松竹製作「四月大歌舞伎 第三部 桜姫東文章 上の巻」歌舞伎座
<2021年4月10日(土)夜>
僧侶である清玄と稚児の白菊丸が江ノ島で心中を図るが、先に飛込んだ白菊丸の後を追えずに清玄が生き残ってしまう。17年後、高僧となった清玄は、不幸が続く名家の17歳の娘である桜姫の出家の相談に呼ばれる。生まれつき左手が開かない桜姫に清玄一行が読経すると左手が開くが、そこで出てきたのは心中のときに白菊丸と交わした香箱で、清玄は白菊丸の生まれ変わりが桜姫だと信じる。そこに、桜姫との縁組を求める悪五郎が言い寄るが、とんでもないことと女中に断られたため、何とかするために悪党の権助を桜姫への使いに立てる。
下の巻は6月公演にお預けで、今回は上の巻として前半。この後、権助が実は桜姫を以前強姦していたが、そのときのことを桜姫は忘れられず権助を思い続けて出家を待つ身なのに不義を働き、その相手が清玄だと誤解される、と続く。上の巻の展開だけ見たら桜姫はさっさと首をはねてもいいくらいの身勝手な役で、そこを納得させるのが役者の腕の見せ所だけど、玉三郎が頑張った。
というか、上の巻だけを観た範囲では筋を追ってもしょうがない。それより、権助と桜姫の不義の場面、玉三郎と仁左衛門の色気が全開で、70歳以上でここまでできる歌舞伎役者やばい。仁左衛門は清玄と権助の二役だけど、悪い権助のほうがいろいろ似合っていた。
実はいろいろあって冒頭の数分を見逃したので心中で飛込むまでのやり取りを聞き逃したのだけど、まあしょうがない。なんか荒唐無稽な雰囲気があるので、続編の下の巻に期待。新型コロナウィルス対策メモは第一部に書いたので省略。
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