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2020年5月24日 (日)

新型コロナウィルスの補償問題で本当にドイツがよかったのか疑問になる記事から転じて文化芸術復興基金の話まで

海外の支援状況を調べた時に、ドイツがいいかもしれないけど日本も言うほど悪くないと書きました。その後、ドイツの補償の話を見つけたので追記しています。Soforthilfe I、II、III、IV、Vがあって、このうち芸術分野はIIとIVが関係します。

ところがそのドイツで、フリーランスのアーティストやクリエイターを中心にベーシックインカムを求める運動が起きているという記事がありました。記者も疑問を述べながら紹介しています。

そんななか、フリーランスのアーティストやクリエイターを中心に高まっているのが、ベーシックインカムを求める声だ。

ベルリン在住のファッションデザイナー、トニア・メルツによる「コロナ危機に、無条件のベーシックインカムを」という呼びかけには46万人以上の署名が集まり、財務相に向けた「コロナ・シャットダウン中の、フリーランスとアーティスト支援」と題されたオンライン署名運動には30万人近くが署名している。

後者の署名運動の発起人であるライプツィヒ在住のカウンターテナー、ダヴィッド・エルラーは、ドイツ連邦政府文化相が提案する総額600億ユーロ以上にのぼる「文化分野のための救済策」に不満を唱え、ユニヴァーサル・ベーシックインカム(UBI)が最良の支援だと呼びかけた。

しかし、ドイツと言えば、アーティストを重視する姿勢が日本でも話題になった国ではなかったか。

ドイツ政府は国の「即時支援」として、個人フリーランスやフルタイム従業員が5人以下の零細企業に向けて最大9,000ユーロ(約104万円)、従業員5名から10名以下の小企業の場合は15,000ユーロ(約173万円)の支援を打ち出した。しかも、申請からほんの数日で、指定の口座に振り込みがあるという。金額や即時性など、よく考えられた支援のように思えるが、何が問題なのだろうか。

「国の即時支援の問題は、生活費に使えない点にあります。用途が限られており、スタジオや店舗などの賃料やリースの料金などにしか使うことを許されないのです。例えば、わたしはレッスンを自宅でしていて、機材なども特に使いません。わたしのような人間にとって、この即時支援はまったくの無意味です」と、エルラーは憤る。

「即時支援がだめなら半年間の生活保護が生活費をカヴァーすると言いますが、わたしたちは失業しているわけでも、仕事を探しているわけでもない。国による『職業の禁止』を強いられているんですよ!」

今回のベーシックインカムへの議論がアーティストから出てきたというのは、ある意味必然でもあった。ドイツの芸術家社会保障(KSK)の2017年の発表では、画家の作品での平均年収は12,000ユーロ(約140万円)、オペラ歌手が11,200ユーロ(約130万円) 、実験芸術家は9,100ユーロ(約105万)だという。芸術家たちは、平常時からぎりぎりの生活をしているのだ。

エルラーやメルツなど、今回のコロナ禍にあってUBIを求める人たちが望んでいるのは、日々の生活の助けとなり、3月からキャンセルが続く仕事の損失補填に当てられるお金だ。彼らの要望は、月額800~1,200ユーロ (約9万円から14万円)。半年間の期間限定である。

しかし、その最適な回答とは、UBIなのだろうか

そこから説明が続きますが、支援金が生活費に使えないとはどういうことか。Soforthilfe IIという呼び方が前に調べた時にわかっていたので、改めて調べてみます。といってもドイツ語がわからないのでGoogle翻訳頼みです。

緊急援助は、運営資料や財務費用の負債に使用できます。

緊急援助額は、(申請から)次の3か月間の申請者の明白な流動性不足から計算されます。

今後3か月の現在の収益(推定)

./。今後3か月間の継続的な物的および財政的費用

=流動性のボトルネック

費用/支払いは3か月間設定できます。

商業施設の賃貸料およびリース料(最低20%の家賃の減額は5か月間適用できます)
商業活動のための保険料
すでに延期が許可されていない限り、商業的に使用される商品および機器の利息、リース率、および返済
自動車が経済活動に必要な場合の自動車費用(保険/リース費用/負債)
人件費ではなく、取締役の給与、個人の引き出し、個人の生活費の収入や手数料の失敗の補償、健康保険の拠出などを認識することができます。

さらなる公的援助、ならびに可能な補償支払い、短時間の労働手当、税の繰り延べ、ならびに事業の中断または事業の中断などの保護からの当然の保険給付。A。主に使用され、流動性のボトルネックを計算するときに考慮されます。

生活費に使えない説明は私が太字にした個所の説明ですね。なるほどその通りでした。それに収入が少ないこともわかりました。ただそれに対して「即時支援がだめなら半年間の生活保護が生活費をカヴァーすると言いますが、わたしたちは失業しているわけでも、仕事を探しているわけでもない。国による『職業の禁止』を強いられているんですよ!」と返すのは、ちょっとまあ、極端すぎやしないかと思います。

日本に限らず、サラリーマンがもらって嬉しいボーナスですが、正式名称は「賞与」と「一時金」の2つがあります。「賞与」は会社側の呼び方、「一時金」は労働者側の呼び方です。同じものに対して異なる呼び方をするのは、こちらのリンク先がわかりやすいと思いますが、ボーナスの位置づけが違うからですね。でもそこを棚に上げることで、何はともあれ労働者はボーナスがもらえるわけです。悪く言えばなあなあですが、落としどころを探った昔の大人の知恵の産物とも言えます。名より実を取ったとも言い換えられます。名より実という言葉はドイツにはないのでしょうか。それとも名称が何より大事で、生活保護のかわりに「アーティスト保護」のような名称だったら問題にならず収まっていたのでしょうか。だとしたらそれこそ朝三暮四です。この記事だけで、日本のサラリーマンがヨーロッパのアーティストの権利意識を想像するのは困難です。

今週になって「自民が新型コロナ対策で文化・芸能支援に500億円要望 ソフトパワーを守る」という記事が出ていました。

 新型コロナウイルス対策として、自民党文部科学部会が取りまとめた「経済対策に関する重点事項」が19日、分かった。活動が困難となっている芸術家やアスリートの支援、生活苦の学生を支える新たな給付金制度の創設などを政府に求める。近くまとめる党の経済対策に盛り込む方針。

 重点事項では音楽、演劇、伝統芸能などに携わる人々やアスリートらの活動を支えるため、「活動の維持・継続と活動の再開・活性化を強力に推し進めるため、基金や地方創生臨時交付金の活用」を提起。自民党幹部は少なくとも500億円以上の財源が必要との認識を示した上で、「欧州ではペスト流行後にルネサンスが花開いた。与党としては、コロナ収束後を見据えて日本のソフトパワーを守る責任もある」と語った。
(後略)

あれだけ炎上した割にはずいぶんまとまった金額が拠出されそうな可能性が出てきました。おりしも、演劇、ライブハウス / クラブ、小規模映画館(ミニシアター)が連携した「文化芸術復興基金構想(仮称)」が提案されたところです。シアターナタリーより映画ナタリーのほうが良さそうなので引用はそちらから。

これは「SAVE the CINEMAプロジェクト」「演劇緊急支援プロジェクト」「SaveOurSpace」が連携して実施したもの。記者会見前に3団体は、3者統一要望書や署名を文化庁、文部科学省、経済産業省、厚生労働省に提出している。要望書には文化芸術団体が実施する公演や上映、ライブにともなう売上減少・経費増大に対して補填することなどを目的とした「文化芸術復興基金」創設を求める内容が記載された。また持続化給付金の継続や運用の柔軟化、さらに固定費に掛かる支出に対する給付型の支援も要請している。加えて、雇用調整助成金が早期に支給されるよう運用の是正と、各種制度においてフリーランスも対象とするよう制度の是正や柔軟化を求めた。
(中略)
劇作家で演出家の詩森ろばは、今回設立を要請した「文化芸術復興基金」とは別に「文化芸術復興創造基金」が作られたことに触れ、後者の問題点を指摘。民間から寄付を募って行うものであることと、基金という名前にもかかわらず配り終われば助成金がなくなってしまうシステムであることを挙げて要請時に話をしたと言い、「とまどいながらも『変えていかないといけないのでは』というような意思を感じられた」とコメントした。30人以上の国会議員もその場を訪れていたことを前置き、「文化は必要だと熱い演説をしていただいた」「超党派でやっていただけていると実感しました」とも述懐する。

これがどう転がっていくのかまだわかりません。私の今の意見では、文化芸術を担うのは何と言ってもスタッフまで含めた個人、また業種によってはそれを鑑賞に供するための拠点、だから支援もそこを対象に、となります。どういう形で支援が考えられているかわかりませんが、少なくとも興行を補償する形だけはとらないでほしいです。

そしてもし、この支援が実現して受取れた人が出てきて、その人が過去に海外出羽守の発言を行なっていたら、その海外の支援制度を調べて報告してほしいです。その結果、過去の発言と海外の支援実態とが間違っていたら訂正してほしいし、日本の支援制度のほうがよかったらそのことを表明してほしい。金銭的に苦しくて支援を必要としている人が声を挙げるのは通常の権利ですが、海外出羽守論法で間違った情報をもとに要求していたのだとしたら訂正は行われるべきです。早とちりで勘違いしていた人はいても、支援を要求するために確信犯で間違った情報を流していた人はいなかったと信じたい。

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