017年9月16日(土)夜>

大手化学メーカーの女性開発員は新型生理用ナプキン開発の追込み真っ只中。リーダーを務める女性に同じチームの同期の女性開発員から、実は普段は自社のナプキンを使っていない、天然素材のナプキンを開発できないかと持ちかけられる。それどころではないと喧嘩する2人に、今は企画部部長の元上司が、会社の「自由研究プロジェクト」を使えばよいと情報をもたらす。元上司のおぜん立てで集まった7人の女性で発足したプロジェクトの初回に、そのプロジェクトを知って混ぜてほしいと総務の女性が直訴に来て始まるナプキン開発と、それに関わるメンバーの生理についての物語。

15年ぶりくらいの風琴工房は、生理を巡る女性の話を、生理の基礎知識説明まで丁寧にしたうえで、あのアングラスタイルはどこに行ったのかというくらいポップかつ正面から描く。トランスジェンダーで性転換手術を行なった役まで登場させて8人8様の初潮の話から開発への思いにつなげる脚本スタイルは「ヴァギナ・モノローグス」を思い出すけど、それよりはもっと、ナプキン開発というテーマで1本の物語にして進めていく。役者も力みすぎず流しすぎず、真面目すぎず茶化さず、観る側が引かないようなラインで演じきっていた。これは脚本を含めた演出家の調整の賜物だと思う。難癖をつければ、8人の所帯で全員同じくらいのテンションで前向きに揃っている点に若干ひっかかるけど、開発者の物語としては満点の出来。観れば何かしら発見があるはず。

でも開発の物語ではない。チラシに生理用ナプキン「開発」の物語とあったので、もっと開発の話が前面に出てくるかと期待していた。でもナプキン開発を通して生理を描くことを通して生理を巡る女心を描いていた。どちらの誤解になるのかはともかく、そこが個人的に残念。

<2017年9月18日(月)追記>

そういえば最後列に何をやっても笑っているおっさんがいたけど、あれはなんだったんだろう。大きな劇場だとたまに見かけるけど、業界関係者か。一応こらえていたつもりなのだろうけど、あのサイズの客席ではつらい(実はかなり近い席だった)。あれだけ頻繁に笑われてもリズムを崩さなかった役者はあっぱれだけど、観ている側のリズムというか入り込み具合は損なわれた。ライブは難しい。

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ななふく本舗「浪曲タイフーン!」カメリアホール

<9月16日(土)昼>

若旦那が泊った宿屋、預けた売掛金が足りなくて責められた宿屋の娘、自害を思いとどめてくれた武士を探しあてたら「赤穂義士伝 貝賀弥左衛門」。静岡は掛川の宿、大納言一行が泊るから宿泊お断りの宿屋に無理やり泊ったのは、名を明かさぬ名人の左甚五郎と、これまた謎の老人、夜中の厠の途中に新築の部屋を見つけた2人の悪戯ごころ「左甚五郎旅日記 (失念)」。家付き娘のお内儀の焼きもちが有名な上方の繁盛している商家、今は所帯を持ったかつての奉公娘が法事に寄ったら、旦那との不義を疑い追い返す始末「(失念)」、いつも酒に酔って金にも困った様子の男が兄上と酒を酌み交わしたいと訪ねたが、あいにく兄は留守で酔っぱらいの義弟を嫌う兄嫁は仮病で引っ込む、しかたなく兄の紋付を相手に酒を飲んだ男が出かけた先は「赤穂義士伝 赤垣源蔵 徳利の別れ」。

人生初の浪曲は玉川奈々福と春野恵子それぞれ2席ずつの4本立て(春野恵子、玉川奈々福、春野恵子、玉川奈々福の順)。聴いているこちらが気持ちよくなるほどの声。落語よりもさらに声を聴かせるスタイルの芸という印象。

日本人ならまず琴線に引っかかる赤穂義士伝が良くできていたのは当然。として、今の気分を表したという名人のいたずら話、他のどの登場人物よりも主人公の恨みがましさから思い切るまでの流れが一押しの話、そちら2本のほうがそれぞれ演者にマッチしていた。

三味線がまた興味深い。春野恵子と組んだ一風亭初月は弾くより叩いて盛上げるスタイルでこれはこれでいいのだけど(恨む女の場面は実に盛上げていた)、玉川奈々福と組んだ沢村豊子の音が太くて滑らかで、右手の撥の動きが弦を撫でるようにまた艶っぽくて、弦楽器を弾くならあんな音を出したいと思うような理想のひとつ。声も三味線もマイクなしでもっと狭い会場で贅沢に聴いてみたい。

客席からの掛声もあったけど、ファンなのか、上手前方にタイミング悪く声を掛ける客がいて、贔屓の引倒し。今後も機会があれば聴いてみたいけど、折込チラシを見た範囲ではだいたい1日限り1公演なので、観る側として日程調整で最優先しないと見逃してしまうのが難。

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2017年9月10日 (日)

Q「妖精の問題」こまばアゴラ劇場

<2017年9月9日(土)夜>

ブスの排除と弱った老人の撲滅を掲げて選挙に元女優が立候補する世の中で、ブスの女子中学生同士がお互いの容姿を貶しあいながら将来に絶望したり希望したりする様子を落語で描く「第1部:ブス」。豚骨ラーメン屋の近くに住んだばかりに繁殖が止まらないゴキブリとの終わりなき戦いを歌い上げる「第2部:ゴキブリ」。健康のためには菌を殺すのではなく適切なバランスで共存させるべきと主張するセミナー主宰者が勧める食品は「第3部:マングルト」。

自分と違った人間を排除すべきとの主張を、誰でも排除したくなる対ゴキブリに視点をずらして、体内菌の共存で多様性を訴える展開はお手本のような正反合。それを演じる格好が、出だしからインパクト強すぎで、しかもそれで最後まで通すとか、エネルギーありすぎ。

ただ演出とスタッフワークには異議あり。ひとつは第2部の歌。膨大な台詞を音に乗せるためか、似た伴奏が似たテンポで続くためさすがに飽きるのと、マイクが声質に合っていないのかキンつく場面あり。あと客席がコの字なのだけど、特に第2部と第3部は劇場入口から見て左奥が正面扱いされて、右手前からは背中だらけになる場面多数。特に第2部は天井からぶら下げた美術が映像を邪魔しないように左奥に配置したと思われるが、そこに照明とマイクスタンドと楽譜台を置いて左奥向きに歌ったため顔は見えてもほとんど横顔。あれは映像のない第2部しか使わないのだから正面に配置して上下させればよかった。これは美術。演出の注文かスタッフの考慮不足かわからないけど、演出が責任を取るべき。あとこれまでいろんな芝居で書いてきたけど、囲み舞台で稽古場の演出家席がわかるような動きは演出家が直すべ。一人芝居(第3部はそうではない)で役者に任せた動きが多そうだけど、直せないなら囲み舞台は使ってはいけない。

全体に、創作意欲(脚本能力)に演出能力(スタッフワークへの目配り含む)が追いついていない。

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小田尚稔の演劇「悪について」新宿眼科画廊地下

<2017年9月9日(土)昼>

大学で留年しすぎて仕送りも止められたため学費と生活費を稼ぐうちに学校に行かなくなった学生は刑事事件裁判を傍聴する趣味が高じてますます学校に行かなくなる。その学生がたまに一緒にご飯を食べる数少ない女友達はすでに社会人。それとは別の社会人女性はDV男と付き合った後日談の最中。兄と妹は人に言えない秘密を抱えている。

ごく身近な出来事から見出す悪をなすことと善く生きることについて。相当なエネルギーを使って確信犯で超スローな出だしに、一人語りの多いスタイル。序盤の展開のスローさにはさすがにじれるも、いろんな話がつながり始める後半からぐっと面白くなり、終わってみれば演劇ど真ん中の仕上がり。あるものをなかったことにするのが悪で、自分に問い続けるのが善なら、ラストとそのひとつ手前は善悪の同居でどちらが勝ったのか、深読みすればできるのでどちらとも取れる。観た回ではいろいろ細かい笑いがすべっていたけど、そんなことは気にならない。大学生の芝居っぽい雰囲気だけど、こういうのは好み。

自転車のチェーンから飛ばしてつなげていくホテルの話とか、投げっぱなしの後日談とか、いろいろ力技が発揮されて成立しているのが素晴らしい。出番の多寡はあってもやりがいのある役が多く、キャスティング表がなかったけどご飯友達の役は渡邊まな実かな(間違っていたら失礼)、あのピアスからマイクまでの上がって下がる表情の推移は見どころのひとつ。照明は少ない数で工夫して雰囲気を出していたけど、一部電灯を役者が操作するのに照明オペから舞台が見えないせいか、台詞のないきっかけでタイミングが合っていなかったのはご愛嬌。

制作体制は良し悪しあり。飲食自由なだけでなく、白ワインかウーロン茶をワンドリンクサービスしてくれるのは新鮮。だけど人手が足りないらしく、開場前の受付机は誰も番をしておらず(外階段直結なのに予約表と思しき紙が置きっぱなしになっていた)、チケットも発行していない(直接金額を払って入場)。受付の人間がオペに入っていたのだけど、照明のクレジットがないから土壇場で応援を頼んだか。でも飲食自由なのと、芝居が面白かったのと、実害が(自分には)なかったので、よい。

公演日程が1日増えて、ここから3日間昼夜連続公演が残っているので、せまい劇場ではあるけど、都内の好事家と、募集中の応募(出演だけでなく、演出部と制作部も9/13締切で募集中)に興味のある人はぜひ観てもらいたい一本。

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2017年9月 1日 (金)

シス・カンパニー企画製作「ワーニャ伯父さん」新国立劇場小劇場

<2017年9月1日(金)夜>

ロシアの地方の屋敷。父が購入した領地を、母と妹の娘である姪と切盛りして独身のまま歳を重ねた男。妹は亡くなっており、その夫である教授は若い娘と再婚していた。教授の退官にともない最初の妻の実家に戻ってきた夫婦だが、田舎の生活とスタイルが合わず衝突を繰返し、ことあるごとに体調不良を訴えて多忙の医者を呼寄せる。貧しい生活で愚痴と倦怠が屋敷を覆う中、男と医者は教授の後妻に恋慕し、姪は医者に恋焦がれる中にわずかな生活の希望を抱えているが・・・。

かもめ」「三人姉妹」に続くKERAのチェーホフ上演第3弾。これも初見。素直に読めば悲劇だし「三人姉妹」でも笑えそうで笑えなかったところ、今回は冒頭から7割くらいまで喜劇仕立てで妙におかしいのは脚本をねじ伏せたKERAの腕前。四大悲劇のひとつなので最後は悲劇なのだけど、それがまた妙に時勢を感じさせるのは「三人姉妹」と一緒。何度も上演される古典なだけのことはある。

ワーニャの段田安則、教授の山崎一、医者の横田栄司と声の大きいおっさんたちが大きい声で愚痴をこぼしてうっとおしいところ、後妻の宮沢りえと姪ソーニャの黒木華がはなやかにかき回して、それがまたおっさんたちのうっとおしさを誘う。今回は宮沢りえが絶好調で、黒木華と仲直りする夜の場面とか、他の人が話している場面も含めて出演場面の顔芸とか、実に楽しく、こころなしかいつもよりきれいに見える。段田安則の長台詞とか、夜の場面の山崎一の切替の早さとか、黒木華の天国と地獄とか、横田栄司の豹変振りとか、いろいろ見所が多い。脇も隙がないキャスティングでつい目が向くこともしばしば。スタッフだと衣装がさすがで、宮沢りえや黒木華の衣装は一見の価値あり。壁を作らずに斜め配置を増やして見切れを減らしつつ場面転換を容易にした美術もよし。

チェーホフが苦手な人でもこれなら楽しめるし、むしろそういう人ほどこの機会を逃すと楽しいチェーホフを観る機会はない。ミーハーな人であれば宮沢りえと黒木華を観るだけでもよい。一般的には高いチケット代だけど、この座組みがこんな規模の劇場で上演する時点で贅沢な芝居。まだ微妙にチケットが残っているみたいだし当日券も出るのでぜひお勧めしたい1本。この距離なら後ろでも全然問題ないし、顔芸が見所のひとつなので、可能なら後ろでもいいから正面席を選んでほしい。

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2017年8月16日 (水)

日本総合悲劇協会「業音」シアターイースト

<2017年8月15日(火)夜>

母親の介護を理由に芸能界を引退していた歌手が、借金返済のため介護の美談を使って演歌歌手としての再デビューを目指す。が、自分が運転する車でマネージャーと移動の途中、歩道の女性をはねてしまう。その際に、実は亡くなった母親の死体を車に積んで再デビューまでは隠そうとしたことまでばれてしまう。マネージャーが身代わりで出頭するが、口止めと引換に歌手は女性の家庭に引き留められる。

荻野目慶子主演で2002年初演の芝居を大人計画メンバーで再演。松尾スズキが過激な時代の脚本で、新主演の平岩紙にいろいろ負担がかかるも物語の展開上は疑問が多く、初演時に荻野目慶子を追込みたかったという経緯を知らなければ強引に見える。いろいろ社会の暗いところを当時の基準で切取っていたけど、明るみに出たりそれ以上の問題が起きたりして時代遅れになった話題多く、「ふくすけ」同様脚本の古さは否めず。それよりこのサイズの劇場で役者の声にエネルギーを感じられなかったほうが問題。そもそも無茶な展開がある脚本なのだから丁寧に作る以前に熱量が必要。千秋楽までの改善を期待。観た回では皆川猿時が健闘、美術とプロジェクションマッピングよい。

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2017年8月13日 (日)

松竹製作「野田版 桜の森の満開の下」歌舞伎座

<2017年8月11日(金)夜>

古代ヒダの国の王が3人の彫刻職人を呼寄せる。昼しか起きない早寝姫と夜しか起きない夜長姫の2人の姫の成人に祝いに、3年の期限で仏像を彫ってほしいという。ところがそのうち一人は誤って師匠を手をかけた弟子が、もう一人は道中を襲った山賊の頭が成りすましている。互いに様子を見ながら過ごしていると、もう一人の職人は姫と近づきになり、ヒダの国の丑寅に封印されている鬼のことを調べている。

これまでは舞台を江戸に寄せて上演してきたのを、常連スタッフともども遊眠社通りの設定で歌舞伎座に。1等席で見物したところ周辺客席からは「シュール」「難しい」の声しきりで、他の劇場と歌舞伎座との客層の違いを思い知る。衣装は豪華になったものの、言葉遊びから想像を飛ばして客席を巻きこむ野田秀樹の脚本には必ずしもプラスにならず、むしろ鬼の面など具象的な要素が入りこむことで想像の邪魔に。それなりに台詞をこなす役者はさすがも歌舞伎のフォーマットで芝居のテンポが損なわれる点も散見。残念ながらこれなら2割安く東京芸術劇場で上演してもらったほうがよい。

勘九郎はさすがにノリを理解して馴染んでいたが、顔も声も父親そっくりで、これが歌舞伎を見ることかと得心。それ以上に七之助の夜長姫の狂いっぷりが見事。市川猿弥のマナコ思い切りよし。奴隷女の中村芝のぶは少ない出番だけど確実に目を引いて、これだけの役者にこれだけしか役を与えないのだから日本の伝統芸能は残酷。野田秀樹が現代演劇側に引張るべき才能。

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Bunkamura企画製作「プレイヤー」Bunkamuraシアターコクーン(若干ネタばれあり)

<2017年8月11日(金)昼>

某地方の公共ホール。町おこしの一環で地元の人間と東京から来た役者とで芝居の共同制作を行なうその稽古場。刑事の失踪した友人である女性が死体で発見されたため、女性が生前に力を入れていた瞑想セミナーに刑事が赴くという脚本。それを稽古している出演者たちの演技が、脚本の内容とがだんだん混ざっていく。

オカルト要素をふんだんにちりばめた前川友大のホラー脚本を、茶化す要素ほぼ皆無で長塚圭史が演出。前川友大が脚本演出を行なうと脚本のホラー要素は慎重に演出され、長塚圭史が脚本演出すると脚本が振り切れすぎているのでシリアスに演出してもフィクション感が残るところ、今回の組合せだとオカルトホラーとシリアスが必要以上の相乗効果。お盆の時期とはいえ、今時はとことんやらないと驚かれないとはいえ、劇場ライブとしては個人的には演出やり過ぎの判断。芝居はのめり込んで観たいといつも思っているのに、引きながら観ないといけないと思ったのは初。

峯村りえ演じる劇場制作者がこの脚本を選んだ理由からオチはある程度予想できたけど、劇場制作者と真飛聖演じる演出家との間に裏設定がありそうで、そこが観ていて嫌だった。刑事役を演じる有名俳優役の藤原竜也の熱演も裏目。演出助手の安井順平だけが最後まで稽古場の人間の立場で、客席ののめり込みを防ぐ役だったけど、これだけでは足りない。

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2017年8月 7日 (月)

シス・カンパニー企画製作「子供の事情」新国立劇場中劇場

<2017年8月5日(土)夜>

三谷幸喜の小学校4年生時代。クラス替えがなく3年生から同じメンバーだったクラスに、転校生がやってくる。放課後に残っていて遊んでいたメンバーに参加するが、悪知恵の働く転校生はみんなを次々に陥れていく。

シチュエーションを思いついた瞬間にガッツポーズが出たであろう企画。いろいろ強引で無理な展開を大人が小学生を演じるという無茶な設定で成立させ、その無茶な設定を無駄に贅沢なキャスティングで納得させ、その無駄なキャスティングは無理な展開をこなさせるために必要となる。今の舞台界のトップを占めている立場を存分に活用。「こんばんは、三谷幸喜です」でいきなり笑いを取ってくるオープニングから、たっぷり笑わせてきっちり郷愁をさそって、劇中歌が転じてカーテンコールの歌になるところまで見事の一言。

華も実もある主役級の役者陣に目移りするも、舞台中央で決めポーズを取っただけで拍手が起きる天海祐希、素直でない悪ガキを演じて魅力たっぷりの小池栄子、陥れていく様がときに爆笑になる転校生の大泉洋の3人が存分に活躍し喧嘩せずに成立するのはシチュエーションのよさ。広い舞台を見切れないように割切って狭く取ったのかと思いきや、奥行きを活用した中劇場ならではのラストは以前のシアターコクーン(「死の舞踏」「令嬢ジュリー」)にも増して美術の松井るみを絶賛したい。これより面白い芝居も質の高い芝居も観たことはあるけど、誰が観ても満足度高いだろうというくらいここまで満足度の高い芝居はなかなかお目にかかれない。

なお当日券は最初早い者勝ちだったのが徹夜組が出たため途中から抽選に変更。初期の早い者勝ちの段階で劇場に行ってみて2回断念、抽選でも2回目でようやく引き当てる。最初から抽選にしておけよの文句くらいは言わせてほしい。参加した抽選2回とも倍率10倍以上、15枚に160人とか21枚に250人とか並んで抽選を引くまでも一苦労。キャンセル待ちは加えて各回5人だけだが入れたかどうかは不明。一応記録。あれなら見切れ上等でサイド席も1-2列解放すればよかったのではないか。

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東京芸術劇場企画制作「気づかいルーシー」東京芸術劇場シアターイースト

<2017年7月28日(金)夜>

おじいさんと馬と暮らす少女ルーシー。ある日おじいさんは馬に乗って出かけたが、馬から落ちて気絶してしまう。それを死んだと勘違いした馬は、ルーシーが悲しまないように、おじいさんの皮を剥いでかぶり、おじいさんに成りすます。バレバレだが、馬の気遣いがわかるルーシーは、気付かないフリをして馬に気遣いながら暮らしを続ける。

松尾スズキらしい無茶な展開と思って観ているうちに何となくこれはとてもいいものじゃないかという気分にさせられる不思議な芝居。岸井ゆきののルーシーと栗原類の馬鹿王子があまりにはまっていて、帰りに物販で原作の絵本を買ったらそのまんまだったので二度びっくり。他の役者もそれぞれよかったけど、この芝居の成功の半分は岸井ルーシーにある。ジェンガを模したシンプルな舞台がいろいろ展開していくところや丸見えの生演奏が、生々しさを中和してちょうどよい。再演した理由がわかる芝居だし、メンバーが集まるうちに再々演もやっておくべき。

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