松竹製作「二月大歌舞伎 夜の部」歌舞伎座
<2019年2月11日(月)夜>
息子の初陣を案じてあえて陣中に駆けつけ主人に様子を尋ねる妻だがそこには敵方の武将の母も現れて仇討ちを狙う「熊谷陣屋」、親の仇を討つために踊りを披露する名目で屋敷に入った兄弟が踊る「當年祝春駒」、派手好みで旦那もいれば情夫もいる芸者に入れ込んで貢いだ行商人だが袖にされ「名月八幡祭」。
幕見席の通しで観劇。熊谷陣屋は、チラシのあら筋は読んで臨んだけど、まったく不覚なことにしゃべっている台詞の1割も言葉として理解できなくて、あら筋の内容すら観て取れなかった。芝居観すぎて疲れていたのは確かだけど、あまりのわからなさにひょっとして病気かと自分でも驚いた。有名な古典だから筋も台詞も知っている人は多いだろうけど、純粋に日本語として聞き取れている人はどのくらいいたのか。
代わりに楽しんだのが名月八幡祭。わかりやすい筋立てに、歌舞伎には珍しく照明と効果音を使ったクライマックス。堅気の新助を演じる松緑の明晰な台詞と最後の笑い声、それをかばう歌六の大人振り、芸者の美代吉を演じる玉三郎の色っぽさ(相手に気を持たせるうちわの使い方が素晴らしい)、そして情夫という名のヒモ男が最高に似合う仁左衛門。見どころが多い。新歌舞伎っていいものだ。
當年祝春駒、難しいことを考えずに単に音と動きのきれいなことを追えばそれでもよいのかと思えたら、楽しめた。
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