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2020年2月26日 (水)

新型コロナウィルスでジャニーズが公演を一部休演

とりあえず公式より。

新型コロナウイルス感染の拡大に伴うジャニーズグループ主催公演に関するお知らせ
(2020年2月25日現在)

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

この度の新型コロナウイルス感染の拡大に伴うジャニーズグループ主催公演につきまして、皆様にお知らせがございます。

2020年2月25日現在の新型コロナウイルスの感染状況とそれに伴う政府および関係機関等の方針に鑑み、2月27日~3月9日までの公演等を延期および休演することといたしました。
具体的な対象公演・イベントは下記の通りとなります。

対象公演
【SixTONES:静岡エコパアリーナ】
① 2月29日(土)開演17:30 → 4月15日(水)開演18:00(振替公演)
② 3月1日(日)開演13:30 → 4月17日(金)開演13:30(振替公演)
③ 3月1日(日)開演17:30 → 4月17日(金)開演17:30(振替公演)
※上記の通り公演を延期させていただきます。
チケットをお持ちの皆様には別途詳細をご案内申し上げます。

【NEWS:宮城セキスイハイムスーパーアリーナ】
① 3月7日(土)開演18:00 → 5月27日(水)開演18:00(振替公演)
② 3月8日(日)開演12:00 → 5月28日(木)開演12:30(振替公演)
③ 3月8日(日)開演17:00 → 5月28日(木)開演17:30(振替公演)
※上記の通り公演を延期させていただきます。
チケットをお持ちの皆様には別途詳細をご案内申し上げます。

【ARASHI EXHIBITION “JOURNEY” 嵐を旅する展覧会:大阪文化館・天保山】
※2月27日~3月9日まで休館とさせていただきます。
 チケットをお持ちの皆様には振替日程の有無をはじめとする今後の対応が決定次第、ご案内申し上げます。

【舞台「〇〇な人の末路」:東京グローブ座】
※2月28日~3月8日まで休演とさせていただきます。
 チケットをお持ちの皆様には振替公演開催の有無をはじめとする今後の対応が決定次第、ご案内申し上げます。

以上でございます。
この度の延期・休演に伴い、大変なご迷惑とご心配をおかけいたしますこと、心よりお詫び申し上げます。

2月22日時点のご案内では開催するという方針をお知らせしておりましたが、この数日間での感染拡大の状況と政府より発表されました方針から、約2週間、公演の開催を見送ることといたしました。公演を心待ちにしてくださっていた皆様には大変心苦しい限りではございますが、何卒ご理解賜れますと幸いでございます。また、3月10日以降の公演につきましても政府や関係機関等の発表に注視しながら、ご案内申し上げます。

新型コロナウイルスの感染が拡大し続けている今、何より最優先すべきことは、感染の拡大を食い止め、日常の生活を取り戻すことにあると考えております。そして、そのためには、自分たちにできることから行動することが大切であるとの考えからジャニーズグループとしましては、ファンの皆様とタレントおよびスタッフ一人一人が率先して予防対策に取り組むことで状況改善のお役に立てますよう、努めてまいりたいと思います。ぜひ、ご一緒に感染症予防に関する正しい知識を身に付け、ご自身の予防対策とともに身の回りの方にも予防を呼びかけていただけますと幸いでございます。
具体的な予防対策につきましては、政府および関係機関等の発表を参考に、ジャニーズネットにも「弊社所属タレント出演公演にご来場の皆様へのお願い」を掲載しておりますのでご参照いただけますと幸いでございます。

以上、2月25日現在でのご案内となります。
状況は日ごとに変化しておりますので公演の開催についてなど、変更がございましたら随時ジャニーズネットにてお知らせいたします。

ジャニーズグループとしましては、エンターテイメントを共有させていただいている時間のみならず、日常の生活からファンの皆様とともに予防対策に努め、その輪を広げてまいりたいと考えております。
皆様のご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

2020年2月25日
ジャニーズグループ

何でこんな中途半端な休演をするのだろうと思ったのですが、メインはSixTONESとNEWSのライブ中止で、巻添えをくらったように見えます。7000人から1万人規模の会場は昨今の感染拡大傾向を慮って中止にする、じゃあ数百人のグローブ座ならいいのかと聞かれて窮するので、組織として行動を一貫させるためにあわせて中止にしたものと推測します。そうは言ってもダブルキャストで12ステージ組んでいたところを中止にできるのは体力のある証拠です。

新国立劇場でオペラと舞踏の演目説明や会社説明会などが中止になっていますが、公演は現時点では上演予定です。なおオペラ演目説明会はYouTubeでライブ配信にするそうです。今時らしくていい対応です。他の主要劇場は前回から動きはありません。

 

2020年2月23日 (日)

2020年3月4月のメモ

観たい芝居が多いところ、新型肺炎騒動でどこまで自粛したものか。

・東京芸術劇場企画制作「カノン」2020/03/02-03/15@東京芸術劇場シアターイースト:快快の野上絹代演出で野田秀樹のいまいち不遇な出来の初演だった(と記憶している)1本を

・松竹製作「新薄雪物語」2020/03/02-03/26@歌舞伎座:午前の部に通しで吉右衛門と仁左衛門が出るというので

・国立劇場主催「義経千本桜」2020/03/03-03/26@国立劇場小劇場:二段目三段目四段目を菊之助が複数役を兼ねてABCの3本別ステージ扱いで上演まではわかるとして、小劇場を選ぶのは菊之助に近距離で観てもらいたい趣味が出てきたか

・株式会社Pカンパニー主催「京河原町四条上ル近江屋二階」2020/03/04-03/08@東京芸術劇場シアターウエスト:福田善之脚本演出でピックアップ

・ゆうめい「俺」「弟兄」「あか」2020/03/04-03/16@こまばアゴラ劇場:ゆうめいの座標軸、と称して過去の3本を別ステージ扱いで上演

・CHAiroiPLIN「桜の森の満開の下」2020/03/05-03/08@あうるすぽっと:ダンスカンパニーだと思っていたら芝居っぽいこともやるそうなのでピックアップ

・TRASHMASTERS「対岸の絢爛」2020/03/06-03/15@駅前劇場:社会派劇団

・鵺的「バロック」2020/03/07-03/15@ザ・スズナリ:もう1回くらい観られるとすっきりしそうなのだけど

・無名塾「ぺてん師タルチェフ」2020/03/08-03/15@サンシャイン劇場:モリエールの芝居だけど、それより仲代達矢を早く観ておかないといけない

・小田尚稔の演劇「是でいいのだ」2020/03/11-03/15@三鷹SCOOL:この時期に上演中だけど役者で印象ががらっと変わるので今回はどうか

・MONO「その鉄塔に男たちはいるという+」2020/03/13-03/22@吉祥寺シアター:避けてきたけど観るならここかなというそこはかとない予感でピックアップ

・パルコ企画製作「ピサロ」2020/03/13-04/20@PARCO劇場:渡辺謙主催でPARCO劇場の演劇こけら落とし

・玉田企画「今が、オールタイムベスト」2020/03/19-03/26@東京芸術劇場シアターイースト:あまり間を空けずに再演

・田上パル「Q学」2020/03/19-03/31@こまばアゴラ劇場:これもあまり間を空けずに再演で、全国ツアーの締めに東京公演

・unrato「冬の時代」2020/03/20-03/29@東京芸術劇場シアターウエスト:木下順二の脚本が気になって

・インプレッション/テレビ朝日製作「ART」2020/03/20-03/22@さいたま芸術劇場大ホール、2020/04/09-04/26@世田谷パブリックシアター:ヤスミナ・レザ脚本を小川絵梨子演出で遊びまくってくれそうなベテラン3人なら前売完売はわかるとして、貸館公演を含むはずのさいたま芸術劇場のカレンダーに載っていないのは何かの手違いか

・ミクニヤナイハラプロジェクト「はじまって、それから、いつかおわる」2020/03/26-03/29@吉祥寺シアター:1回くらいは観てみたい

・ウーマンリブ「もうがまんできない」2020/04/02-05/03@下北沢本多劇場:久しぶりの宮藤官九郎脚本演出芝居

・うさぎストライプ「いないかもしれない」2020/04/03-04/13@こまばアゴラ劇場:一度くらい観られるといい

・松竹製作「籠釣瓶花街酔醒」2020/04/03-04/27@新橋演舞場:午後の部に吉右衛門菊之助はいいとして、歌舞伎座でなく新橋演舞場なのは「義経千本桜」と同じ近距離で観てもらいたい趣味か

・青年団プロデュース「馬留徳三郎の一日」2020/04/04-04/12@こまばアゴラ劇場:あまり他人の脚本を演出するイメージがない平田オリザが青年団リンクの髙山さなえの脚本を演出

・シス・カンパニー企画製作「桜の園」2020/04/04-04/29@Bunkamuraシアターコクーン:KERAのチェーホフ四大悲劇企画最後は大竹しのぶや宮沢りえや他豪華キャストで

・シアターキューブリック「幸せな孤独な薔薇」2020/04/09-04/15@浅草九劇:まさかこの人の脚本を再演する団体が現れるとは思わなかった

・ニッポン放送企画制作「たけしの挑戦状ビヨンド」2020/04/09-04/19@紀伊国屋ホール:クソゲーとして名高いファミコンソフトの舞台化をヨーロッパ企画の上田誠脚本演出で

・新国立劇場主催「反応工程」2020/04/09-04/26@新国立劇場小劇場:宮本研の脚本を千葉哲也で

・小田尚稔の演劇「凡人の言い訳」2020/04/10-04/15@新宿眼科画廊スペースO:こちらは旗揚作の一人芝居

・神奈川芸術劇場プロデュース「アーリントン」2020/04/11-05/03@神奈川芸術劇場大スタジオ:エンダ・ウォルシュはヤバイ作家というイメージを持っているんだが本当に副題どおりラブストーリーなのか

・ハイバイ「ヒッキー・カンクーントルネード」「ワレワレのモロモロ 東京編2」2020/04/16-05/06@すみだパークギャラリー「SASAYA」:初演で名高いけどまだ観たことのない1本をダブルキャストで、出演者の経験を編纂して作る企画は新作で、計3本を別ステージ扱いで上演

・iaku「あたしら葉桜」2020/04/17-04/26@三鷹市芸術文化センター星のホール:見逃しっぱなしのiaku

・ラッパ屋「コメンテーターズ」2020/04/22-04/29@紀伊國屋ホール:肩肘張らないコメディを期待

・こまつ座「雪やこんこん」2020/04/24-05/08@紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA:こまつ座の中で未見のためピックアップ

・ぱぷりか「柔らかく搖れる」2020/04/25-05/05@こまばアゴラ劇場:いろんな団体からの人の集め方に眼が行ってピックアップ

他に新国立劇場のギャラリー・プロジェクトで衣裳家編が2020/04/18(土)18:00から。

新型コロナウィルス騒動での劇場の対応

もっぱら芝居に絞って「新型肺炎が流行して公演中止は起こるか」を気にして野次馬を続けていますが(1回目2回目3回目4回目)、関係する動きがありました。感染拡大の傾向を受けて、東京都がイベント中止を発表しました。すでに東京マラソンが一般参加ランナー禁止にしていましたが、発見される患者と、船内の感染状況とから、範囲を広げるようです。先に書いておくと、これで直接中止を強制される芝居は今のところはなさそうです。

最初に時事通信「500人以上の催し延期・中止 都主催、3月中旬まで―新型肺炎」より全文引用。後日のメモですが、2020年2月21日の記事です。

 東京都は21日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、22日から3月15日までの3週間、都が主催する500人以上の大規模な屋内イベントは、原則延期か中止にする方針を発表した。食事を提供する催しは屋外でも延期か中止にする。入学試験など日程変更が困難なものは実施する。

 延期や中止の期間は、ウイルスの潜伏期間が14日間とされていることを踏まえ設定。感染拡大の収束が見通せないことから、3月15日以降も状況をみて期間の延長を検討する。
 大規模な屋内イベントのうち、入学試験や資格試験、卒業式などは、アルコール消毒液の設置や定期的な換気など必要な感染対策をした上で、予定通り開催する。屋外で行われる催しについても、参加人数などを考慮し、十分な対策を取ることができないと判断した場合は延期または中止にする。

人数よりも空間密度のほうが大事な気がしますが、そんな指標を出されても計算に困るので人数で出した、というところでしょうか。国ではなく都の方針なので、対象も東京都主催のイベントがだけが対象となるはずです。圧力や自粛がなければ、貸劇場で上演予定の芝居については含まれない、主催者に任される、という認識です。あと、この「500人以上」が芝居には重要です。500人未満の小劇場が都内の結構な数を占めるからです。

都の劇場といえば東京芸術劇場です。もっぱら芝居を上演している地下のシアターイーストは最大324席シアターウェストは同270席なので、該当しません。プレイハウスが同834席+立見90人で該当します。

プレイハウスでは2月11日から3月1日まで「ねじまき鳥クロニクル」を上演中ですが、ホリプロとTOKYO FMの共同主催なので、都の主催ではありません。ざっと見たところホリプロの公式サイトもTwitterも新型肺炎に触れてもいないので、このまま楽日まで公演続行すると推測されます。3月はいろいろ上演して、4月7日から4月26日までミュージカルの「VIOLET」を上演します。こちらは梅田芸術劇場主催なので、当初の予定通り3月15日で収まるか、期間が延長されても都の方針が変わらない限り、これも上演判断は梅田芸術劇場に任される形になるはずです。

都の発表だから都以外の主催団体が従う義務はないと解釈していますがが、都内で気になるところを3つ紹介。最初は新国立劇場です。今回調べたところ、新国立劇場の主催公演芝居は、基本パターンで最大468席の小劇場ばかりです。最低796席の中劇場は8月まで主催予定がありません。小劇場のほうが臨場感があるとはいえ中劇場を埋める自信がなさそうに見えてふがいない。ですが、それが怪我の功名として働きました。ただし中劇場で3月14日から3月29日まで、フジテレビ主催で「脳内ポイズンベリー」を上演予定です。こちらの公演になにか影響が出るか、様子見です。

2つ目は世田谷パブリックシアター。名前の通り世田谷区管轄で都の管轄ではありません。シアタートラムは基本形状225席ですが、世田谷パブリックシアターは基本形状約600席です。ちょうど2月28日から3月11日まで世田谷パブリックシアター企画制作の「お勢、断行」が上演予定ですが、どうなるか。ここは何が気になるかといって、オリンピックの開会式と閉会式を統括する野村萬斎が芸術監督です。うっかり何かあっても、芸術監督の面子を慮って、という変な判断が働かないようにしてほしい。今回はあの中国ですら面子を気にせず動いているので、面子を捨てて判断してほしいです。今のところ後述のリリースも含めて上演判断を読取れるようなコメントはありませんが、上演されたら無事に公演が終わることを願っています。

3つ目は国立劇場。ここは大劇場はもちろん、小劇場でも522席あり、500席を越えています。今月の文楽は2月8日から2月24日まで、これは上演しきると思いますが、3月3日から3月26日まで「義経千本桜」を3本に分けた通し公演があります。菊之助が3本それぞれで初役を含めていい役を兼ねる、臨場感を重視してわざわざ小劇場を使う、という鳴物入りの公演です。繰返しますが、国立劇場なので都の主催ではありません。ただ扱いがどうなるのかは様子見です。

そしてあちこちの劇場でアナウンスを掲載するようになりました。国公立劇場中心に対応状況を挙げておきます。

最初は東京芸術劇場の「東京芸術劇場へご来場される皆さまへのお知らせとお願い (新型コロナウイルス感染症 COVID-19関連)」。「一部は中止」とありますが、劇場カレンダーによると「としま区民芸術祭 第30回 豊島区管弦楽団コンサート」などコンサートホールイベントの一部が中止になっています。芝居ではまだ中止はありません。

東京芸術劇場では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、東京都等関係諸機関から最新情報の収集に努めるとともに、感染予防、拡散防止に細心の注意を払い、以下の対策を講じております。

感染症予防対策への取り組み
各施設内の空気を入れ替えるため、適宜、換気を実施しております。
劇場内のアルコール消毒を実施しております。
お客様と接するスタッフにつきましては、マスクを着用して案内・対応をさせていただいております。
劇場入り口付近、各施設などに消毒用アルコールを設置しております。

ご来館のお客様へのご協力のお願い
風邪のような症状があるお客様は、ご来館をお控えくださいますようお願いいたします。
こまめな手洗いにご協力をお願いします。
各洗面所には液体石鹸を、館内各所には消毒用アルコールを設置しておりますので、消毒にご協力ください。
咳やくしゃみをされる際は、マスク、ハンカチ、ティッシュ、上着の内側や袖などで口をしっかりと覆う「咳エチケット」にご協力ください。

【公演・展示等イベントについて】
現時点(2月22日(土)正午現在)では、ほとんどの公演や展示等イベントは実施予定ではございますが、一部は中止のものもございます。また、国や都などの対応や指示によっては、今後更に中止もしくは延期となる催事がでる場合がございます。
個別の催事・イベントの最新状況につきましては、当劇場ホームページや公式ツイッター、各イベント主催者のホームページなどで随時お知らせいたしますので、来館予定のある方は随時最新情報のチェックをお願いします。

ウイルス感染予防及び拡散防止のため、みなさまのご理解、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

公益財団法人東京都歴史文化財団 東京芸術劇場

2020.02.22

次は世田谷パブリックシアターの「世田谷パブリックシアター、シアタートラムへご来場いただくお客様へ ~新型コロナウイルスへの対応について~」。これは2月21日付けです。芝居については「現在、実施が予定されている公演につきましては、最新の情報を当ホームページで随時ご案内申し上げますので、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします」と述べるに留めています。

世田谷パブリックシアター、シアタートラムへご来場いただくお客様へ
~新型コロナウイルスへの対応について~

世田谷パブリックシアターでは、新型コロナウイルス等の感染予防および拡散防止のため館内の衛生強化に努めております。
現在、実施が予定されている公演につきましては、最新の情報を当ホームページで随時ご案内申し上げますので、皆さまのご理解とご協力をお願いいたします。

◎公演期間中における当劇場での予防対策
・劇場にアルコール消毒液を設置しておりますのでご利用ください。
・劇場スタッフはお客様の健康と安全ならびに公衆衛生を鑑み、マスクを着用させていただくことがありますのでご了承ください。

◎来場されるお客様へのお願い
・観劇の際には、咳、くしゃみなどの「咳エチケット」にご協力ください。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000187997.html
・マスクの着用や手洗いなどご自身における予防対策をお願いいたします。
 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou15/04.html

新国立劇場は「新国立劇場にご来場いただく皆様へのお知らせとお願い」。

2020年2月21日

新国立劇場では、新型コロナウイルス感染症につきまして、引き続き政府等関係機関から最新情報の収集に努めるとともに、感染予防、拡散防止に細心の注意を払い、以下の対応策を講じた上で、現時点では、主催するすべての公演を実施する予定でございます。

・発熱、咳等の風邪症状があるお客様は、ご来場前に医療機関にご相談くださいますようお願い申し上げます。

・「こまめな手洗い」のご協力をお願い申し上げます。各洗面所の液状せっけんをご利用ください。また、劇場各所設置のアルコール消毒液もご利用いただけます。

・咳やくしゃみをする際は、マスクを着用いただくか、ティッシュ、ハンカチ、上着の内側や袖などで口と鼻を覆う「咳エチケット」にご協力ください。

・当分の間、楽屋口等での出演者等の入待ち、出待ちはご遠慮いただきますようお願い申し上げます。

また、接遇担当の劇場スタッフはマスクを着用して対応させていただきます。

各種ウイルス感染症予防及び拡散防止のため、皆様のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

国立劇場はトップページのさらにトップに「お客様へのお願い」を掲載。トップページなのでいずれ消えてしまう情報ですがリンクを張っておきます。

新型コロナウイルスをはじめとする感染症予防のため、こまめな手洗い、咳エチケットの励行等、ご協力をお願いいたします。
また、発熱、咳等の風邪症状があるお客様は、ご来場前に医療機関にご相談くださいますようお願いいたします。

劇場各所には、アルコール消毒液を設置しております。接遇担当の劇場スタッフは、マスク着用などの対応をさせていただきます。

ご理解とご協力を賜りますようお願いいたします。

杉並区が管轄の座・高円寺は「座・高円寺をご利用くださる皆様へ お願い」を2月20日付で載せていました。ちなみに客席は基本客席時で座・高円寺1が238席、座・高円寺2が298席です。あと、ここで参照されている東京都感染症センターの手洗い、咳エチケットの資料は日英中韓の4カ国があります。劇場に各国語を貼りだす必要がある場合の参考になります。

日頃は座・高円寺をご利用いただき、
誠にありがとうございます。

座・高円寺では、新型コロナウイルス等の感染予防及び拡散防止のため、
館内衛生強化に努めております。
来館者の皆さまには、各階に設置しております消毒液をご利用いただき、
「咳エチケット」にご協力お願いします。

尚、劇場・カフェスタッフは、お客さまの健康と安全、
ならびに公衆衛生を考慮して、マスクを着用させていただいております。

なにとぞご理解、ご協力賜わりますようお願い申し上げます。

座・高円寺
関連リンク
手洗いの方法について(東京都感染症情報センター)
咳エチケット(東京都感染症情報センター)

吉祥寺シアターは武蔵野市、三鷹市芸術文化センターは三鷹市の管轄ですが、私が調べた段階ではアナウンスは見つかりませんでした。

都外ですけど、さいたま芸術劇場は主催の「ヘンリー八世」が2月14日から3月1日まで上演中です。「スタッフのマスク着用のお知らせ」が掲載されています。

2020年2月17日

新型コロナウイルス関連肺炎の感染拡大防止の観点から、当劇場では、当面の間、スタッフがマスクを着用している場合がございます。

ご来館の皆様におかれましては、何卒ご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

神奈川芸術劇場は「KAAT神奈川芸術劇場にご来場いただく皆さまへのお知らせとお願い<新型コロナウイルスへの対応について>」です。

2020-02-21

KAAT神奈川芸術劇場は、新型コロナウイルス感染症につきまして、引き続き神奈川県等関係機関から最新情報の収集に努めるとともに、感染予防、拡散防止に細心の注意を払い、以下の対策を講じております。

〇現在実施している当劇場の感染予防対策への取り組み
 ・公演前後はホール(スタジオ含む)内の空気を入れ替えるため、換気を実施しております
 ・次亜塩素酸ナトリウムによる劇場内の消毒を実施しております
 ・各施設に消毒用アルコールを設置しております
 ・お客様と接するスタッフにつきましては、マスクを着用して案内・対応をさせていただいております

〇ご来館のお客様へのご協力のお願い
 ・発熱、咳等の風邪の症状があるお客様は、ご来場前に医療機関にご相談くださいますようお願いいたします
 ・ご自身でもできるだけマスクの着用など予防に努めてください
 ・「こまめな手洗い」の協力をお願いします
 ・各洗面所には液体石鹸を、劇場各所には消毒用アルコールを設置しておりますので、ご利用ください
 ・咳やくしゃみをする際は、マスク、ハンカチ、ティッシュ、上着の内側や袖などで口を覆う「咳エチケット」にご協力ください

現時点では、主催するすべての公演を実施する予定としておりますが、今後、国、県の対応や指示によっては、変更になる場合がございます。最新の状況につきましては、当劇場のホームページで随時ご案内いたします。
各種ウイルス感染予防及び拡散防止のため、みなさまのご理解、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。

2020.2.21
KAAT神奈川芸術劇場

比べてみると掲載情報に濃淡がありますが、新型肺炎への対応、客への依頼、今後の上演情報と3拍子詳しく揃っているのが東京芸術劇場と神奈川芸術劇場です。手洗いと咳エチケットの資料が載っていたら最高でした。その2つを比べても、内容の詳しさで神奈川芸術劇場が一枚上です。すぐ近くが横浜港で、感染の広がった船が停泊しているからこのくらい書いたほうがいい、という事情はあるかもしれません。だとしても、自分たちである程度判断できる客への依頼や上演情報だけでなく、新型肺炎への劇場の対応をここまで決めて公開するのは素晴らしい。特に換気と消毒が肝で、換気も循環換気は駄目で外気との換気が必要なので、どこまでできているのか気になりますが、そこまで実施しているのであれば、劇場が自力で今取れる対応として目一杯の対応です。

東京芸術劇場と神奈川芸術劇場と、どちらも台風対応のときから判断が早く、客にわかりやすい情報をはっきりと伝えている劇場ですが、今回も実に詳しい。非常事態のシナリオを事前に立てていたとしても、それを運用するのは人間なので、新規の事態への対応で内部の体制が推し量れます。この2つの劇場は、実務がわかる人がそれなりのポジションにいるか、実務が分かる人の意見を束ねて決断できる人がいるか、どちらかまたは両方だと思います。

全国の劇場は、今後のために騒動が一段落したら話を聴きに行くとよいと思います。できれば各劇場が、今回の対応のドタバタ模様を時系列にまとめておいて、後日合同発表してもらえると今後の業界に期するところ大なのではないでしょうか。どこかの劇場が音頭をとって企画してほしいですが、新国立劇場のギャラリープロジェクトで「演劇のおしごと番外編」と称して企画するとかどうでしょうか。その際はぜひ中劇場を使って。

ちなみに民間でも2つ紹介。松竹は「松竹直営演劇座館での各種ウイルス感染予防対策についてご理解とご協力のお願い」を載せています。歌舞伎美人の掲載ですが、会社リリースからもこちらへのリンクを張っています。

 松竹直営演劇座館(歌舞伎座、新橋演舞場、南座、大阪松竹座)にご来場いただくお客様におかれましては、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルス感染予防につきまして、以下のとり組みをご理解いただくとともに、ご協力をお願い申し上げます。

・劇場内各所で多くのお客様がお手を触れる箇所は毎日、定期的に除菌用アルコール等を使用しての拭き掃除を実施しています。

・劇場内各所に速乾性刷り込み式手指消毒剤を常備しています。

・お客様と従業員の感染予防のため、現在、劇場スタッフはマスクを着用して接客いたしております。

・ご来場時には、「手洗い」「咳エチケット」へのご協力をお願いいたします。

 なにとぞご理解とご協力のほど、よろしくお願いいたします。

厚生労働省「咳エチケット」

松竹株式会社
2020/02/21

東宝は2月21日付で「各種ウイルス感染予防のお願い」を演劇のページのリリースに載せています。

東宝株式会社 演劇部

毎度、東宝演劇公演にご愛顧賜りまして誠に有難うございます。

ご来場に際しましては、インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症予防のために、手洗い並びに劇場内設置の消毒液のご利用、マスクの着用などの咳エチケットにご協力をお願い申し上げます。

なお、劇場スタッフもマスクを着用の上ご対応させていただく場合がございます。
何卒ご理解下さいますようお願い申し上げます。

国公立劇場ほどの対応を期待するのが無理としても、比べると、松竹に比べて東宝は鈍い。それは「歌舞伎座はマスクで接客中」で書いたときの対応の差そのままが反映されたようです。パニックを防ぐというのでもなく、ホリプロのように知らん振りするわけでもなく、東宝は主催団体としてリスクを正しく認識できていないように見えます。どことなく内向きで他人事のような。実際はどうなんでしょう。

<2020年2月25日(火)追記>

タイトルの「新型肺炎」を「新型コロナウィルス」に変更。本文も直そうと思いましたけど断念。

<2020年2月26日(水)追記>

民間大規模の掲載が足りなかったので記録のために追っかけで載せておきます。

ひとつは宝塚の「お客様へご案内」。もう少しはっきりしたタイトルのほうがいいと思う。リンクはニュースの個別ページですが、トップページのトップにも同じ内容が載っています。「当面の間、出演者とご観劇のお客様とのハイタッチや握手などは控えさせていただきます」とあるのが宝塚らしい。

2020/02/21

宝塚歌劇では、各種ウイルス感染予防のため、次の対策を実施いたしております。
何卒ご理解くださいますようお願い申し上げます。   

・客席を使った演出場面について、当面の間、出演者とご観劇のお客様とのハイタッチや握手などは控えさせていただきます。
・劇場従業員はマスクを着用させていただいております。
・劇場内に消毒液の設置および消毒液を使用した清掃を実施しております。

なお、お客様におかれましても、手洗いおよび咳エチケットの徹底、消毒液のご利用など、感染拡大防止につながる行動にご協力をお願いいたします。   

もうひとつはジャニーズの「新型コロナウイルス感染の拡大に伴うジャニーズグループ主催公演に関するお知らせ」。ここから音楽ライブとの関係で公演一部休演につながったのはこちらに書いたとおりです。

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

この度の新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、ジャニーズグループ主催公演(コンサート・舞台・その他イベント等)につきましても、政府や関係諸機関等の発表を注視しながら、日々、開催と運営について検討いたしております。
そのような中、2月20日、厚生労働省よりイベント開催に関する方針が発表されました。概要としましては、感染拡大の防止に向けた対策を準備した上で開催することが指導されており、現時点で政府として一律の自粛要請を行うものではないという判断と内容でございます。

ジャニーズグループとしましては、この方針を基本として一般的に感染予防に有効とされている対策を講じながら、現状におきましては、予定しております公演を開催することといたします。そして、引き続き、政府や関係諸機関等の発表を踏まえながら、公演の開催・運営等につきまして慎重に検討・判断してまいります。

主催者としまして、安全な開催・運営に努めてまいりますので、皆様におかれましてもご自身の体調にはくれぐれもご配慮いただき、十分な感染予防対策に努めていただけますよう、お願い申し上げます。

今後、状況の変化に伴い、公演に関するお知らせがございましたら、ジャニーズネットはじめ各公式HPにてお知らせいたしますので、随時ご確認いただけますと幸甚に存じます。

不安定な状況が続き、ご心配な日々をお過ごしのことと存じますが、皆様にジャニーズのエンターテイメントをお楽しみいただけますよう、タレント・スタッフ一同、努めてまいります。

誠に恐れ入りますが、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。

2020年2月22日
ジャニーズグループ

なお舞台に積極的で存在感の大きいホリプロは一切アナウンスなしという太い判断です。

2020年2月22日 (土)

演劇っぽくなってきた新型コロナウィルス騒動

船内隔離が上手くできず乗員乗客に感染が広がったところまではわかります。そこに感染症の専門家が伝手を頼って乗込んだら、対応がまずかったので公開して、頼った伝手と話がこじれて、ともめたのが第一幕。この話は有名ブロガーが「サイエンスと組織運営の対立ではなく、感染症学と社会脳学という二つの学問分野の専門家による立場の違い」として書いているのが実に興味深いです。

そうこうしていたら船内に乗込んでいた厚生省の官僚の感染が発表されました。それもありえる話なのでわかりますが、そもそも乗込んだ人を検査せずに帰宅させていたことがわかりました。その後で大臣が慌てて検査すると発表しましたが、そこから厚生省内や政治家にも感染しているんじゃないのか、という疑いが出てきました。これが第二幕。

この分で行くと第三幕、第四幕もありそうで、クローズアップで見れば悲劇、ロングショットで見れば喜劇、を地で行く展開です。この展開を全力で喜劇にするなら三谷幸喜、諦観と裏表の笑いにするなら平田オリザ、騒動が一段落したらどちらかに書いてほしいです。

<2020年2月25日(火)追記>

タイトルの「新型肺炎」を「新型コロナウィルス」に変更。

青年団「東京ノート」吉祥寺シアター

<2020年2月21日(金)夜>

近未来。ヨーロッパで戦争が起きて、大量の美術品が日本に「疎開」されている。その疎開先のひとつである小ぶりな美術館には、有名な絵画が多数運び込まれ、その展覧会が開催されている。展覧会ついでに集まる親族、絵の寄贈先を探しに来た女性たちを案内する学芸員、展覧会見学で偶然出会った男女などが、一休みしたり積もる話をしたりする美術館ロビーでの一幕。

インターナショナルバージョンも観に行きたかったけどスケジュール調整にしくじって日本版のみ。以前こまばアゴラ劇場で上演されたときは背景の戦争がもっと前面に出ていたように記憶しているけど、今回はもっと人間関係に重点が置かれている気がした。人間関係、より、登場人物各人の寂しさ、と書いたほうが近い。戦争の可能性が身近になった世相を慮って演出が調整したか、観ているこちらの単なる思い出補正か。

仕上がりの評価は難しい。いつもはもっとギリギリと演技やタイミングを詰めているところ、今回は言葉にはしづらい細かい点がところどころギクシャクして、すんなり流れに乗れない。狙いがあってわざとなのか、単なる二日落ち(3日目だけど)か、インターナショナルバージョンその他の事情で稽古が足りなかったか。いつもだと同時会話の場面も意識すればその会話が聞こえるけど、今回は声が低くて聞こえない会話が何箇所かあったので、二日落ちだと推測。そんなにひどいわけではないけど、絶妙なバランスが売りの青年団だと目立つ。元家庭教師と教え子の場面はもう少し攻められたはず。

そんな中で登場人物の特徴を全開させて眼をひいたのが長女役の松田弘子。良い演技に惹かれた面もあるけど、どちらかというと自分がその役が気になる年齢になってきたのが眼をひいた理由か。重い空気になりがちな役が多いところにアクセントをつける学芸員の兵藤公美も好印象。

前回観たときに唐突過ぎて意味不明だった、別の学芸員が弁護士に突然絡む場面と「うちの館長はいい絵を手に入れるためなら金に糸目はつけないからね」という台詞。あれは、どちらも(早とちりはあっても)嘘をついていないのであれば、その美術館に昔からなじみがあった別の登場人物が1枚噛んでいるという裏設定かも、と今回思った。

翌日から3連休の夜公演のせいか、昨今の新型肺炎騒動のせいか、客入りがいまいちで左右2列ずつ当日パンフを含む配布物を置かずに空けている状態。これだけ当日券が余裕ならもう一度観たいけど、都合がついても控えがちになる昨今。あの劇場の広さと客席の規模で2時間以内なら大丈夫だろうと踏んでの見物だったけど、感想を書いている今も少し緊張している。なおこれで金曜日の夜かというくらい電車も空いていたのは、連休前なのか人口減なのか働き方改革なのか新型肺炎で旅行客が減ったのか新型肺炎で在宅勤務が流行っているのか、どれなのか。

2020年2月16日 (日)

あらためて新型コロナウィルスが流行して公演中止は起こるか

1回目2回目と続いて、これが3回目のエントリーです。

千葉で発見、と言われていましたが、まとめサイトでは
・NTTデータへの派遣社員
・派遣先は泉岳寺の日本生命三田ビル
・市川から浅草橋乗換えで泉岳寺
らしいので、事実上都内です。そのNTTデータでは「感染者の当社拠点ビルにおける行動履歴と、14名の濃厚接触者が保健所によって特定されております」とリリースされています。この14名はまあ外出禁止でしょう。

もっと対応を徹底している事例としてGMOインターネットグループの対応が評判です。9割近い社員約4000人を在宅勤務、やむを得ず出社を認める場合でも条件付です。

日経の記事で、その後更新されたそうですが、ヤフーは100人以上集まる会合への参加を禁止したようです。これが当初は「仕事で訪れるセミナーや、休日のコンサートなどのイベントも対象だ」となっていたのが、「プライベートでの参加は規制していない」となったようで、報道も混乱気味です。そこも含めて紹介しているブログを引用しておきます。

ヤフーは14日、新型コロナウイルスによる肺炎の影響を避けるため、約6500人の全社員に対し、公私にわたり100人以上が集まる会合への参加を原則禁止した。仕事で訪れるセミナーや、休日のコンサートなどのイベントも対象だ。期間は未定としている。

出典:ヤフー、100人超す会合参加を禁止 新型肺炎対策で(日本経済新聞 2020年2月14日18時25分)

※2/16朝追記→上記日経の記事について、本記事公開直後の2月15日17時13分に内容が更新されています。更新後の記事では「プライベートでの参加は規制していない。」という記述が追加されており、もともとの報道が不正確だったのか実際の通達そのものが変わったのかはわかりませんが、「コンサート」という言葉は削除されました。これ以降の本記事の趣旨には影響ありませんが、「所属企業によってコンサート参加が規制される」というリスクが後退した(?)ことに関してはほっとしています。

在宅勤務は準備の整った、仕事が在宅でも支障がない職種に限られます。サービス業は本人がいないとどうにもならないことが多いです。でも、リスクとして上演側ばかり注目して、外出禁止令を出すなら国だと考えていたので、勤務先が外出禁止令を出すかもしれないリスクは見落としていました。ちなみにGMOグループの対策指示には「公共交通機関の利用禁止(代替として自家用車やタクシーの利用を許可)」があるので、日常の利用まで制限されないかもしれませんが、ここまで言われているのに遊びに行って感染したなんて、想像したら縮こまりますよね。

そこで芝居でありそうなシナリオを考えてみます。ぱっと思いついた案でこのくらいでしょうか。
(1)国を含む自治体レベルで外出制限発令が出る
(2)劇場側に感染者が出る
(3)劇場側のキーマンに感染者が出る
(4)上演団体側(スタッフ含む)に感染者が出る
(5)来場者が発症して追跡調査を受ける
(6)来場者側に何らかの外出制限発令が出る
(7)感染が原因で公共交通機関が止まる
(8)海外からの来日拒否

(1)になったらお手上げなので従わざるをえない。この場合、客が動けなくても上演だけ行なって返金対応しない、という強行手段を取りたい団体もあるかもしれませんが、公立の劇場は真っ先に従うことになるので、公立劇場で上演予定の団体は公演中止まで見据えた準備が必要です。

(2)だとNTTデータの例のように、消毒のため数ステージ中止、という可能性があります。この場合は大型台風やインフルエンザと同じようなそのステージだけキャンセル扱いになると思います。消毒作業をどのように行なうのかわかりませんが、あまり感染が広がりすぎると消毒作業待ちでもう数ステージが潰れる可能性もあります。でも客としても劇場がそうなったら行きたくないですよね。すると次以降の上演予定団体まで影響が長引く可能性もありえます。

(3)で制作担当や劇場の小屋主だったりすると、作業が止まる可能性があります。しかも他の制作担当や小屋付きスタッフや上演団体制作者が濃厚接触者扱いになる可能性も大です。公演中止まで視野に入れる必要があります。

(4)が出たら勇気を持って中止しないといけません。公演前14日なら諦める。公演中でも以降のステージは潰す。強行して上演したことが発覚したら今後の活動ができなくなります。借金で首が回らなくなるかもしれませんが、それも含めて準備を。

(5)も困りますけど、一応、濃厚接触者でない単なる客なら、上演は続行できるはずです。ただし(2)に書いたように消毒で数ステージが潰れる可能性あります。あとありそうなケースとして、大きな芝居では取材に来たマスコミ関係者が発症するというケースもあります。これは濃厚接触者扱いになるんでしょうか。だとしたら(4)のケースになって公演中止です。

(6)は先ほど引用したGMOグループやヤフーのようなケースですね。これだけなら上演はできるし、来ない客は前売チケットを捨てた扱いになるので上演側の損失は限定されます。ここでもう一段考えたいのは、一般の仕事をしながら芝居に関わっている人たちです。もし勤め先が外出を極力控えるようお達しを出したら、「こんな会社辞めても構わない」と芝居続行できる人がどのくらいいるか。これは該当する人たちはシミュレーションしてみてほしいです。

(7)がどういう形で出るかはわかりません。可能性として、消毒その他で短期間終日運行見合せなら、大型台風のような対応で過ごせます。嫌なのが、運転手や駅員が感染で足りなくなって、完全に止めない代わりに終電を早めるような対応を取ることになった場合です。19時から3時間半の大作を上演予定だったのが、22時以降の運転を取りやめるとなった場合、大型台風による予定運休と同じ対応を夜のステージにすべて適用(つまり該当ステージの公演中止)となります。あとはツアー公演で移動に制限がつくかもしれません。

(8)はどうなるかわかりませんが、流行っているから日本への渡航は見送る、と判断する団体が出てきても不思議ではありません。外資系の会社では東アジアへの出張禁止という会社もあるそうですから、芸術団体でも見送るところが出てくることもありえます。それをたてにされたらどうしようもないので、海外ミュージカル招聘、海外スタッフ上演、などを計画している団体は、おとなしく中止して保険申請でしょう。その手の公演はさすがに保険に入っていると思いますが、保険に入っていない場合は夜逃げかな。

とりあえず思いつきでした。そういえば宝塚の出待ちとかどうしているんだろう。よく知らないけど濃厚接触扱いにならないのか。しばらく出待ち入待ちは遠慮したいと正式に歌劇団からファンに伝えたほうがいいんじゃないのか。

客としても、観に行ったものか見送ったものか、判断に迷う雰囲気になってきました。感染のペースを考えると、ここから14日経ってもう1回14日経って、発症する人が大勢出てきて、3月中旬が最初の山場になりそうです。

<2020年2月17日(月)追記>

音楽の興行の情報を見かけたのでリンク紹介です。

音楽の興行では中国方面の海外公演が中止になっているようです。芝居だと海外はヨーロッパ公演が多くて中国公演しているしているところはあまり聞きませんが、ひょっとしたら海外からの訪日公演拒否の反対、日本からの海外公演を現地が拒否してキャンセル、はシナリオとして考えてもいいかもしれません。松尾スズキの台湾公演はさっさと済んでよかったですね。

そして物販グッズが中国製造が多くて納品困難につき販売延期、もシナリオとして見落としていました。Tシャツなんかは小規模公演でも売っているところはたまに見かけますので、物販を当てにした予算を組んでいる団体は要注意です。パンフレットはさすがに、日本が誇る大小の印刷業者による国内印刷製本発送で完結していると推測していますが。

<2020年2月25日(火)追記>

タイトルの「新型肺炎」を「新型コロナウィルス」に変更。

「子午線の祀り」の詩的な語り

2021年に上演が決定したそうです。前回その壮大さを堪能した身としてぜひまた観たい。単に平家物語を現代劇にしただけならそうはならなくて、あの潮の流れを天体の運行から説明する語りが付くことで、壮大さが出てくるんですよね。

ということでその壮大さのおすそ分けを。

晴れた夜空を見上げると、無数の星々をちりばめた真暗な天球が、あなたを中心に広々とドームのようにひろがっている。ドームのような天球の半径は無限に大きく、あなたに見えるどの星までの距離よりも天球の半径は大きい。

地球の中心から延びる一本の直線が、地表の一点に立って空を見上げるあなたの足の裏から頭へ突きぬけてどこまでもどこまでも延びて行き、無限のかなたで天球を貫く一点、天の頂き、天頂。

地球を南極から北極へ突き通る地軸の延長線がどこまでもどこまでも延びて行き、無限のかなたで天球を貫く一点、天の北極。

遠く地平の北から大空へ昇って遥かに天の北極をかすめ遥かに天頂をよぎって遠く地平の南へ降る無限の一線を、仰いで大宇宙の虚空に描きたまえ。

大空に跨って眼には見えぬその天の子午線が虚空に描く大円を三八万四四〇〇キロのかなた、角速度毎時一四度三〇分で月がいま通過するとき月の引力は、あなたの足の裏がいま踏む地表に最も強く作用する。

そのときその足の裏の踏む地表がもし海面であれば、あたりの水はその地点へ向かって引き寄せられやがて盛り上り、やがてみなぎりわたって満々とひろがりひろがる満ち潮の海面に、あなたはすっくと立っている。

もうひとつありますね。

月の二・二分の一の力しかない太陽の引力のことを別にすれば、
誰もがプトレマイオスの天動説を信じてコペルニクスの地動説を誰も信じていなかった十六世紀西欧の劇詩人がいったように、
月の力で大海原は息づき、
海に向かって月の力に従うなということは無駄であり、
つまり潮の満ち干を司るもの、それは今でも月の女神である。
すなわち大空に跨って眼には見えぬ天の子午線を月の女神が音もなく過って行くと、
その真下で海は息づき始めようとする。
だが海水という液体がその形を変えようとするとき流体の内部で働く抵抗のゆえに、
また海を囲む陸地が作るさまざまに複雑な地形との関係において、
子午線を過って行く月を見上げながら海は、
なかなかすぐにその引力に応じて動き出そうとしない。
しかしやがてその地点に向かってあたりの海水は引き寄せられて盛り上がり、
引き寄せられる海水がもし狭い海峡を通るのであれば、
海水は激しい潮流となってその海峡をこちらへ走りぬけてこねばならぬ。
細長い日本列島の上に広々とひろがる天球を月が東から西へ、
角速度毎時一四度三〇分で東から西へ移動して行くにつれて、
さっき海峡を東へ走りぬけた潮は次には西へ流れ、
一日に二度めぐってくる潮の満ち干につれて、
一日に二度潮は海峡を東へ走りぬけ、
一日に二度潮は海峡を西へ走りぬける。

芝居では語り手が読みますが、台詞とかト書きというより散文詩と呼んだほうがしっくりくる文章です。こういうソリッドな文章が書けるようになりたいですが、何に注意したらこういう文章になるんでしょう。

2020年2月11日 (火)

新型コロナウィルスを受けて歌舞伎座はマスクで接客中

新型肺炎の流行が危ぶまれる昨今ですが、二月公演の歌舞伎座は客案内のスタッフがマスクで接客していました。ご理解くださいと開演前のアナウンスでも流しています。幕見席で観たのでロビーの状況は不明ですが、おそらく同じだと思います。

ざっと計算して1ステージ2500万円、1ヶ月で12億5000万円のチケット代、そこにお土産や食事が乗る自前劇場の公演なので、なりふり構っていられない、という態度でしょう。とてもよいと思います。あの人数のマスクがよく確保できたな、という驚きもあります。マスクで感染は防げないとか言われていますが、対面で会話する機会の多い職業ならあったほうが多少なりとも感染率は下げられると思います。従業員にも客にも、安全アピールする意味もあるのでしょう。

他に日生劇場は1階に消毒用アルコールが置いてありました。東京芸術劇場も少なくとも地下の駅連絡通路のところには消毒用アルコールが置かれていました。ちら見ですが、使う人は使っていました。

歌舞伎座がやっているくらいだから他も真似したっていいだろう、といいたいところですが、マスクや消毒用アルコールが品薄なのがつらいところです。

<2020年2月25日(火)追記>

タイトルに「新型コロナウィルスを受けて」を追加。

てがみ座「燦々」東京芸術劇場シアターウエスト

<2020年2月10日(月)夜>

幕末。子どものころから絵筆を取らせて絵を描かせていた、葛飾北斎の娘、お栄。母の勧めで結婚するが、初夜から夫を置いて火事観察に出かけてしまうほど絵が好きで、絵師を目指すも夫からは反対され、実家に戻る。だがその絵も、北斎にも兄弟子にも版元にも、近所のおかみさんにも未熟を指摘される。絵師になりたいのに書きたいものが何か迷うお栄は、機会があるごとに絵を描き続けるが・・・。

再演だけど初演未見。女が絵師になるための苦労、というよりは、周辺人物も含めて、描きたくてどうしようもないけど描けない芸術家の苦悩と挫折と成長、を描いたように見えた。その点「絢爛とか爛漫とか」を思い出すけど、今回のほうがより主人公を応援したくなる展開。一人複数役が普通だったため、蕎麦屋の夫婦が長屋の人、の展開が観ていてわからなかったのがもったいない(アフタートークでわかった)。

良い役者が多かったけど、版元の福本伸一と、複数役をこなした中で石村みかを挙げておく。スタッフワークはむき出しの木と不織布がそっけないようでいていろいろ変化をつけていた美術に、真面目に見たら江戸っぽくないのに気にさせなかった衣装とヘアメイクがよい仕事。まだ詰められる箇所はたくさんあるけど、総じて十分楽しめる仕上がり。

制作に注文として、調べても上演時間が見つからなかったので昼公演での見物予定を立てられずにこの日になってしまった。アフタートーク抜きで休憩なしの2時間10分だったけど、再演なら約2時間くらいは読めるだろうからホームページでもTwitterでもどこかに描いておいてほしい。

アフタートークは長田育恵と渡辺えり。あの台詞がいいこの場面が素晴らしい元気をもらった、と渡辺えりがパワフルに褒め倒して8割方しゃべり続けたので、内容をあらかた忘れてしまった。が、女が仕事をする苦労、という渡辺りの振りに長田育恵が乗っていたので、素直にそちらが主題だったのか、でも江戸で女絵師もいたはずだし、とか余計なことを考えたのも忘れた理由のひとつ。あと主人公が「俺」というのは永井愛か、父親も画家だし、と訊かれて偶然と返していた。それで永井愛が一人称に「俺」を使う人で、父親が永井潔という画家だと初めて知った。あれで笑っていた観客は玄人。

松竹製作「菅原伝授手習鑑」歌舞伎座

<2020年2月10日(月)昼>

その優れた手跡から、弟子への筆法伝授をと帝に望まれた菅丞相。だが今の弟子は頼むに足らず、腰元と駆落ちしたため勘当していた源蔵を呼寄せ腕前を確かめると、勘当は取りやめぬが秘伝を伝授する。折りしも、家来の手引きで逢引していた菅丞相の養女と斎世親王が、菅丞相の政敵である時平の家来に見咎められてしまい、2人は逃亡方々駆落ちしてしまう。それを皇位の簒奪だと時平に逆用されて、菅丞相は蟄居となってしまう。菅丞相の若君だけでも助けなくてはと源蔵が救い出すが、菅丞相は流罪が決定する。

初段と二段目のダイジェスト、なのかな。この後に国立劇場の文楽で今やっている三段目が挟まって、四段目の寺子屋につながるはず。寺子屋で若君をかくまっていた理由まではわかったけど、その恩義の深さが現代の自分には伝わらず、薄味。仁左衛門の菅丞相はどんなものかと観に行ったけど、ほとんど動かない、超地味な役どころ。品格と言われればそれまでだけど、つらい。その分他の役者に目が行って、玉三郎の覚寿が何と言っても一番。梅玉の源蔵もよかった。

東宝主催「天保十二年のシェイクスピア」日生劇場

<2020年2月9日(日)夜>

漁師上がりの親分が治めていた宿場。引退を考えた親分は3人の娘のうち、業突張りな上の娘たちではなく、養女だが心優しい末娘に縄張全部を譲りたいと考えていたが、お互いの思い違いから末娘は家を出ることになる。やむなく長女と次女に分けて譲ることになったが、相手を蹴落とそうとする2人のために宿場は2つの勢力にわかれてしまう。もともとこの宿場の生まれだが流れ者になって戻ってきた男が、この現状を見て、うまくのし上がってやろうと算段を働かし始める。

蜷川版を観て以来2回目。最後まで堪能して満足。やっぱりこの脚本は面白い。スタッフワークで洋風な音楽と振付をつけたのに対して、木場勝己がそこにいてしゃべるだけで良い意味の土着感が出て、古今東西風味が拮抗する。オープニングの曲のノリの良さは蜷川版と甲乙付けがたい。

オープニングの曲が終わって、出だしがやや低調だったけど持ち直し。浦井健治のきじるしの王次が出てきた瞬間の華やかさがすごかった。ああこの人はミュージカルが本家だ、ストレートプレイに出るのはもったいないんじゃないのかと場違いな感想。高橋一生の佐渡の三世次だけ、メイクや衣装も込みで独特に作りこんだ不気味さを前面に出していたけど、なのにこの芝居には合う不思議。終盤は独壇場だった。

「祝祭音楽劇」と題したとおりの出来で、開演して2日目3ステージなので調整の余地のある役者も若干見受けられたけど、客としてはそんなところを気にするより楽しんだほうが得。そういう1本。木場勝己が隊長役を務めているのがバランスの要だと思うので、観られるものなら今回もう1回観たい。

2020年2月 6日 (木)

カオルノグチ現代演技「セイムタイム・ネクストイヤー」下北沢駅前劇場

<2020年2月5日(水)夜>

それぞれ出張先と旅行先であるレストランで知合って一夜を共にした男女。互いに子供の写真まで見せ合うくらい心を許し、そのまま別れるに忍びなかった2人が出したのは、毎年一晩に限って同じ場所で会うこと。そして毎年お互いの配偶者の良いところと悪いところを伝えあうこと。

初日。前回とはうってかわって、翻訳物のストレートプレイを、まさかの挟み舞台にネタ演技も含めて直球の演出。本当に駅前劇場かと疑われるくらい品位に満ちた仕上がりに驚く。役年齢に応じて丁寧に声を変えてくる野口かおると、それに対抗しながら思わぬ特技も披露する山岸門人、どちらも初日からよい仕上がりで、しかもさらに伸びしろがありそう。スタッフもよかったけど第一に衣装を挙げたい。両面客席に配慮した美術もよかったけど両面に満遍なく見せた演技もよかった。

アメリカで上演すると近代史が重なるから、もう少しシリアスな要素が強くないと片手落ちになるところ、そこを追いすぎず2人の対話に寄せたのは演出判断か。直球の仕上がりすぎて演出の手柄がどこまでかはわからないけど、明星真由美の演出は結構よいのかも。

観終わって当日パンフを読んだら、これは飲み屋のトークから立ち上がったという、別の意味で王道な企画だと知って2度驚く。こんな芝居ができるなら毎晩でも飲んでほしい。

2020年2月 4日 (火)

「イノサンmusicale」のパリ公演中止の経緯がよくわからない

ミュージカルも2.5次元も普段の守備範囲からは外れているので見落としていましたが、2月にパリ公演を予定していたのが中止になったそうです。先にそれを難じた記事から見てみます。申し訳ありませんが全文引用で日刊スポーツより「ミュージカル『イノサン』中止 担当P対応に呆れた」。

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

1月中旬、人気漫画を舞台化したミュージカル「イノサン」のパリ公演の中止が発表された。歌手の中島美嘉が主演し、宮本亜門が演出した舞台だが、中止のニュースを聞いて、「やっぱりな」と思った。

公演は東京で11月から12月にかけて行われたが、公演前の記者会見の時に渡されたリリースに「2月8日にパリ公演」と小さく書かれていた。関係者に聞くと「予定です」と言うだけで、詳細は話してくれなかった。その時、本当にパリ公演が出来るのか、半信半疑だった。

海外での公演ともなれば、出演者やスタッフの渡航費と宿泊費、さらに大道具、衣装、小道具の輸送費などでかなりのお金がかかる。しかも、たった1日だけの公演だったら、大赤字となるのは必至だ。公的な補助金や大企業などのサポートがあればいいけれど、それもなかった。「無理だろうな」と思っていた。

だから、中止の発表にも驚きはなかった。それ以上に、中止の発表直後に一部報道で、中止の遠因として「公演の千秋楽後の稽古で、プロデューサーの意向で脚本が変わった」ことなどが挙げられ、当のプロデューサーがツイッターで反論したが、公演終了直後に2カ月先の公演のために稽古する訳もないし、公式に謝罪もしていない担当プロデューサーがツイッターで堂々と反論だけはする、素人丸出しのやりとりにあきれた。主演の中島が謝罪のコメントを出したが、彼女には罪はなく、被害者でもあるだけに気の毒だった。

2・5次元ミュージカルの人気などもあって、安易に舞台制作に乗り出す傾向があるけれど、今回の騒動は大いなる警鐘になるだろう。

「2月8日にパリ公演」とありますが、後述の通り2月9日の記載ミスと思われます。この記事では資金不足を一番の理由に挙げています。実際の経緯がどうだったのか、公式サイトのお知らせで、関係ある情報を引用しながら追ってみます。

・2019.5.16 横内謙介脚本,宮本亜門演出にて2019年11月29日~12月10日東京、2020年2月パリで上演決定!

また本公演は2019年11月29日(金)~12月10日(火)にヒューリックホール東京にて、2020年2月にはパリでの上演が決定いたしております。

・2019.6.20 パリ公演の主演情報について

2020年2月に行われるパリ公演の配役が決定いたしました。

アラン・ベルナール役を梶裕貴、また東京公演では前山剛久が演じるアンドレ・ルグリ役をパリ公演では武田航平が演じます。その他の主な配役は東京公演と同様となります。

・2019.11.01 パリ公演情報

パリ公演が2020年2月9日にパレ・デ・コングレ・ド・パリにて上演決定いたしました。

・2019.12.11 パリ公演 出演キャストに関する重要なお知らせ

平素は『イノサンmusicale』にお引き立て、お力添えを賜り誠にありがとうございます。

2020年2月9日にパレ・デ・コングレ・ド・パリで上演致します、『イノサンmusicale』パリ公演に、アンドレ役にて出演して頂く予定でございました武田航平様につきまして、主催のスケジュール調整が至らず、やむを得ず降板となりますことをご報告いたします。

武田様の出演を楽しみにされていた皆様には、ご心配、ご迷惑をお掛け致します事を深くお詫び申し上げますとともに、『イノサンmusicale』にご出演頂いております全てのキャストの皆様、関係者の皆様へ多大なるご迷惑をおかけすることを重ねてお詫び申し上げます。

なお、パリ公演は予定通り上演致します。

代役や、パリ公演ツアーにすでに申し込みをされている皆様へのキャンセル並びに払い戻し対応に関しましては追ってご案内をさせて頂きます。

今しばらくお待ち頂きますようお願い申し上げます。

2019年5月16日時点でパリ公演決定と銘打って、2019年6月20日にパリ公演キャスト発表、2019年11月1日に日程と劇場を発表、東京公演終了の翌日となる2019年12月11日に降板発表。6月に決まっていたキャスティングでスケジュール調整が至らず降板とは、いくら芸能界でもすぐには信じられません。「主催のスケジュール調整が至らず」とあるので実態はともかく落ち度は主催にあって、東京公演終了を待っての降板発表と読取れます。

そしてお知らせページに記載がありませんが、トップページに中止案内へのリンクがあります。2020年1月14日に発表です。

この度、2020年2月9日に上演を予定しておりました「イノサン musicale」のパリ公演を中止いたしますことをご案内いたします。

「イノサン musicale」は2019年11月29日から12月10日まで日本東京公演を上演いたしており、かねてからの企画通り、東京公演期間中も含めパリ公演への準備を続けてまいりま
した。

しかしながら、諸般の事情により、パリ公演を中止することとなりました。
パリ公演を楽しみにしてくださったお客様および東京公演をご観劇いただき本作品に携わってくださったお客様皆様に心より深くお詫び申し上げます。
本結論に至りますまでに時間を要し、ご案内が遅くなりましたことを重ねましてここに深
くお詫び申し上げます。

当公演のJTBオフィシャルツアーに申し込まれたお客様におかれましては、全額返金させ
ていただきます。ご返金手続きに関しまして、下記ツアーデスクより皆様へご連絡させて
いただきます。

<JTBオフィシャルツアーに関するお問合せ>
E-mail:X@jbn.jtb.jp
03-XXXX-XXXX 営業時間/10:00~17:30 (土日・祝日休業)

<公演に関するお問合せ>
公演公式HPのお問合せフォームよりお問合せください。
https://jnapi.jp/stage/innocent/index.html

またパリ公演を実施するという企画に集い準備をしてくださっていた出演者および甚大な
ご協力を賜りました関係各社にもあらためまして厚く感謝いたしますと共に、深くお詫び
申し上げます。

2020年1月14日「イノサン musicale」企画・運営 Jnapi L.L.C.

スポニチアネックス「中島美嘉、古屋敬多W主演舞台 パリ公演中止…プロデューサーと一部キャストに軋轢か」ではもう少しいろいろ書いています。冒頭の日刊スポーツで「中止の発表直後に一部報道で」と書かれていたのはこの記事だと思われます。こちらも申し訳ありませんが全文引用。

 来月9日に上演予定だった、中島美嘉(36)と「Lead」古屋敬多(31)のダブル主演舞台「イノサン musicale」のフランス・パリ公演の中止が14日、発表された。海外公演が上演まで1カ月を切って中止となるのは異例の事態だ。

 舞台は坂本眞一氏の漫画が原作で、18世紀フランスに実在した死刑執行人の人生を宮本亜門氏(62)演出で描く話題作だった。公式サイトは中止理由を「諸般の事情」と説明。複数の関係者の話を総合すると、舞台を取り仕切った女性プロデューサーと出演者に軋轢(あつれき)が生じたことが主な原因という。

 同作スタッフによると、女性プロデューサーは脚本や演出の方針を一本化することに難航。昨年11月の東京公演前から1人の出演者が「この内容では、パリで公演するのは難しい」と申し出たが、改善される兆しがなかったという。12月10日の千秋楽後、パリ公演に向け稽古に入ったが、同11日に武田航平(34)が降板。代役を立てられず、公演を維持できなくなった。

 千秋楽後の稽古は海外渡航中の宮本氏に代わり女性プロデューサーが統括したが、演劇関係者によると「その間に稽古の日程管理や脚本がめちゃくちゃになったと聞く」という。

 また「女性プロデューサーが一部俳優に対し“仏公演にマネジャーは連れて行けない。行くなら実費で”と言いだし衝突を招いたようだ」(スタッフ)。

 プロデューサー側の関係者は、軋轢が生じたことは認めつつ「演出や内容への要望は受けたが、プロデューサーとしては可能な限り応える努力はしたという認識」と説明。またマネジャーの仏渡航拒否についても「確かにご遠慮願った方もいるが、限られた予算内での判断」と主張した。

 今作は最初からパリ公演を前提に計画され浅野ゆう子(59)や人気声優の梶裕貴(34)も出演。資金確保のため、チケットの販売に積極的に協力するなど尽力したスタッフ、キャストも多い。関係者は「フランスは1公演だけ。本場の舞台を心から楽しみにしていた出演者もいた。本当に残念」と話している。

読んで「脚本や演出の方針を一本化することに難航」というのがよくわからない。Wキャストで複数演出案を上演していたのを1日公演で選ばないといけなくなったのか、異なる会場に対応するために出した案が総スカンをくらったのか。ちなみに東京公演のヒューリックホール東京は通常886席、パリ公演先に上がっていたパレ・デ・コングレ・ド・パリは、Wikipediaによれば大劇場(3723席収容)と小劇場(650席)がある。普通に考えたら小劇場ですが、1日公演のために大劇場とかやらかす可能性もあるし、なんともいえない。ちなみにJTBのツアーは昼間の1ステージだけだったようです。

「12月10日の千秋楽後、パリ公演に向け稽古に入ったが」は冒頭の記事で「公演終了直後に2カ月先の公演のために稽古する訳もない」と否定されているので体裁を整えたのかもしれませんが、プロデューサー側の「確かにご遠慮願った方もいるが、限られた予算内での判断」とのコメントを取っているので、まったくの飛ばし記事でもないと思われます。

現地まで行ってから中止なら目も当てられないので、ここまでなら、内部でトラブルがあったとしても、客に迷惑をかけたとしても、死ぬ直前でよく踏ん張ったと応援したい。ところがスポーツ報知で2本記事がある。2020年1月15日分

 HPでは中止の理由を「諸般の事情により」としているが、複数の関係者によると、スケジュールの調整ミスや演出に関する連絡不足などで制作サイドに対してキャスト・スタッフ側からの不満が相次ぎ、東京公演後に数人の出演者が降板を申し出ていたという。ファンの間でも、公演DVD注文時の不備が続出するなど不信感が広まっていた。パリ公演には日本から駆けつけるファンも多く、鑑賞ツアーも組まれていた。HPではオフィシャルツアーの申込者には返金の意向を示しているが、自らチケットを手配した観客へのアナウンスはない。主催者側はこの日、スポーツ報知の取材に対応しなかった。

で翌日2020年1月16日分

 番組では主催者側がパリでストライキがあることを中止の原因の一つとしたことを伝え、さらに主催者側から番組へ送られたメールの内容を紹介。そこでは出演者と軋轢(あつれき)があったと伝えられたプロデューサーについて「女性プロデューサーは脚本にも演出にもキャストのセリフひとつを増やす希望を叶えるためにで、むしろ奮闘していました。あの宮本亞門さん相手に何度もかけあっていました」と擁護。「一部の情報を故意に流した方のために若くてこれだけの座組をつくった才能のあるプロデューサーが消えようとしています。それこそ報道すべきことではないでしょうか」と、報道に遺憾の意を示していた。
(中略)
 また、コメンテーターとして出演のフリーアナウンサーの楠田枝里子(68)は「パリでストライキなんてしょっちゅうやってるわけで、何の理由にもならない。海外で日本人が恥をかくようなことはやめてもらいたい」とバッサリ。直前で劇場をキャンセルしたことについて「なんだ日本人はってなるじゃないですか。次にやる人、後輩の足を引っ張るようなことは本当にやめてほしい」と怒りが収まらなかった。

 タレントの薬丸裕英(53)は「発表の仕方が本当によくないと思う。諸般の事情ってなると、原因は何かといろいろ追及される。お客さんを第一に考えないと。フランスに行くっていうことは大ごとですよ。なんでもっと早く発表できなかったのか。12月には中止が決まってたんじゃないかってウワサもありますからね」と苦言を呈していた。

「女性プロデューサーは脚本にも演出にもキャストのセリフひとつを増やす希望を叶えるためにで、むしろ奮闘していました。あの宮本亞門さん相手に何度もかけあっていました」というのがひっかかる。キャストのセリフひとつ増やす減らすなんて、専門の脚本家を呼んでいる公演で普通はプロデューサーが口を挟むとは思えない。

と思ったら当の本人がTwitterでつぶやいていました。冒頭の記事で「公式に謝罪もしていない担当プロデューサーがツイッターで堂々と反論だけはする」のことです。

ある報道にございました 千秋楽後の稽古はまだ1日も実施されたこともなく、パリに向け脚本を変える話もでておりませんでした。 脚本家や演出家というそれぞれのプロが存在するなかでPが脚本を変えてしまうようなこともございません。

料金を払って予約していた客ならまず謝れよと怒るかも知れませんが、それを除けば、普通そうだよな、と思います。ただこの人が、企画運営を担当していたJnapi L.L.C.の社長でもあるんですよね。じゃ番組へメールを送ったという主催者側の人間は誰なのか。それに「パリでストライキがあることを中止の原因の一つとした」というのも、楠田枝里子のコメントどおりで、いかにも拙い。検索するとパリの劇場側には公演中止の可能性を連絡して、6日前にはキャンセルしていたという情報もある。

かれこれ突き合せると、人手が足りず(または制作能力の不足したスタッフしかおらず)、資金も足りない中でスケジュールの調整ミスや演出に関する連絡不足が相次いで、カンパニーがガタついていていた。資金については当てにしていたスポンサーから蹴られたのか、出演者やスタッフに張りすぎて足りなくなったのかは不明。ただ、11月の東京初日前にパリ公演を「予定です」としかいえないくらいの状態になっていて、6月に役まで発表されていた武田航平が降板しても発表を東京千秋楽後にするのが精一杯、主催の責任を認めるくらいガタついていた。それも氷山の一角で、他にも降板を申し出ていた出演者がいた。もともと赤字の1日1ステージだけの海外公演、出演者のマネージャーも連れて行けない資金不足のなかで、複数人の代役を探して追加稽古する余裕があるはずもない。東京千秋楽後の早いうちにパリ公演中止を決めて、予定されていた追加稽古もキャンセルした。何らかの理由で(一部関係者間での中止の調整か、あるいはストライキなどの理由をつけるためか)正式決定を遅らせていたが、まだパリ公演中止はおおっぴらにしていなかったので、事情を知らない関係者にはプロデューサーが稽古の日程管理を目茶苦茶にしたように見えた。1月になってから公演中止の手続を進めて、発表は1ヶ月を切った時期になった。

くらいが実情かなと推測しました。

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