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2020年5月23日 (土)

新型コロナウィルスに関する東京都のロードマップで劇場の位置づけが明確になる

東京都から「(第382報)新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ~「新しい日常」が定着した社会の構築に向けて~の策定について」が発表されていました。新しい日常なんて大きなお世話とは言えません。劇場の再開基準についても載っているからです。

新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ」のPDFにいろいろ書かれています。劇場の位置づけはSTEP2のグループです。「2週間単位をベースに状況を評価し、段階的に自粛を緩和」と書かれていますから、国の緊急事態宣言(STEP0)では休業要請、スライド5の指標を達成して解除後(STEP1)、記載の基準を2週間達成したら(STEP2)、「劇場等→入場制限や座席間隔の留意を前提に施設の再開」で営業できることになります。一度緊急事態宣言に入ったら稽古もできないので、解除の方向ではまあまあ実用的な位置づけと思えます。

反対方向、スライド5の指標にひっかかったときには東京アラートが発動されますが、これがどうやって動くのかがわかりづらいです。想像ですが、東京都で2020年2月21日に大規模な屋内イベントの中止が発表されときのようなイメージでしょうか。この時は3週間中止だったものが、基準を下回って2週間(最低2週間プラス1日)になる。ただし小規模な劇場については各劇場、各団体の判断に任せられるような。

では開催の注意事項は何か。もうひとつのPDFである「事業者向け『東京都感染拡大防止ガイドライン』」が載っていますが、各業界の事業者がまとめたガイドラインへのリンクが基本です。QRコードまで載せて、少しでも元ガイドラインを読んでほしいという努力を感じられます。劇場の部は、先日このサイトでも紹介した全国公立文化施設協会のガイドラインへのリンクになっています。お上は万能でもなければ業界別の事情を知り尽くしているわけでもないので、そうなるのはしょうがないですよね。

むしろこれを見て、ああ業界団体はこういう風に役立つのだなと、人生で初めてといっていいくらい業界団体に前向きな感覚を覚えました。自分たちはまともな業者の団体であり、その業者の代表たちが自分たちのためにまとめたガイドラインなので信用して採用してください、と言えることがこういう状況では強い。そしてこのガイドラインが劇場に寄って上演団体の対策が不明であるという意見は前に書いて変わっていません。もし上演団体の業界があって、その団体が稽古および上演の実用的かつ有用なガイドラインをまとめていたら、セットで採用されていたはずです。ちなみにスライド7に「(例)・博物館、美術館、図書館→入場制限等を設けることを前提に施設の再開」や「(例)・劇場等→入場制限や座席間隔の留意を前提に施設の再開」と、ほかの業種を差置いて文化系施設が代表例として載っているのは、東京都が自前で多数抱えている面もありますが、文化行政の誰かがこっそり頑張ってくれたのではないかと推測します。他のメディアにこのスライドだけ引用されるときに目に触れて、多少なりとも前向きな意見が増えることを期待します。

とりあえず劇場の営業再開可能な時期は示されました。わたしはもっと大げさな対策が必要ではないかと悲観的でしたが、そうはなりませんでした。もちろん、「入場制限や座席間隔の留意を前提に」という条件を目いっぱい満たすと「ソーシャルディスタンスの客席シミュレーション写真」のようになり、興行的には営業の意味があるのかという状態になります。でもそこを、笑いの少ない演目ならもっと詰めて大丈夫とか、換気能力があるからもう少し大丈夫とか、対策をとっていた3月の公演の実績ではクラスター感染は発生しなかったとか、いろいろ説得するくらいは、上演団体が頑張ってもいいと思います。

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