岸田國士戯曲賞の選評が面白い
岸田國士戯曲賞の選評がまとまって公開されているとは実は知らなかった。とりあえず今年の分を読んでみたけど、面白い。あまり飛びぬけた候補作がなかったようだけど、だからこそなのか、選考委員の言葉が鋭い。
いくつか引用してみると、これは岩松了。
登場人物の言葉を「信じて、信じて」と言われてるような窮屈さを感じ続けた候補作の果てに読んだこの作品は、言葉など「信じなくていい」と言われているような安堵感を感じさせてくれた。実際そうなのだ、言葉など信じなくていい。信じたくなった時に信じるだけのこと。そのことがわかっているから人物の体の状態にドラマを見ようとする。石王の満洲からの引き揚げの話は語るべくして語られているから、つまり体がそれを要求しているから、信じたくなる言葉として機能するのであって、しかもそれは人が語る言葉は全て嘘、という前提を覆すことはない。嘘を信じる、という演劇の可能性に関わる問題だ。そこに挑戦するからこそ、構造に神経を使う。劇作家のやるべきことだ。
KERA。選考会は体調不良で欠席したらしい。
「面白けりゃいいのか」と言う人もいるけれど、面白くなきゃダメだ。
野田秀樹。
そういった「身の丈」から逃れられないのが、作家というものであり、作家はなにも「身の丈」にあったものだけを書けばいいというものではないが、常日頃、自分の「身の丈」を知るべきである。つまり、自分が書くことのできるもの、書いていいものを「自問自答」し続けるべきである。
平田オリザ。
岸田賞を受賞することによって得られる最大の果報は、もう岸田賞について考えずに済むことだ。
第43回から選評があるので、いずれ読まないと。
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