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2018年3月 1日 (木)

カオルノグチ現代演技「演劇部のキャリー」OFF・OFFシアター(2回目)

<2018年2月28日(水)夜>

おかわり

この時間に観られる芝居があまりなくて、昼間に観た芝居が重たかったから重い芝居を続けて観たくなくて、長い移動も嫌で、芝居以外の選択肢を取るには遅い時間帯で、帰ろう。と考えた瞬間に思いついた選択肢。同じ芝居を2回観ることはほとんどないのだけど、1回目がものすごく楽しかったのと、あのライブ感あふれる演技がどこまで作りこまれていたのか気になっていたのもあって下北沢へ。開演前のオクイシュージの口上、「今宵このとき数多の劇場で幕が開く しかし野口 幾千幾万の芝居の中で 俺はこの芝居を一番にしてみせる」だったか(適当)、あれでぐっと引込むようになっているのに今さら気がついた。格好いい。

違っていたのは気がついた範囲では
・前座でカーテン開けすぎとか喉が冷えるとかこれで学校公演1ヶ月くらいやりましょうよとかそういう細かいやり取り
・エチュードで脱いだミッキーへの突っ込み
・エチュードで先輩がミッキーにやらせる適当なストーリー(適当なところで止めた野口かおるにオクイシュージがまだ続きがあったんだけどねと返すと、え、そうだったんだと素に戻りそうになる細かいやり取りは面白かった)
・エチュードと稽古(だったか?)で客席にまで行こうとすること2回
・観覧車の場面で誤解したミッキーを抑える先輩の場面(口がキスのミッキーを手でがっちり押さえる形から頬を付けながら話す形に)
・結果を聞いたミッキーの泣く長さが少し長かったかも
くらい。前座とエチュードの場面を除いたらほとんどない。掛合いが掛合いを呼んでライブ感を出していく面はあるだろうけど、それでもあそこまで作りこめるものかと感心しきり。

モダンな演技なら同じ感情を再現して違う動作で演じるものだと言う人もいるかもしれない。でも椅子2つしかないあの狭い舞台では場面を想定して肝の動きを決めないと観る側が混乱するし、何より作りこまれた脚本があのテンポを求めている。繰返すけど、作りこんだ中にはライブ感まで含まれている。再演で、脚本家が演出したというアドバンテージはあっても、適切な声とテンポをあそこまで突詰めて再現していたのはさすがプロ。ちなみに脚本家が演出した一番のアドバンテージは選曲ではなかったかと推測。

野口かおるの声は劇場の構造か距離の問題か、1回目の近距離観劇ではすごい高音が響いていたけど、離れて聞くと聞きやすかった。オクイシュージの声は、持ち直したけど前座と口上は喉が冷えたどころか滑舌が悪くて一瞬脳梗塞かもと疑ってしまうほど(ごめんなさい)。さすがに1回目のほうが声は出ていた。あのテンションを突っ込み側で一週間続けるのはさぞ喉も体力も消耗するだろう。

勉強になったし、何より2回目でも楽しい芝居だった。千秋楽だからカーテンコール3回までは予想していたけど、まさかスタンディングオベーションする人が出るとは思わなかった。でもその気持ちはわかる。

「Love Letters」みたいに他のコンビでも上演しても面白そうな脚本。年齢が高校生のダブルスコア以上が条件とか。昼間に観た岡本健一と中嶋朋子とかでも務まりそうだし、染五郎あらため幸四郎と松たか子の兄妹出演とかチケット代2万円でも観る。ただこのいい意味での小劇場感、部員が2人しかいなくて廃部になりそうな弱小部活からの一発逆転感はやっぱり今回のコンビのはまり役であり当たり役だった。

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