ワタナベエンターテインメント企画製作「絢爛とか爛漫とか」DDD青山クロスシアター
<2019年8月24日(土)夜>
大正時代。小説家と批評家の若者4人。処女作の評判がよかったものの第2作が書けなくて悩む男をよそに、他の3人は執筆も恋愛も楽しんでいる。月日が経つごとに事情が移り変わる春夏秋冬1年の様子を描く。
1993年の初演にして方々で上演を見かける有名作をようやく観劇。文学に対する態度と生活に対する態度と、それを許される環境と許されない環境、その他諸々。一言でいうと、若い。若いころでないと書けないであろう直截的な台詞の押収は会話劇というより論争劇で、だけどそれぞれの言い分がよくわかる。元ネタがありそうな作家4人の登場人物は、脚本家の頭の中で戦う分身を書き出して結論を出したような会話。ただ、その言い分が脚本家の頭の中で戦っていたんだろうなと思えてしまった一幕が微妙。後半はかなりノッてきたけど前半を取返すにはいたらず。ここからスタートしてもっと目指してほしい。
ただ観た回はそのノッてきた後半にハンデがあって、大きないびきを書いて寝ているおっさんがいた。2幕くらいからすでにうっすらいびきをかいていたけど、3幕後半から4幕ラストまでが盛大ないびきになって、特に作家、脚本家の境地を一人語りで聞かる4幕が台無しだった。届く範囲なら蹴っ飛ばしたのに、という状態。
感想は、もう一度まともな状態で見直したいのと、過去の公演をさっさと観ておくべきだったというもの。ただこの脚本は大正時代が舞台で、かつ文学論争にして創作論争なので、美術と衣装に多少手間はかかるけど、古びないのがいいところ。そのうちまた上演されるはずなのでその時もう一度観たい。あと今回男性版(モボ版)だけど女性版(モガ版)もあるようなので、そっちも観たい。とにかくもう一度まともな状態で見直したい。
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