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2020年2月 4日 (火)

「イノサンmusicale」のパリ公演中止の経緯がよくわからない

ミュージカルも2.5次元も普段の守備範囲からは外れているので見落としていましたが、2月にパリ公演を予定していたのが中止になったそうです。先にそれを難じた記事から見てみます。申し訳ありませんが全文引用で日刊スポーツより「ミュージカル『イノサン』中止 担当P対応に呆れた」。

<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム>

1月中旬、人気漫画を舞台化したミュージカル「イノサン」のパリ公演の中止が発表された。歌手の中島美嘉が主演し、宮本亜門が演出した舞台だが、中止のニュースを聞いて、「やっぱりな」と思った。

公演は東京で11月から12月にかけて行われたが、公演前の記者会見の時に渡されたリリースに「2月8日にパリ公演」と小さく書かれていた。関係者に聞くと「予定です」と言うだけで、詳細は話してくれなかった。その時、本当にパリ公演が出来るのか、半信半疑だった。

海外での公演ともなれば、出演者やスタッフの渡航費と宿泊費、さらに大道具、衣装、小道具の輸送費などでかなりのお金がかかる。しかも、たった1日だけの公演だったら、大赤字となるのは必至だ。公的な補助金や大企業などのサポートがあればいいけれど、それもなかった。「無理だろうな」と思っていた。

だから、中止の発表にも驚きはなかった。それ以上に、中止の発表直後に一部報道で、中止の遠因として「公演の千秋楽後の稽古で、プロデューサーの意向で脚本が変わった」ことなどが挙げられ、当のプロデューサーがツイッターで反論したが、公演終了直後に2カ月先の公演のために稽古する訳もないし、公式に謝罪もしていない担当プロデューサーがツイッターで堂々と反論だけはする、素人丸出しのやりとりにあきれた。主演の中島が謝罪のコメントを出したが、彼女には罪はなく、被害者でもあるだけに気の毒だった。

2・5次元ミュージカルの人気などもあって、安易に舞台制作に乗り出す傾向があるけれど、今回の騒動は大いなる警鐘になるだろう。

「2月8日にパリ公演」とありますが、後述の通り2月9日の記載ミスと思われます。この記事では資金不足を一番の理由に挙げています。実際の経緯がどうだったのか、公式サイトのお知らせで、関係ある情報を引用しながら追ってみます。

・2019.5.16 横内謙介脚本,宮本亜門演出にて2019年11月29日~12月10日東京、2020年2月パリで上演決定!

また本公演は2019年11月29日(金)~12月10日(火)にヒューリックホール東京にて、2020年2月にはパリでの上演が決定いたしております。

・2019.6.20 パリ公演の主演情報について

2020年2月に行われるパリ公演の配役が決定いたしました。

アラン・ベルナール役を梶裕貴、また東京公演では前山剛久が演じるアンドレ・ルグリ役をパリ公演では武田航平が演じます。その他の主な配役は東京公演と同様となります。

・2019.11.01 パリ公演情報

パリ公演が2020年2月9日にパレ・デ・コングレ・ド・パリにて上演決定いたしました。

・2019.12.11 パリ公演 出演キャストに関する重要なお知らせ

平素は『イノサンmusicale』にお引き立て、お力添えを賜り誠にありがとうございます。

2020年2月9日にパレ・デ・コングレ・ド・パリで上演致します、『イノサンmusicale』パリ公演に、アンドレ役にて出演して頂く予定でございました武田航平様につきまして、主催のスケジュール調整が至らず、やむを得ず降板となりますことをご報告いたします。

武田様の出演を楽しみにされていた皆様には、ご心配、ご迷惑をお掛け致します事を深くお詫び申し上げますとともに、『イノサンmusicale』にご出演頂いております全てのキャストの皆様、関係者の皆様へ多大なるご迷惑をおかけすることを重ねてお詫び申し上げます。

なお、パリ公演は予定通り上演致します。

代役や、パリ公演ツアーにすでに申し込みをされている皆様へのキャンセル並びに払い戻し対応に関しましては追ってご案内をさせて頂きます。

今しばらくお待ち頂きますようお願い申し上げます。

2019年5月16日時点でパリ公演決定と銘打って、2019年6月20日にパリ公演キャスト発表、2019年11月1日に日程と劇場を発表、東京公演終了の翌日となる2019年12月11日に降板発表。6月に決まっていたキャスティングでスケジュール調整が至らず降板とは、いくら芸能界でもすぐには信じられません。「主催のスケジュール調整が至らず」とあるので実態はともかく落ち度は主催にあって、東京公演終了を待っての降板発表と読取れます。

そしてお知らせページに記載がありませんが、トップページに中止案内へのリンクがあります。2020年1月14日に発表です。

この度、2020年2月9日に上演を予定しておりました「イノサン musicale」のパリ公演を中止いたしますことをご案内いたします。

「イノサン musicale」は2019年11月29日から12月10日まで日本東京公演を上演いたしており、かねてからの企画通り、東京公演期間中も含めパリ公演への準備を続けてまいりま
した。

しかしながら、諸般の事情により、パリ公演を中止することとなりました。
パリ公演を楽しみにしてくださったお客様および東京公演をご観劇いただき本作品に携わってくださったお客様皆様に心より深くお詫び申し上げます。
本結論に至りますまでに時間を要し、ご案内が遅くなりましたことを重ねましてここに深
くお詫び申し上げます。

当公演のJTBオフィシャルツアーに申し込まれたお客様におかれましては、全額返金させ
ていただきます。ご返金手続きに関しまして、下記ツアーデスクより皆様へご連絡させて
いただきます。

<JTBオフィシャルツアーに関するお問合せ>
E-mail:X@jbn.jtb.jp
03-XXXX-XXXX 営業時間/10:00~17:30 (土日・祝日休業)

<公演に関するお問合せ>
公演公式HPのお問合せフォームよりお問合せください。
https://jnapi.jp/stage/innocent/index.html

またパリ公演を実施するという企画に集い準備をしてくださっていた出演者および甚大な
ご協力を賜りました関係各社にもあらためまして厚く感謝いたしますと共に、深くお詫び
申し上げます。

2020年1月14日「イノサン musicale」企画・運営 Jnapi L.L.C.

スポニチアネックス「中島美嘉、古屋敬多W主演舞台 パリ公演中止…プロデューサーと一部キャストに軋轢か」ではもう少しいろいろ書いています。冒頭の日刊スポーツで「中止の発表直後に一部報道で」と書かれていたのはこの記事だと思われます。こちらも申し訳ありませんが全文引用。

 来月9日に上演予定だった、中島美嘉(36)と「Lead」古屋敬多(31)のダブル主演舞台「イノサン musicale」のフランス・パリ公演の中止が14日、発表された。海外公演が上演まで1カ月を切って中止となるのは異例の事態だ。

 舞台は坂本眞一氏の漫画が原作で、18世紀フランスに実在した死刑執行人の人生を宮本亜門氏(62)演出で描く話題作だった。公式サイトは中止理由を「諸般の事情」と説明。複数の関係者の話を総合すると、舞台を取り仕切った女性プロデューサーと出演者に軋轢(あつれき)が生じたことが主な原因という。

 同作スタッフによると、女性プロデューサーは脚本や演出の方針を一本化することに難航。昨年11月の東京公演前から1人の出演者が「この内容では、パリで公演するのは難しい」と申し出たが、改善される兆しがなかったという。12月10日の千秋楽後、パリ公演に向け稽古に入ったが、同11日に武田航平(34)が降板。代役を立てられず、公演を維持できなくなった。

 千秋楽後の稽古は海外渡航中の宮本氏に代わり女性プロデューサーが統括したが、演劇関係者によると「その間に稽古の日程管理や脚本がめちゃくちゃになったと聞く」という。

 また「女性プロデューサーが一部俳優に対し“仏公演にマネジャーは連れて行けない。行くなら実費で”と言いだし衝突を招いたようだ」(スタッフ)。

 プロデューサー側の関係者は、軋轢が生じたことは認めつつ「演出や内容への要望は受けたが、プロデューサーとしては可能な限り応える努力はしたという認識」と説明。またマネジャーの仏渡航拒否についても「確かにご遠慮願った方もいるが、限られた予算内での判断」と主張した。

 今作は最初からパリ公演を前提に計画され浅野ゆう子(59)や人気声優の梶裕貴(34)も出演。資金確保のため、チケットの販売に積極的に協力するなど尽力したスタッフ、キャストも多い。関係者は「フランスは1公演だけ。本場の舞台を心から楽しみにしていた出演者もいた。本当に残念」と話している。

読んで「脚本や演出の方針を一本化することに難航」というのがよくわからない。Wキャストで複数演出案を上演していたのを1日公演で選ばないといけなくなったのか、異なる会場に対応するために出した案が総スカンをくらったのか。ちなみに東京公演のヒューリックホール東京は通常886席、パリ公演先に上がっていたパレ・デ・コングレ・ド・パリは、Wikipediaによれば大劇場(3723席収容)と小劇場(650席)がある。普通に考えたら小劇場ですが、1日公演のために大劇場とかやらかす可能性もあるし、なんともいえない。ちなみにJTBのツアーは昼間の1ステージだけだったようです。

「12月10日の千秋楽後、パリ公演に向け稽古に入ったが」は冒頭の記事で「公演終了直後に2カ月先の公演のために稽古する訳もない」と否定されているので体裁を整えたのかもしれませんが、プロデューサー側の「確かにご遠慮願った方もいるが、限られた予算内での判断」とのコメントを取っているので、まったくの飛ばし記事でもないと思われます。

現地まで行ってから中止なら目も当てられないので、ここまでなら、内部でトラブルがあったとしても、客に迷惑をかけたとしても、死ぬ直前でよく踏ん張ったと応援したい。ところがスポーツ報知で2本記事がある。2020年1月15日分

 HPでは中止の理由を「諸般の事情により」としているが、複数の関係者によると、スケジュールの調整ミスや演出に関する連絡不足などで制作サイドに対してキャスト・スタッフ側からの不満が相次ぎ、東京公演後に数人の出演者が降板を申し出ていたという。ファンの間でも、公演DVD注文時の不備が続出するなど不信感が広まっていた。パリ公演には日本から駆けつけるファンも多く、鑑賞ツアーも組まれていた。HPではオフィシャルツアーの申込者には返金の意向を示しているが、自らチケットを手配した観客へのアナウンスはない。主催者側はこの日、スポーツ報知の取材に対応しなかった。

で翌日2020年1月16日分

 番組では主催者側がパリでストライキがあることを中止の原因の一つとしたことを伝え、さらに主催者側から番組へ送られたメールの内容を紹介。そこでは出演者と軋轢(あつれき)があったと伝えられたプロデューサーについて「女性プロデューサーは脚本にも演出にもキャストのセリフひとつを増やす希望を叶えるためにで、むしろ奮闘していました。あの宮本亞門さん相手に何度もかけあっていました」と擁護。「一部の情報を故意に流した方のために若くてこれだけの座組をつくった才能のあるプロデューサーが消えようとしています。それこそ報道すべきことではないでしょうか」と、報道に遺憾の意を示していた。
(中略)
 また、コメンテーターとして出演のフリーアナウンサーの楠田枝里子(68)は「パリでストライキなんてしょっちゅうやってるわけで、何の理由にもならない。海外で日本人が恥をかくようなことはやめてもらいたい」とバッサリ。直前で劇場をキャンセルしたことについて「なんだ日本人はってなるじゃないですか。次にやる人、後輩の足を引っ張るようなことは本当にやめてほしい」と怒りが収まらなかった。

 タレントの薬丸裕英(53)は「発表の仕方が本当によくないと思う。諸般の事情ってなると、原因は何かといろいろ追及される。お客さんを第一に考えないと。フランスに行くっていうことは大ごとですよ。なんでもっと早く発表できなかったのか。12月には中止が決まってたんじゃないかってウワサもありますからね」と苦言を呈していた。

「女性プロデューサーは脚本にも演出にもキャストのセリフひとつを増やす希望を叶えるためにで、むしろ奮闘していました。あの宮本亞門さん相手に何度もかけあっていました」というのがひっかかる。キャストのセリフひとつ増やす減らすなんて、専門の脚本家を呼んでいる公演で普通はプロデューサーが口を挟むとは思えない。

と思ったら当の本人がTwitterでつぶやいていました。冒頭の記事で「公式に謝罪もしていない担当プロデューサーがツイッターで堂々と反論だけはする」のことです。

ある報道にございました 千秋楽後の稽古はまだ1日も実施されたこともなく、パリに向け脚本を変える話もでておりませんでした。 脚本家や演出家というそれぞれのプロが存在するなかでPが脚本を変えてしまうようなこともございません。

料金を払って予約していた客ならまず謝れよと怒るかも知れませんが、それを除けば、普通そうだよな、と思います。ただこの人が、企画運営を担当していたJnapi L.L.C.の社長でもあるんですよね。じゃ番組へメールを送ったという主催者側の人間は誰なのか。それに「パリでストライキがあることを中止の原因の一つとした」というのも、楠田枝里子のコメントどおりで、いかにも拙い。検索するとパリの劇場側には公演中止の可能性を連絡して、6日前にはキャンセルしていたという情報もある。

かれこれ突き合せると、人手が足りず(または制作能力の不足したスタッフしかおらず)、資金も足りない中でスケジュールの調整ミスや演出に関する連絡不足が相次いで、カンパニーがガタついていていた。資金については当てにしていたスポンサーから蹴られたのか、出演者やスタッフに張りすぎて足りなくなったのかは不明。ただ、11月の東京初日前にパリ公演を「予定です」としかいえないくらいの状態になっていて、6月に役まで発表されていた武田航平が降板しても発表を東京千秋楽後にするのが精一杯、主催の責任を認めるくらいガタついていた。それも氷山の一角で、他にも降板を申し出ていた出演者がいた。もともと赤字の1日1ステージだけの海外公演、出演者のマネージャーも連れて行けない資金不足のなかで、複数人の代役を探して追加稽古する余裕があるはずもない。東京千秋楽後の早いうちにパリ公演中止を決めて、予定されていた追加稽古もキャンセルした。何らかの理由で(一部関係者間での中止の調整か、あるいはストライキなどの理由をつけるためか)正式決定を遅らせていたが、まだパリ公演中止はおおっぴらにしていなかったので、事情を知らない関係者にはプロデューサーが稽古の日程管理を目茶苦茶にしたように見えた。1月になってから公演中止の手続を進めて、発表は1ヶ月を切った時期になった。

くらいが実情かなと推測しました。

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