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2020年4月 1日 (水)

新型コロナウィルスに際した小劇場の脚本家兼演出家兼役者である主催者のコメント2つ

この時期は上演するにしても中止するにしても様子を見るにしても、何らかのコメントは出すものです。大手は紋切り型にならざるを得ないのですが、小劇場は主宰のコメントに色が出せます。そんな中で見つけたコメントの紹介です。

最初は五反田団。4月25日から5月5日まで予定している公演のチケット前売を3月29日に開始する予定でしたが、延期しました。前日の3月28日に出した前田司郎のコメントです。トップページからポップアップするのでリンクはトップページに張ります

29日に発売を予定しておりました五反田団公演「愛に関するいくつかの断片」のチケットですが、発売を延期させていただきます。コロナウィルスの世界的流行のため、公演自体やれるかどうか、やるべきかどうか、僕自身判断がつきません。もうしばらく考えさせてください。そのお時間をいただくためのチケット販売延期です。

皆様、色々大変だと思います。僕も恐いです。病気も、今の状況も。描いていた未来が、ガラリと変わったような気すらします。人さえ居れば演劇は出来ると思って、二十四年間やってきましたが、「人集まれねえのかよ」っていう、考えてもない事が起きて、混乱しています。みんな同じか。
今少し様子を見る時間と、考える時間をください。

台本は八割くらい書けてます。やろうがやるまいが、書くことはやめません。これが出来なくなったら流石に死ぬときだな。逆に言えば書ければ死なない。

前田司郎

正直な延期のお願いから、「人集まれねえのかよ」という単純かつインパクトの強いフレーズ、そして「書ければ死なない」というへこたれなさの表現で締める。短い文章ながら五反田団の芝居より力強さを感じる文章です。

もうひとつは財団、江本純子。「わたしを信じて」を3月26日から3月31日まで上演していました。会場選びに利があったのが大きかったようです。全ステージ上演したどころか追加公演も出しています。それに先立っての江本純子のコメントです

『わたしを信じて』は、「わけがわからない恐怖、からの脱出」について、旅での時間をモチーフに作り始めたものです。

「わけわかんない恐怖」とは、自分にとって、到底理解ができない「ひと」や理不尽や絶望を感じる「世界」に対して抱く感情で、わたし自身が、旅や実生活で時折感じてきたことでした。
考えても考えても「本当にわからない」ことに向き合っていたら、狂ってしまいそうになる境地が必ず訪れます。
そこでどうする?の答えとして「脱出」と考えました。

昨年末はゴーンのスペクタクルな脱出劇を目撃できていたのに
そのたった数ヶ月後の現在、
わたしたちは、旅どころか、世界のどこにも行けません。


わたしはいま、『わたしを信じて』出演者とともに、
作品上演を行う104ギャラリーRで、キャンプっぽい旅を行なっています。
桜が咲きはじめた目黒川近くの、半野外のガレージで、旅と称した演劇、はたまた演劇と称した旅とも言える時間を過ごしています。

演劇自体が不成立になっている今の世の中で、
この作品の提示は正しいのだろうか?
日々変化していく情勢に、「怖気づきながらも決起する」を何度も繰り返した挙句、今の作品の形になりました。
「わけわからん恐怖からの脱出」として、この世を「すり抜け」て、囚われていたことから気持ちよくどうでもよくなっていく「解脱」のような時間を、わたしは選びました。

たとえばボヘミアンのように「どこへでも生きていける」こと。
ひとりではなくて、できればみんなと。誰とでも? 何があっても?

104ギャラリーRは広いガレージで、扉と屋根で仕切られた半野外の空間です。
そこは都会のど真ん中ですが、空気の通りもよく、風の音や人通り、車の音を聞きながら、生活を営んでいます。
外の音や空気は気持ちよいときもありますが、うるさい&寒いとストレスなときもあります。「どこへでも生きていく」のはなかなか大変です。

「どこにも」行かなくても、日々旅をしているような時間のおもしろさを、気持ちよさを、提示します。

何が正しいのか、わからない中で、生きていくってしんどいですけど、「わからないままでも進んでいけそうな」次なる道を、一緒に探しましょう。


上演の際は、ハンドソープ付きの手洗い場があります。
隣接したビル内にある、美しいトイレ(いっこのみ)を使用できます。
消毒液関係は品薄で、用意できるかわからないので、ご心配な方は各自でご持参頂けたら助かります。
マスクは簡易的なものをご用意していますが、ご心配な方はご自身のものを装着ください。
場内は半野外のようなスペースのため、密閉空間ではありません。
特に夜は防寒していらっしゃることをお勧めします。業務用の大きなストーブはあります。
移動に最適な、折りたたみのアウトドアチェアの持ち込みなど大歓迎です。
飲食の持ち込みもご自由に。ただしゴミを持ち帰ってもらえたらありがたいです。

座席などもゆったり置いていますが、
それでも人との接触を気になさる方は、移動しながらご覧頂いたり、開放した扉付近で鑑賞して頂くことも可能です(目の前は一般道路ですのでお気をつけください)。
つらくなったら、すぐに「脱出」できるよう、扉の開閉も自由にしておきます。

予約は当サイトの予約フォームからお申し込みできますが、
当日の、突然のご来場もぜひ。
予約しても、当日ふらりでも、料金は3000円です。
体調を考慮して、キャンセルされる場合はできれば連絡をいただきたいですけれど、どうかご無理なさらずに。

近くの目黒川の桜がちょうど満開になる頃に、お会いできそうです。
風の強い日は、会場に桜が舞い込むことを期待します。
コロナウィルスが終息すること、みなさん健康でありますように、と願いを込めて。

2020年3月24日
江本純子

「昨年末はゴーンのスペクタクルな脱出劇を目撃できていたのに」とか絶妙な例の挙げ方ですが、それよりも小劇場らしいもやもやした表現の種の説明に混ぜて、会場の換気や密集を避けていることを直接説明した後に、「桜が舞い込むことを期待」と書いて半野外感を風流に転換、それを受ける最後のメッセージはシンプルなだけに余計引立ちます。この後に会場の写真も載せて、説明内容が本当であることも見せています。江本純子はもっと乱暴な人という印象があったけど、これは柔らかい文章です。なお実際の公演は雪の日もあったというオチが付いています。

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