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2020年8月 6日 (木)

稽古場の評価指標が作れないか想像して限界があると思い至る

稽古場はカラオケボックスのようなものと書きましたが、そもそもマスクなしで近接して長時間会話する時点で、稽古場の環境条件なんて微々たるものです。が、それでも稽古中はマスクをつけたり、演出で出演者同士の距離を設けたり、飲食中の会話も自粛したり、毎日消毒もするから、なんとか稽古できないか、と嘆く演劇関係者がいると想像した場合、どういう方法が考えられるでしょうか。

消毒と換気のうち、消毒は人間の行為なので、おそらく何とかなります。今すぐとは言いませんが、おそらく年月を経て、何をどう消毒するかはノウハウが溜まると思います。急ぐなら保健所なりなんなりの専門家を、典型的な稽古場に招いて、消毒指南をしてもらい、それを文書にまとめればいいです。

換気は、環境であり設備です。巨大送風機を用意するとか、設備に対する補強は考えられますけど、たとえば窓がなかったらそれだけで限界があります。あるいは、稽古に参加する人数によって、求められる換気の能力も変わってきます。ならばせめて、その稽古場の換気の良し悪しをどうやって評価するか。

どの程度の有効度はわかりませんが、私が思いついたのは以下の2つです。

・スモークを焚いてから換気能力を全開にして排気時間を測定する

その稽古場の基本換気能力を測定する方法です。演劇関係者ならスモークを作る機材の手配はできるでしょうから、一度窓を閉めて換気を止めてスモークを充満させて、そこから窓を全開にして換気もフル稼働させて、何分で排出させることができるか。これが何分以下なら何人まで参加可能、何分以上ならその稽古場は駄目、などの指標が作れないでしょうか。何分以上、の指標は、劇場に求められる換気能力の計算方法で代替します。

この方法のいいところは、スモークが目に見えるので、換気能力が偏っている場合でも把握できることです。入口付近はいいけど奥がいまいちなら、入口付近を稽古エリアにして換気を多めにする、などの相談ができます。あるいは本当に換気能力の足りない場所なら、ここでは稽古ができないと諦めがつきます。

欠点は、スモークを作る機材の手配が有料なこと、稽古場ジプシーをする場合に稽古場ごとに測定していられないこと、事前に稽古場に相談しておかないと火事と間違われて大ごとになること、でしょうか。あと、劇場ほどしっかりした換気した設備を備えた稽古場がそうそうあるわけではないので、劇場向けの換気能力の計算方法をどのくらい割引けるのかを考える必要があります。

・二酸化炭素測定器を複数設置して二酸化炭素濃度を測定する

稽古中の換気の悪化を測定する方法です。ウィルス濃度は測定できない前提で、何を代わりに測定すればよいか。つばは呼吸の一環で飛ぶのだから、呼吸で一緒に出てくる二酸化炭素を測定することで代替できないか。二酸化炭素の測定器を複数買って、稽古場のあちこちに置いて、濃度が一定以上になったら1時間を待たずして休憩して濃度が下がるのを待つのはどうでしょう。

この方法のいいところは、値段はピンキリですが、二酸化炭素の測定器は一般にも売っていますから、入手性はよいです。あちこち持って歩けますので、一度買ってしまえば、稽古場ジプシーになっても有効です。

欠点は、測定のノウハウが難しいことです。演出家席などはいいかもしれませんが、アクティングエリアのど真ん中に置かれたら稽古している出演者の邪魔になるので、どこに置けばいいか。濃度は稽古開始前からの相対値で決めるのか、絶対値で決めるのか。日によって出演者やスタッフの人数が変わる場合にどのように値を見ればいいのか。

・3つ目

うまくいったら稽古場ミシュランでも作れないかと、せめて3つくらいは思いつきたかったのですが、2つしか思いつきませんでした。まあ、頭の体操です。そもそも窓がある稽古場でも、開けたら外の相応がうるさい、自分たちがうるさいと外から苦情が来る、という場所もあるでしょうから、開けられるとは限りません。評価指標作成の道のりは遠いです。

新国立劇場のガイドラインは、完全自前の稽古場があり、それをメンテナンスする人たちもいればこそ、稽古場ごとの対策も具体化可能でしょう。今読んだらこれでも粗いと感じたので、ひょっとしたら、これより細かい現場担当者向けチェックリストみたいなものを作っているかもしれません。そしてそういう稽古場を長期間継続して借りられるならまだしも、自分たちが借りた、稽古場にも使える貸スペースでどの程度の対策が実現できるかというと、やはり難しい。

余談ですが、稽古場の評価方法や消毒方法が必要なら、それをまとめるのは業界団体の役目だと思います。やっている情報があるなら教えてほしいです。ただ、劇場の団体はあっても、稽古場を持っていない規模の劇団の業界団体はそもそもないでしょう。自前の稽古場を持つ大手団体が、独自で評価して対策を練ることはあるでしょうが、一般的な貸スペースに対する評価を検討している例はないと推測します。

<2020年10月23日(金)追記>

その後に調べたらまとめられました。間違っていたのは稽古場単体を評価しようとしていたことです。三密は人間同士の話なので、この稽古場ならこの条件まで大丈夫、という形でまとめる必要があったことに気が付きました。

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