シアター風姿花伝企画製作「女中たち」シアター風姿花伝
<2018年12月15日(土)夜>
あまりよくない経歴を持つ、姉妹で奉公する女中たち。主人を密告し奥様を悩ませ、形見分けとして財産をもらおうと画策する。留守を狙って奥様の部屋で将来を夢見ていたが・・・。
虚実が曖昧な芝居と当日パンフに書かれていたけど、観た感じははっきりしていて特にそうは思わず。むしろ客を笑わせようというサービス精神の多い脚本と思えた。オープニングのどっきりとか、女中たちが奥様の口調や仕草を真似るところ(後で奥様がそのような演技をする)や、飲みそうで飲まない煎じ薬の扱いなど、そこは脚本家が絶対狙っているだろ、というネタが多い。もうだめだ、と嘆く台詞も笑わせどころにできたはずで、これは絶対喜劇。
なのだけど、鵜山仁がそうとう真面目に演出して、もちろん質は確保されていたけど、なんかアングラっぽい雰囲気になってしまってネタが生かされていない(白黒のメイド衣装にアングラを連想してしまったのは自分の偏見か)。いい感じの奥様の甘ったるさが放置されてしまったし、そして女中2人とも演技以前に存在に貫禄がありすぎて女中らしさが薄く、奥様との上下関係が弱い。那須佐代子の最後の長台詞は圧巻だったけど、あれをより生かすにはそこまでにもっと笑わせておいてほしかった。
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