燐光群「あい子の東京日記 / 生きのこった森の石松」ザ・スズナリ
<2019年3月23日(土)昼>
燐光群の中山マリが、母で作家の中山あい子が書いた「私の東京日記」を元に、母と自分の生活を語る「あい子の東京日記」。森の石松が現代でおでんの屋台をひきながら客と語る中に様々なエピソードが語られる「生き残った森の石松」。
2本立て。最初のタイトルとは順番が入替わっていたのでその順で記載。「あい子の東京日記」が不思議な雰囲気で抜群に引きこまれる。これですべてではないけど今なら話せそうなところまで話してみました、という奥ゆかしさにあふれる仕上がり。一人芝居(劇中劇の場面では援軍が入る)を引張った中山マリの、子供劇団から役者を続けていたという実力も堪能。母と娘の演じわけが、そんなに素早くないメガネの有り無しというベタな方法を律儀に続けていたけど、それすら雰囲気。珍しい経歴で育って母と過ごした娘が、大きくたくましい母が娘をよく見て書き残した本を通じて演じてみせることによって(ややこしい)、人生と母への愛情が伝わる一本。これは中山マリが元気なうちに再演されるべき名作だと思うけど、書いている時点であと1日2回公演しかなく、再演される保証もないので、間に合えばお勧めしたい。
一方「生き残った森の石松」は、当日パンフによると森の石松モノの名場面を元に構成したとのこと。残念ながらその知識が皆無だったので、設定を理解するまでに時間を要した上に、その理解の前に現代の風刺ネタが混ざったりしたので、かなり混乱した。これはひょっとしたらメイン上演の「九月、東京の路上で」を観たあとに観たほうがよかったのか。
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