« シス・カンパニー企画製作「出口なし」新国立劇場小劇場 | トップページ | パラドックス定数「蛇と天秤」シアター風姿花伝 »

2018年10月12日 (金)

2018年の東京台風直撃の対応の記録

2018年9月30日の日曜日の出来事。自分は家でじっとしていたけど、こんなブログを後日読んでしまった。そのときに調べておけばよかった、こういうのはすぐに記録しないと消えてしまう、いそいで記録を残しておく、と考えながら10日以上経った記録が以下になる。

先に状況もメモしておくと、台風24号が首都圏に来ることは5日前くらいから予想されていた。ただしJR東日本が夜8時以降の電車をすべて止めると発表したのが当日の昼12時過ぎ。JR西日本が予告して止めるのは2014年以降何度かあったけど、JR東日本が予告して止めたのは今回が初。新幹線から山手線まで全線が対象。私鉄もその後、順次取りやめを発表して最終的には以下のようになった。NHKより。

・小田急電鉄は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめました。
・東京メトロは、東西線の地上部分を走る東陽町と西船橋の区間で午後9時から運転を取りやめました。
・東京モノレールは、全線で午後10時から運転を取りやめました。
・京王電鉄は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめています。
・西武鉄道は、全線で午後10時から順次、運転を取りやめました。
・東京臨海高速鉄道のりんかい線は、全線で午後10時半すぎに運転を取りやめました。
・多摩都市モノレールは、強風の影響で全線で運転を見合わせています。
・東急電鉄は、東横線と目黒線を最後に午前0時までに運転を取りやめるということです。
・都営新宿線は、大島と本八幡の間で、都営三田線は本蓮沼と西高島平の間で、日暮里・舎人ライナーは、全線でいずれも午後11時に運転を取りやめました。
・ゆりかもめは、午後11時すぎに全線で運転を取りやめました。
・東武鉄道は、日光線と伊勢崎線の特急列車の一部が運休しました。

ここで芝居の世界で幸運だったのは、正真正銘の月末9月30日でしかも日曜日だったこと。なぜなら
・商業演劇や国公立劇場主宰の芝居は、月単位で行なわれることが多いため、月末は上演がないことが多い。
・最近は「土日祝日で翌日が平日の夜の回」は客入りが悪いため、日曜日は昼公演だけのことが多い。10月1日の月曜日は平日のカレンダーで、これに当てはまった。
・渋谷方面はPARCO劇場が建替中、シアターコクーンはメンテナンス中で長期休演の最中。

ということで、被害を免れたところが結構多い。逆に小劇場があわただしかった。

全部を拾うのは無理なので首都圏メインで調べた。上演時間や終演時間は公式サイト、公式Twitter、シアターガイドの上演時間情報のどこかから拾ったもの。書いた事情はリンクがなければすべて推測。あとTwitterの時刻もメモしたけど「本日」と書かれているツイートが前日深夜に見えて、自分の調べた環境で時刻がずれて表示されたかもしれないので、Twitterの時刻は信用しないでほしい。

最初に国公立劇場編。
・国立劇場:月末未上演のためセーフ。
・新国立劇場:芝居は月末未上演のためセーフ。なおオペラは昼2時からの上演でセーフだったけど予定通り上演することを朝10時に掲載。そういうニュース掲載は残しておいたっていいのにすぐに消されてしまったので困る。一応手元のコピーを案内文のサンプルとして載せておく。

本日、9月30日(日)の公演は、予定通り上演いたします。

台風により交通機関にも影響がでる可能性がございますので、お出かけの際は予め運行情報をご確認の上、十分余裕をもってお気をつけてお出かけください。

9月30日(日)の公演

●オペラパレス

オペラ「魔笛」関連企画「ウィリアム・ケントリッジ スペシャルトーク」 (14時開始)
※変更がある場合はこのニュースにてお知らせいたします(9月30日10時現在)
お問い合わせ:新国立劇場03-5351-3011(代表)

●中劇場

NBAバレエ団公演『リトルマーメイド』(12時/15時開演)

(最新情報は公演名をクリックして、主催者のウェブサイトにてご確認ください)

・東京芸術劇場:芝居は三輪明宏が夕3時と、招聘劇団が昼2時でおそらくセーフ。ただし表で開催していた大道芸は16時からの公演終了後、以降の公演を中止と前日23:18に発表。劇場も夜7時で閉館ほぼ同時刻に発表
・世田谷パブリックシアター:世田谷パブリックシアターは休演日でセーフ、シアタートラムは無名塾の「かもめ」千秋楽だったけど昼2時からの回だけなのでセーフ。
・座・高円寺:イタリアから招聘公演の「フランドン農学校の豚」を上演中だったけど昼2時の回だけなのでセーフ。
・神奈川芸術劇場:主宰の「華氏451度」は上演中だったけど昼2時からの公演のみでセーフ。ただし招聘公演だったアメリカのウースターグループ「タウンホール事件」が昼2時夜6時公演で、前日から上演予定ただし各公演の開演3時間前に再度発表すると掲載、その後当日昼3時に夜6時の回を上演ただし払戻しありと発表。元々前後3日間しか上演予定がなかったスケジュールなので振替ようがなかったものと推測。
・さいたま芸術劇場:事前に、雨天か否かに関わらず発表は当日朝11時にHPにて連絡と掲載。世界ゴールド祭の最中で、劇場では2つ、「病は気から」夕4時からの休憩なし2時間半と、海外ダンス「フロック」が夕4時から1時間がスケジュール。これは変更なしと前日22:29にアナウンス。またよりによって野外劇の「BED」上演中で昼1時半夕3時半の2公演をスケジュール。こちらは夕公演のみ3時からに変更して上演。もともとチケットを前売しておらず、上演に要する時間も35分と短い特殊な公演ため可能だった対応。

商業演劇方面
・歌舞伎座、新橋演舞場、日生劇場:月末未上演のためセーフ。
・帝国劇場:ジャニーズの「DREAM BOYS」千秋楽だったけど昼12時からの公演のみだったのでセーフ。
・シアタークリエ:東宝の「ジャージー・ボーイズ」上演中。当日は昼1時夜6時のうち夜の回を中止、同じ会場の公演期間に余裕がないためもともと予定していた神奈川県民ホールで空いている11月10日(土)夜に振替。ただし席は主宰者に一任、増えた席は追加一般販売させてくれとのこと。また払戻しも受付。会場が狭くならなかった分だけ主宰者に運があった。
・東京宝塚劇場:花組「MESSIAH(メサイア)-異聞・天草四郎」上演中。昼11時夕3時半の公演で、この夕方の回が貸切公演に当たっている。どういう対応だったかは不明。ちなみにもっと台風に近かった本家宝塚大劇場の月組公演は夕3時の公演を中止して払戻し。これは翌日昼が千秋楽で、しかも娘役トップの愛希れいか退団挨拶(この後の東京公演で退団、本家ではこの公演が最後)まで組まれていたので、翌日夜は空いていてもいまさら追加はできずに中止判断したものと推測。
・シアターオーブ:東宝の「マイ・フェア・レディ」千秋楽だったけど昼12時からの公演のみだったのでセーフ。
・サンシャイン劇場:東宝の「文豪ストレイドッグス 黒の時代」上演中で、前日夜5時時点では上演すると言っていたものの、JRの運休を受けて公演中止と払戻しで対応。会場はあと1週間あっても、休演日と千秋楽を除いて夜公演が埋まっていた。その休演日も2日後の10月2日なので振替公演を組みたくても出演者やスタッフの調整時間も足りなかったものと推測。千秋楽の夜はその後に大阪公演が控えてバラシ、移動、仕込み、場当たりまでの時間を考慮すると余裕がなくてこれも振替公演を組めなかったと推測される。
・赤坂ACTシアター:乃木坂46で「美少女戦士セーラームーン」千秋楽で昼12時夜5時の公演あり。前日22:53時点で上演決行、ただし払戻し受付の発表あり追加2追加3)。6月と9月に分けた公演の大千秋楽なのでいまさら1ステージだけのための振替公演もままならず、かつこの公演だと熱心なファンが遠方から宿泊付きでやってくる可能性もあり、払戻しを用意したものの上演決行したと推測。ただし上演予定時間は2時間50分なので、終演後には赤坂から地下鉄には乗れてもそこから先のJRは一切乗れなかったはず。
・六本木EXシアター:PARCO制作で黒柳徹子の「ライオンのあとで」上演中だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・大阪公演で梅田芸術劇場を見つけたので追加。「ナイツ・テイル-騎士物語-」を上演していて夜6時の回だけというスケジュール。これは上演中止して期間中の10月8日(日)夜に振替。同じ会場なので席は同じ座席を利用。併せて払戻しも受付。

最後に小劇場編。代表して本多劇場グループで拾ってみる。千秋楽が重なっていた模様。
・下北沢本多劇場:加藤健一事務所「Out of Order」上演中だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・ザ・スズナリ:あひるなんちゃら「あじのりの神様」千秋楽で昼2時夜6時というスケジュール。電車停止を受けて夜の回のみ夜5時に繰上げTwitter1Twitter2)。上演時間80分予定の芝居だったためそれなら収まると判断した模様。あわせて当日券の予約をストップ、夜予約の人が昼に来ても入れるように受付準備した模様。これは後日談があるので後述。
・駅前劇場:ふくふくや「真実なんてクソくらえ」千秋楽だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。なお上演時間は1時間45分とのこと。
・OFF・OFFシアター:異魂「墨牡丹」千秋楽だったけど昼2時からの公演のみだったのでセーフ。
・劇「小劇場」:T1project「ショートストーリーズ vol.8」千秋楽だったけど昼12時夕4時の公演だったのでセーフか。上演時間不明。
・小劇場楽園:劇団チョコレートケーキ「ドキュメンタリー」千秋楽で昼12時夜5時を決行。なお上演時間は80分とのこと。
・シアター711:TAAC「を待ちながら。」千秋楽で昼1時夜5時だったのを決行。なお終演時間を6時45分と告知
・小劇場B1:佐藤貴史presents「喧嘩ウォーズ」千秋楽で昼2時夜5時を決行。終演時間を6時半と案内、あわせて当日券を前売価格で販売すると告知

これだけたくさん見ると対応の基本パターンが見えてくる。国公立劇場や商業演劇の場合は以下の3つのどれか。
(1)可能であれば振替公演+無理な人には払戻しをセット用意。この場合、振替先の会場が同じまたは近場で、かつ日程が似ている(夜なら夜公演、週末なら週末)ところで、かつ他の日程に悪影響を与えずに用意できるのが条件。週末だから行けるのに平日に振替えられても無条件で無理、という人は大勢いそうなので、わかる。
(2)振替先が用意できない場合その1として、潔く中止して払戻し。特に今回は日程以外の理由でも千秋楽の夜に追加できない宝塚の例もあって非常に参考になった。
(3)振替先が用意できない場合その2は、上演決行して無理な人には払戻しをセットで用意。今回は神奈川芸術劇場と乃木坂46のセーラームーンが該当。

ここに4つ目、5つ目の選択肢が出てきた。
(4)時間を繰上げて上演。これも帰宅に要する時間も含めて、繰上げて収まるであろうという前提。あひるなんちゃらと「BED」が該当するけど、「BED」は前売チケットなしで屋外公演という特別条件なので外す。
(5)決行+払戻し告知なし。今回だとさいたま芸術劇場の「病は気から」と、佐藤貴史presentsとTAACのケース。終演時点で、埼玉の与野本町で1時間30分、下北沢で1時間30分または1時間15分あるという条件。

上演する側と観客側とで理想が(1)なのはわかる。それが無理な場合に他のどの選択肢を取るのかが問題になる。先に自分の考えを書くと(3)より(2)。突然のトラブルと、事前に予想できるトラブルへの危機管理は結果オーライではなく最大限安全に振ってそれが空振りに終わってもよしとするべき、という発想による。もっとも今回に限っては首都圏では初の予告運休しかも当日アナウンスなので突然のトラブルと言ってもいい。あと自分が帰るのは東京都外で案外時間がかかるため、上演決行された場合に帰れなくなるなら観にいけない、いっそ中止してもらったほうがすっきりするという個人的な都合もある。

残り2つのうち先に(5)の対応について書くと、終演予定時点で3時間、譲っても2時間切っていたら払戻しも対応するべきだと考える。知人への手売や当日精算が多くて1時間あれば帰れる近隣の人ばかりと判断できたのかもしれないし、劇場の規模を考えると連絡が来た客には個別に対応したかもしれないけど、払戻しも発表して受付けるべきだったというのが自分の意見。さいたま芸術劇場も当日昼からでもいいから払戻しは用意されるべきだった。世界ゴールド祭りはほぼアマチュアかつ年寄りが出演するという特殊な条件の公演なので予想される客層も含めて急遽変更するほうましと判断したのか、大宮か武蔵浦和からどの方面でも帰れるだろうと判断したのか、不明。

そして(4)の対応。これは、近場だから帰れる、遠方だけど当てがあるから大丈夫、などと判断して時間通りに来た客が観られなくなって、払戻しとは別の問題が発生する可能性がある。やってはいけなかったというのが自分の意見。

あひるなんちゃらの主宰ブログで今回の判断について説明していて、過去に台風で似た状況でもお客さんが来てしまった、という経験に基づいて、中止はしない方向で判断したとのこと。

まさか電車が問答無用で止まるとはね。
最終日の夜の回は、見に来たら帰れなくなっちゃうような時間になりそうだったので、開演を早める、という決定をさせてもらいました。我々は帰れなくてもいいけど、さすがにお客様が帰れないのはどうかと思ったので。

私も、一瞬、中止にしようかと思ったんですけどね。まあでも、あれなんですよ、中止にします、って言ったところで、全員見に来ない、ってことはないと思ったんですよ。前にも1回、台風が公演に直撃したことがあって、その時は、今よりだいぶ小劇場のことを知らなかったので、電車止まってんじゃんもうこれ誰も来ないでしょ、って思って、かといって劇場から帰れるわけでもないので、なにか対応も考えるでもなく、みんなでのんびりしてたら、普通にお客様がいらっしゃって、どうやって来たのかわからないけど、じゃあやるか、みたいな感じで本番をやったことがあったんですよ。だから我々レベルの公演においては、中止にしてもあんまり意味がない、と判断した次第です。

開演時間を早めたことで、逆に見に来れなくなっちゃったお客様には本当に申し訳なかったのですが、こういう事態だったので、ご容赦いただければな、と思います。

何人かは観に来る客がいるから上演する、というのはわかる。でも開演時間を繰上げたら、予定通りに観に来た客に無駄足を踏ませることになる。観に行けなくなったとわかった客はまだよくて、公式サイトやTwitterに当日情報を載せたとして、それを見てもらえるとは限らないし、見た時点では掲載が間に合っていないこともありうる。観に来た客が激怒したらどういう対応を取るつもりだったんだろう。

だいたいチケットの裏面には、「興行中止以外の払戻し、振替は行なわない」という記載と同時に「指定した日時の回のみ有効」という記載がある。前者の記述は(3)のケースに反して払戻しているけど、客に有利に振った判断なので文句は出ないはず。少なくとも払戻しがないなら無理して出かけるという客を減らして惨事の可能性を減らせる。でも後者の記述は、客も縛るけど上演側も縛る条件で、トラブルで開演が遅れるならともかく、前倒しされて観られないのでは、大げさに言えば訴えられてもしょうがない。そこに公演規模の大小は関係ない。前売に一般客はいなくて直接謝ることができる知人だけだった、という前提があってもぎりぎり選択肢に乗ってくるくらいのリスキーな判断で、そこで結果オーライを狙うものではない。

と振返って、上演側にとってどういう判断と行動が適切だったかを考える。

まず運休の案内については、今後改善される見込み。ブログを書くのが遅れたのでそんな記事が出てきた。Yahoo経由で毎日新聞より。

 国土交通省は10日、9月末に日本列島を縦断した台風24号に備えて鉄道各社が実施した「計画運休」などの対応を検証する会議を開いた。会議には鉄道22社が出席し、計画運休について「安全確保の上で必要」との認識を共有した。一方で、首都圏の一部路線で運転再開が遅れ、利用者が混乱したことから、情報の提供方法の改善が必要との声が相次いだという。国交省は今後の運行の参考になるよう、12日をめどに各社の意見を集約する。

 会議は非公開で行われ、国交省鉄道局によると、JR6社と首都圏や関西圏などの私鉄16社が参加した。台風の進路予想に基づき、東武、京成、京急、西鉄を除く18社が9月30日午前から運転本数を減らし、夕方以降、全面運休するなどの対応を取った。JR東海は同日午後5時以降、東海道新幹線で全面的な計画運休を初めて実施した。

 運休の情報提供については、JR西日本とJR東海、南海、京阪が29日から具体的な運休時間帯を周知したのに対し、JR東日本を含む首都圏の各社は当日の30日になって周知した。新幹線や関西方面では混乱が少なかったが、首都圏の利用者からは「もっと早く知らせてほしかった」と不満の声も出た。鉄道会社からは「運休の可能性がある段階でも周知すべきだ」「自治体にも情報を提供することが必要」といった意見が出たという。

 台風が通過した10月1日朝は、安全点検や線路への倒木や飛来物のため、JR中央線など首都圏の一部路線で運行再開が遅れた。通勤時間帯にも重なり、乗客が駅内外にあふれたことから、JR東が32駅で入場規制を実施するなど各社は対応に追われた。鉄道会社からは「安全を確認した上で運転を再開する方針だったが、多くの乗客に『始発から通常通り運転する』と受け止められていた」との反省の声が出たという。

なので、今後はアナウンスが前日のうちに発表されることが期待できる。関西の鉄道会社が前日からアナウンスしていたのはこの記事であらためて気がついて、商業演劇のケースで本家宝塚と梅田芸術劇場が中止や振替を決めたのは、運休慣れしていた関西の鉄道会社が前日に判断していたので客への周知も含めて時間が取れた、という理由もありそう。

それを受けていつ告知するか。前日に判断できればいいけど、台風は進路が読みにくいので、実際の判断は当日になるはず。でもそれだけでは無理があるので、前日の時点で「当日X時に決定」と告知しておくのがよい。その上で当日X時に判断して告知するのが理想。もし複数回公演があっても一括で発表する。このX時を何時にするかが問題で、交通機関が運休を前日に発表してくれたらそれを受けて前日に即時発表でいい。でもそうならない場合、神奈川芸術劇場のように3時間前では遠方の客に余裕がなさすぎる。気象庁の天気予報は朝5時、昼11時、夜5時の3回更新が基本で、交通機関はそれを見て判断するはず。今回のJR東日本が昼12時過ぎに発表したのは昼11時の天気予報を見て決めたのだと思う。発表は朝のうちにしておくのが遠出になる客には望ましいので、5時の天気予報を見て交通機関が運休を考えて発表するまで2時間ちょっとの猶予を見ると、朝8時には関係者で対応を確認して、8時半から9時に発表するつもりで準備するのがよい。

あと告知の手段。国公立劇場や商業演劇は、公式サイトを随時更新していて、こういう点は人手の多い組織のいいところ。小劇場は今回公式サイトを探したけど、更新されていた気配はなくて、たいていTwitterを告知に使っていた。人手もないだろうし手間を考えるとTwitterを使うのは分かるのだけど、それであれば公式サイトに前日のうちに「上演予定は公式TwitterでX時に発表します」と書いて公式Twitterのリンクを載せておいてほしかった。それなら客もそちらを確認できるし、制作者も公式Twitterの更新で済む。トップページと公演ページの両方に記載されているとなおよい。今回Facebookまでは確認しなかったけど、TwitterがFacebookでも事情は同じ。最近は当日券情報などもTwitterで発表することが一般的なようだけど、サイトがあるならサイトのほうが公式度は高いので、そこから辿れるようにしておくのは本来必須。

そして肝心の対応は、事情に応じて(1)(2)(3)のどれか。(1)が最上、(2)でも客が劇場の往来で往生したり、最悪劇場に閉じ込められて一緒に一夜を過ごすことになるよりはまし。どちらもかなわないなら(3)もある。状況の変化によっては(3)のつもりが(2)になることもあるかもしれない。でも、どのケースも払戻しは覚悟して準備する。上演決行するなら上演時間はずらさない。あと規模が大きいと強引に来場する客の数も増えて対応もトラブルになる可能性も指数的に増えるので、1000人を越えたら中止に振るべきで、1万人を越えたら中止必須。芝居だと滅多にないけど。

調べた内容ここまで。今後の資料として活用されたら幸い。

あと今回調べてもわからなかった内部事情で気になることもメモ。
・公演中止になった場合、保険を掛けていたら下りるのか。契約によって人災オプションとか天災オプションとかがあって、天災オプションを付けていた場合のみ保険が支払われるようになっているのか。
・千秋楽で帰れなくなりそうな場合、あるいは帰れなくなった場合、バラシは明日で追加費用も請求しないから早く帰ろう、と劇場で事情を汲んでくれるのか。劇場スタッフだって帰りたいだろうから、翌日の劇場利用予定が空いていて、上演側の都合もつくようならそんな提案もできそうだけど、どうだったか。
・劇場内の夜公演がなかったとはいえ、大道芸を中止して、夜7時に閉館することを決定した東京芸術劇場の判断と手際のよさが目立つ。副館長の関与が推測されて気になる。この決定にいたる経緯と、あるなら普段のシミュレーションについても、参考事例としてぜひ公開してほしい。

|

« シス・カンパニー企画製作「出口なし」新国立劇場小劇場 | トップページ | パラドックス定数「蛇と天秤」シアター風姿花伝 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« シス・カンパニー企画製作「出口なし」新国立劇場小劇場 | トップページ | パラドックス定数「蛇と天秤」シアター風姿花伝 »