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2019年9月17日 (火)

ホリプロ/フジテレビジョン主催「愛と哀しみのシャーロック・ホームズ」世田谷パブリックシアター

<2019年9月14日(土)夜>

シャーロック・ホームズがワトソンとベーカー街に居を構えてから1ヶ月。スコットランドヤードのレストレード警部はホームズの才能を借りようとするが、本人からクイズを出されて追返される始末。そこに突然やってきて気絶した女性。目を覚ましてから事情を聞くと男に追われていたという。女性の話に観察結果と矛盾する点もあるのを気にしながら出かけたホームズだったが、その事件の裏には・・・。

原作の不明点を突いて架空の設定を仕立てる点、熱心なファンほどニヤニヤするように原作からいろいろ設定を借りつつホームズを知らない人でも楽しめる点、でも原作と矛盾が生じないようにつじつまを合せる点、謎解きは用意するけどそこに入りこまないで喜劇をメインに据える点、いずれも二次創作としてかくあってほしいポイントを抑える三谷幸喜の腕前はさすがファンというだけのことはある。原作を全部読んだことがある身としては満足。

そしていい役者をそろえるのも腕前のうちの三谷幸喜で、全員楽しめる。横田栄司のマイクロフト・ホームズがよかったのは事前の想像通りだったけど、八木亜希子のミセス・ワトスンがかなりよかったのは想像外だった。ハドスン夫人のはいだしょうこを差置いて歌ったりもするけど、それも(略)。むしろ柿澤勇人のシャーロック・ホームズが一番似ていないと思いながら観ていたけど、カーテンコールを観たらシャーロック・ホームズだった。いじけたり退屈したりする場面の多い役だったけど、あれはもっとシャンとした立姿の場面を多めに用意するべきだった。話としてそうなるのはやむを得ないけど、そこだけはもったいない。

チケットはいい値段だけど、いい値段分なだけきっちり楽しませてくれる。こういう芝居がもう少し増えたりロングランしてくれたりすると、客の選択肢が広がっていいのだけど、難しいか。

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