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2020年9月27日 (日)

劇場の換気について劇場から説明が出る

暫定緩和で劇場では観客席の制限がほとんどなくなったことを受けて、ガイドラインの改定が相次いでいます。緊急要望を出していた団体でもある公益社団法人全国公立文化施設協会が「劇場、音楽堂等における新型コロナウイルス感染拡大予防ガイドラインの改定」を行なっています。

新旧対照表がないので改定されたガイドライン本文を斜め読みしたところ、5月のガイドラインよりも記載が整理されており、なるほどこれだけ書直したら新旧対照表をつけるどころではないのはわかりました。その中に、劇場の換気についての説明が新たに掲載されていました(一部文字化け修正)。

③マイクロ飛沫感染防止策
 劇場、音楽堂等の公演会場における空気調和設備の機能や方式は、施設形態や建設年代により様々ですが、基本的にはいずれも各種法令等により規定の設備が設置(※)されています。この機能を十全に運用し発揮することにより感染防止を図ってください。
・空気調和設備の適切な点検を定期的に行い、施設が興行許可を取得した際の換気機能(会場内は一人あたりの換気量20m^3/時)を確保してください。
・空気調和設備の適切な運用により、効果的な循環量や換気量(吸気量に対して20~30%以上の外気)を確保してください。
・施設内は、空気調和設備の運用に加え必要に応じて各所の窓や扉の開放等により自然換気を図ってください。

※劇場、音楽堂等の公演会場における空調設備の特徴として、会場に静音性が求められることから空調機が離れて設置されており、間を長いダクトでつなぎ途中に消音器やフィルターが挟まっています。空調機に吸引された空気は、外気20~30%と混合されて、温度調整されて会場に戻されます。法規等で定められている一人あたり20m^3/時は外気分の量であり、全体の空調量としてはその3~5倍が循環しています。仮にマイクロ飛沫が発生しても、吸引されてダクト等を経由する中で、ダクト内のフィルター等に付着し、また希釈されるので、再び戻されるときには、感染リスクは低くなっているものと想定されます。また、一人あたりの空気の循環量としても一般のオフィスや病院等を上回るものがあります。

以前書いた換気の話が、劇場の設備と合わせて説明されています。1時間で2割から3割の空気が新しくなるなら、閉め切った状態だと3時間半から5時間で新しい空気に入替ります。呼吸されて空気が古くなっていく中で新しい空気の定義は何かと言われると難しいですが、私の理解を言葉にするならそういう表現になります。劇場全体では温度湿度調整のため今ある内気(と仮に呼ぶ)を再利用して混ぜて換気していますが、とにかく、外気を常に入れています。外気を取入れる量は以前書いた換気の話にまとめた通り法律で決まっていて、新国立劇場小劇場だと1時間で3回転できるくらいの外気が導入されている。私の再確認した理解を言葉にしなおすとこういう表現になります。

あとは休憩でロビー換気した分がどういう扱いになるかで、ひょっとしたら劇場が小さいとむしろ悪化する可能性がないかが気になりましたが、今回は割愛します。

実際には、フィルターの目の細かさと新型コロナウィルスの大きさとどうだとか、どこから吸ってどこから吐くのかによってマイクロ飛沫の広がり方も違うだろうとか、突っ込みは考えられます。前から知りたかった情報がようやく出てきたという感想ですが、欲を言えばこれは5月のころに出せるとよかった。

ただし、これだけの設備があるにも関わらず、クラスターが発生した実績があります。握手をした観客だけでなく、出演者もスタッフも陽性になっていますし、私もいろいろ推測はしましたが原因の特定には至っていませんし、原因が公表されてもいません。劇場本体の換気設備だけが充実していても不十分であることは、上演側も観客側も肝に銘じて、上演側はできる限りの対策を取ることを、観客側は観に行くからにはできる限り対策に協力することを、継続していくべきです。

<2020年10月11日(日)追記>

換気の話を読んでいたら読み間違えていることに気が付いたので訂正します。室内の空気をどれだけ再利用しても、とにかく外気の確保量が決まっていたらそれは入替ると考えてもいいはず。

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