新型コロナウィルスに関する公演中止のパターンいろいろ
すでに終わってしまった話ですが、今後のためのメモです。全部追いきれないので目についたところだけ。
(1)スタッフが感染して中止になったケース
東宝「ジャージー・ボーイズ イン コンサート」は「ジャージー・ボーイズ」のコンサート版として7月18日から8月5日まで上演+配信予定だった。これが初日前の7月16日に東宝関係者の1人がPCR検査陽性。出演者や接他のスタッフとの接点が少ない部署の人だったけど、7月18日から7月21日までの公演を配信だけに変更。関係者にPCR検査を実施、陰性を確認して、7月22日の休演日をはさんで7月23日から観客を入れての公演になった。
東宝が説明ニュースを削除してしまったので詳細を思い出せないけど、たしか票券管理スタッフと言っていたような記憶がある。このニュースの掲載先が、東宝のサイトではなく、開示情報サービス会社のリンクだったから最初はあっているのかなと怪しんだ記憶がある。
参考サイト。
東宝演劇部お知らせ用Twitter
同じケースが新国立劇場でもあって、演劇ではないけどバレエ「竜宮」の上演中に業務委託者1名の陽性が7月29日に確定。こちらは7月30日、7月31日の公演が中止になって千秋楽が早まった。
参考サイト。
新国立劇場「【重要】新国立劇場に勤務する業務委託者の新型コロナウイルス感染とバレエ『竜宮 りゅうぐう』7月30、31日公演の中止について」
ちなみに歌舞伎でも関係者が微熱になった。8月5日の、これは4部制のうち第3部だけが中止になったけど、PCR検査陰性がわかったので、8月6日からは再開した。これは初の4部制を組んで影響を最小限にしようと考えた松竹の方針が、いきなり有効であることが認められたことになる。4部制、役者スタッフも1部のみ参加、の方針は当面継続されそうです。すでに発表されている九月歌舞伎も同様の体制になっている。ひょっとしたら(2)のケースかもしれないけど、わからないのでこちらに入れておく。
参考サイト。
松竹「歌舞伎座『八月花形歌舞伎』 8月5日(水)第三部『吉野山』公演中止のお知らせ」
松竹「歌舞伎座『八月花形歌舞伎』 8月6日(木)以降の公演についてのお知らせ」
(2)出演者が感染して中止になったケース
日本テレビ企画製作「巌流島」が、そもそも7月31日に明治座初日で9月10日まで、東京、仙台、新潟、金沢、名古屋、高松、大阪、福岡で全国公演予定だった。このうち新型コロナウィルス騒動で東京が8月6日から8月11日に日程変更、仙台、新潟、金沢が中止になっていた。
それで進めていたところ、宮本武蔵役の横浜流星が抗原検査陽性で7月20日から入院。この時点で東京公演の中止が決定された。ところが主演の濃厚接触者として、佐々木小次郎役の伊藤健太郎も、PCR検査は陰性だったが、8月4日まで自宅待機となった。他も推して知るべしということで、7月29日に全公演の中止が発表された。
参考サイト。
ステージナタリー「横浜流星主演の舞台『巌流島』東京公演が中止に」
ステージナタリー「横浜流星主演の舞台『巌流島』全公演中止に」
スポニチアネックス「伊藤健太郎 PCR検査も陰性 8月4日まで2週間の自宅待機 舞台『巌流島』で横浜流星と共演」
公式サイト「舞台『巌流島』新スケジュール決定/チケット払い戻しのお知らせ」
公式サイト「舞台『巌流島』東京公演 中止のお知らせ」
公式サイト「舞台『巌流島』名古屋公演・高松公演・大阪公演・福岡公演中止のお知らせ」
(3)感染対策と演出が両立できずに中止するケース
帝国劇場で9月2日から9月26日まで上演予定だった「DREAM BOYS」は、もともと脚本演出がジャニー喜多川で、ジャニーズが多数出演して1-2年間隔で再演されていた演目。ボクシング場面やフライング演出などを使った公演が多かった。このため「本作の演出上の特性や新型コロナウイルス感染症の現状も鑑みて、今般の状況下では、『DREAM BOYS』の目指す本来の表現ができない」との理由で、公演が中止になった。
東宝「帝劇9月公演『DREAM BOYS』公演中止のお知らせ」
(4)関係者が来日できずに公演中止になるケース
ロベール・ルパージュの劇団であるEx Machina「HIROSHIMA、太田川七つの流れ」はカナダからの来日が難しく、7月10日から7月12日までの上演予定だったのを、5月29日で中止決定。これは出演者含めてほとんど海外のケース。
東急文化村「【重要】『HIROSHIMA 太田川七つの流れ』 公演中止およびチケット払い戻し方法のお知らせ」
これとは別に、出演者は日本人だけど演出やスタッフの一部(美術と衣装)を海外から招聘するケースだったのが同じBunkamuraの「アンナ・カレーニナ」。8月7日から9月3日までの東京公演、9月10日から9月13日までの京都公演、ともに5月29日で中止決定。
東急文化村「【重要】『アンナ・カレーニナ』 全公演中止およびチケット払い戻し方法のお知らせ」
いろいろなケースがありますけど、(2)のケースは稽古すらできないという厳しいケースで、関係者としても無念と思われます。そして(4)のケースは、DISCOVER WORLD THEATREと銘打って海外演出家に力を入れていたシアターコクーンが結構厳しそうと見ていたのですが、9月11日から10月4日までの「十二人の怒れる男」はここまで中止が発表されていないので、どうにかやりくりがついたと推測されます。
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