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2018年10月20日 (土)

東京芸術劇場主催「ゲゲゲの先生へ」東京芸術劇場プレイハウス

<2018年10月13日(土)夜>

半人半妖怪の男が住んでいる、他に人もいない山奥のあばら家に、若い男女が逃げてくる。女性の妊娠がわかって駆落ちしてきたという。時は平成60年、ほぼすべての人口が都市に移っているが、都市部では子供がほとんど産まれず、まれに産まれた子供も国が取上げてしまい、しかも「フガフガ病」にかかっているという。もともと人間だった男がなぜ年もとらず食事もせずに平気な身体になったのかを語っているうちに、2人への追っ手がやってきて・・・。

水木しげるの世界観をもとに作られた一本。ねずみ男のような根津がなぜ半人半妖怪になったのかを語る前半と、やはり妖怪のようになってしまった女性を通じて現在の問題を俎上に乗せる後半とにわかれる。「遠野物語」くらいいろいろ怪しい話がてんこ盛りになるかと予想していたけど、妖怪は登場しても活躍は控え目。現代が近代に忘れてきたものというか、現代批判というか、妖怪より人間のほうが恐ろしいというか、そういう面が強い。後半飛ばして挽回していたけど、前半が地味にすぎた感あり。

松雪泰子がはまっていたのが良い意味で想定外で、決めポーズはさまになるし、妖怪役とレポーターの2役もこなす。「おっとっと」と全員でたたらを踏む場面で一人だけ目立っていたのは手先の美しさか。長塚圭史や松尾スズキの芝居で観てはいるけど、こんなに小劇場っぽい芝居にはまる人だとは思わなかった。白石加代子が妖怪の役なのは想定通りかつ期待通りなので、もっと出番がほしかった。かわりに複数役で気を吐いていたのが池谷のぶえで、落着いた役を任せてもよし、飛び道具を任せたらなおよし、こんなにいい役者だとは思わなかった。で、主人公を演じた佐々木蔵之助が上手いけど渋すぎて、前半の地味の半分はこの人に由来するので、正直、手塚とおると入替わった逆バージョンが観たかった。

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