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2018年8月28日 (火)

パラドックス定数「Nf3Nf6」@シアター風姿花伝

<2018年8月25日(土)昼>

第二次世界大戦中、ドイツ内にあるユダヤ人収容所。ナチスの将校が銃殺される寸前のユダヤ人を救って自分の執務室に連込む。2人はかつて大学の数学教師で、共同で論文を執筆したこともある仲だった。数学者として相手の能力に敬意を払って助けたいと考える将校と、相手の能力に敬意を払いつつもすでに家族も殺されてナチスに身を投じた相手を責める囚人。将校の私物のチェス盤を載せた机をはさんで交わされる会話につれて明かされる、互いの過去と立場。

タイトルは「ナイトエフスリー ナイトエフシックス」でチェスの駒の動かし方。相手を探りあいながらも、数学の話題には共通してのめり込む関係。タイトルと設定とラストが格好いい、いかにもパラドックス定数という男2人芝居。

反面、役者の出来がいまいち。2人が共同で過ごした時間を感じさせてくれないし、今いる収容所の様子も薄いし、数学の話も(観ているこちらで内容が理解できないのはともかく)数学者として話しているように聞こえないし、死体を見慣れているようにも思えない。共通の景色が見えないというか、脚本にない部分だからこそ、役者に補ってほしい。将校役には準備不足を感じるし、囚人役も精神状態はともかく健康状態は良好すぎないか。

脚本も、2人のパワーバランスが揺れてほしいところ、最初から最後までほぼ一直線で逆転していくのは物足りない。あと会話の転換点がびっくりするほど追えなかった。数学とか暗号とか、2人に共通の前提がたくさんある設定だけど、脚本が急なのか、演技の詰めが甘かったのか不明。

タイトルとチラシの格好良さで結構期待していて、始まってしばらく、設定がわかるあたりまでの格好良さは期待通りだったけど、その分だけ仕上がりにはがっかりした一本。

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