パルコ製作「世界は一人」東京芸術劇場プレイハウス
<2019年3月2日(土)夜>
小中学校の同級生だった男女3人。ろくでもない経験をしながら大人になり、そのうち2人は結婚して子供をもうける。その子供が振返る両親の子供時代は幸福だったのか。
今回は筋を細部まで追えた自信がない。誤解混じりで書くと、子供のころの本当にささいな出来事と、子供にはどうにもできない周りの環境とが巡り巡って子供に伝わっていく話。観劇後の印象はチラシのイメージそのまま。暗い話題を扱いつつ笑い飛ばすハイバイの演出と違って、笑いを挟みつつも暗くて何が悪いと開き直ったような演出。むしろ大人計画っぽい。低音多めで不吉な音楽が多くて、そこに松尾スズキと瑛太が低めの声でなお一層暗くなる舞台を、松たか子の声で支える形になっている。この舞台の半分くらいが松たか子の声の不思議な明るさで成立している。
ただ、暗いのは構わないけど、全体にスピード感に欠けた。ハイバイがいつも難しいことをやっているように感じた秘密の一端は、とにかく速いのに速さを感じさせないところにあったと気付いたのは収穫。
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