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2020年5月 1日 (金)

立て続けに亡くなるベテラン役者2名

ひとりは金内喜久夫。年齢が年齢とはいえ、長期間の浮き沈みを経験した大ベテランをこの時期に失うのは老舗劇団としてつらいだろう。文学座より

訃報

文学座座員 俳優 金内 喜久夫(かねうち きくお)が、
予てより入院加療中のところ4月28日午後1時41分全身ガンのため逝去いたしました。
享年87。
生前に賜りましたご厚誼に深く感謝するとともに、ここに謹んでお知らせ申し上げます。
なお、葬儀は家族葬にて執り行われます。 新型コロナウイルス終息後に「お別れの会」を予定しております。
詳細が決まりましたら改めてご案内申し上げます。

以上

2020年4月30日

出演記録を観ると、自分が最後に観たのは新国立劇場のヘンリーシリーズかな。最後の出演作だった平岩紙との「この道はいつか来た道」は台風のスケジュール調整で見送ってしまった。こういうのは巡りあわせとしか言いようがない。

そしてもうひとりは志賀廣太郎。ドラマの降板が2回あって、復帰かなわずです。平田オリザのお知らせを引いておきます。

志賀廣太郎逝去のお知らせ

2020年4月30日

 劇団員の志賀廣太郎が、2020年4月20日午後8時20分、誤嚥性肺炎のため満71歳で永眠いたしました。2019年春に脳血栓で倒れて以降、復帰に向けて懸命のリハビリを続けてまいりましたが、かないませんでした。
 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、最後の二か月ほど、劇団員も見舞いに行けない状況が続いた中での訃報に呆然としております。

志賀さんは、1990年、41歳で『光の都』への出演ののち青年団に入団しました。
 その前年に、こまばアゴラ劇場で『カガクするココロ』を観劇したことをきっかけに、十数年ぶりに本格的な舞台に立つことになりました。
 その後、青年団の成長と軌を一にするように活動の幅を広げ、五十代に入ってからテレビ、映画に数多く出演するようになりました。
多忙な中でも、劇団を愛し、出演をしていない演目では受付の手伝いに立つなど献身的な貢献をしてきました。
 兵庫県豊岡市の江原河畔劇場の開設を誰よりも楽しみにしていたので、それを見せられなかったことが大きな心残りです。

ここにあらためて、ファンの皆様の生前のご厚誼を深く感謝するとともに、謹んでお知らせ申し上げます。

なお、ご遺族のご意向により、葬儀は4月29日に近親者のみで執り行われました。時節柄、私も出席はかないませんでした。発表は葬儀のあとというご意向に沿って、本日の告知となりました。
 また、これもご遺族のご意向により、香典、ご供花の儀は辞退申し上げるとのことです。

今般のウイルス禍収束の暁には、劇団葬として、お別れの会を開催させていただく予定でおります。詳細は決定次第、お知らせいたしますが、現状の混乱を鑑み、発表がしばらく先になること、ご容赦ください。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

 青年団代表  平田オリザ

なお、お問い合わせは、所属事務所 (有)レトルにお願いいたします。

http://letre.co.jp/

青年団の劇団事務所、こまばアゴラ劇場は現在、休業、休館中です。

大河ドラマの「いだてん」降板が2018年4月、だけど6月の「日本文学盛衰史」には出演していて、自分が観たのはこれが最後で、緊急口コミプッシュまで出した芝居だったから金内喜久夫と比べると観る側としては恵まれていた。夜の回だったけど当日券を買うために早めに行ったら、昼の回が終わった後にロビーにいてファンと話していて、ああ大丈夫だったんだと思ったのを覚えていますが、大丈夫ではなかった。

でも一番印象に残っているのは青年団ではなくナイロン100℃「ナイス・エイジ」。「ジーンズメイトが24時間営業になったから夜中の3時だけど行こう!」「行こう!」というやりとりに「そんなやつはいない」とあの声でツッコミを入れながら下半身パンツで登場した場面。そもそも41歳で、バブル全盛期の1990年なのに初期の青年団に入団するという時点で普通のセンスではない。そういう人に演じさせるに、KERA流の実に正しい役者の使い方だった。

両名に合掌。

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