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2019年6月17日 (月)

ラッパ屋「2.8次元」紀伊国屋ホール

<2019年6月15日(土)夜>

老舗の新劇劇団。学校巡回公演の失注と会員数減で経営危機に見舞われて次回の公演も危ぶまれている。そこに、かつて劇団で働きやがて独立した制作者が、2.5次元ミュージカルの企画を持ってくる。主役陣以外をベテラン俳優で固めてほしい原作者の意向だが、まとまったベテラン俳優がいないためだという。相談の結果、演出家と主役陣を客演で招いた劇団公演とすることが決まったが、いざ稽古が始まると、ノリと身体の切れが違う客演陣との軋轢が絶えない。

ラッパ屋初見。役者にスタッフに制作に演出家振付家まで役を作って、生演奏に支えられた、誰が観ても笑えるであろう小劇場の王道のような喜劇を堪能。ラッパ屋の劇団員は平均年齢高めだけど安心して観ていられる。そこに混ざる客演役兼本物の客演で目を引くゲストの豊原江理佳は歌も身体の切れも良くて、正統派(?)の役者は今時は若くてもあのくらいできないと駄目なのかという驚き。そこに一生懸命が行き過ぎてたまに失礼になる役を当てた脚本家はさすが。ただ、正統派のゲスト役者が混ざることで、むしろ正統派ではない役者の味のよさも引立って相乗効果。

格好よく書けば悲劇と喜劇は同じとなるけど、ひとつひとつの笑えるディテールが、落着いて考えるといかにもありそうな話で生々しい。当日パンフに、よく知っていることだからこそ書きづらかったとあったのもうなずける。やや定型的な登場人物や展開も、むしろ生々しい現実はこのくらい定型化しないと笑いに持っていけないのだという理解。惜しまれるのは人数多めで役の濃淡ができてしまっていたことだけど、2時間切るためにはしょうがない。最近は平気で2時間3時間越える芝居を観る機会が多いので、この展開の早さでこれだけ笑わせてもらって1時間55分ということにありがたみを感じる。この面白さなら1ヶ月公演やってもいけたと思う。ドメスティック感満載のこんな芝居こそブロードウェイに行ってほしい。

ついこの前にベテランの劇団が実際に倒産したので、経営危機も他人事ではないだろうけど、ラッパ屋自体は今年で35周年とのこと。これだけ長く続くことが奇跡だと再認識。今回実に素直に楽しめたので、とりあえず40周年を目指してほしい。

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