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2021年6月 6日 (日)

劇団、劇場系の研修所カリキュラムを眺めてみた

大学や短大以外だとどんなもんなんだろうかと、なんか思いつきで調べました。心当たりで見つかったのは4つです。

文学座附属演劇研修所

本科1年、研修科2年の3年制です。ただし本科から研修科の間で選考があります。役者としてまずは必要な演技と、和事の知識を本科で詰めこんで、いけそうな人間だけを研修科で鍛える、というスタイルでしょうか。演出家を常に複数抱える文学座なだけに、演出部や制作部もあるみたいですが、そちらの詳細は載っていません。

月曜日から土曜日まで週6日ですが、10時30分から14時までの昼間部、18時から21時30分までの夜間部に分かれます。応募資格は18歳以上で経験不問。費用は入所金7万円、授業料年間24万円(1期6万円x4期)、実習費年間22万円(ただし演出部と制作部は免除)です。

新国立劇場演劇研修所

役者特化の3年制です。2年次までは研修、3年次で発表です。いろいろな授業が用意されていますが、今の目で見ると、演技を学ぶ感じではありませんね。脚本が求める声を出せるような身体の使い方を学ぶために、カリキュラムが組まれているように読めます。それが演技だろと言われたらその通りなのですが。

月曜日から金曜日まで週5日、10時から18時です。応募資格は満18才以上、満30才以下。費用は授業料が年間237,600円、ただし3年次は年額118,800円です。特筆は2年次以降に奨学金月額60,000円支給があり得ることですが、条件不明です(全員だったような気もしますが、失念)。

座・公演時劇場創造アカデミー

基礎課程1年、専門課程1年の2年制です(講義聴講に特化したコールもあり)。1年目は共通で、2年目は必修科目以外に、役者と演出と劇場環境とで一部がわかれるスタイルです。役者以外に劇場環境というコースが目新しいです。

月曜日から金曜日まで週5日、10時から15時です。応募資格は見つけられませんでした。費用は入学金5万円、受講料年間30万円です。杉並区民だと1年目の受講料20%免除もあります。

宝塚音楽学校

未だにわかっていませんが、宝塚歌劇団のための育成学校が宝塚音楽学校、でいいのかな。さすがにしっかり組まれています。予科1年、本科1年の2年制です。発声はボイストレーニングがありますが、他に声楽と合唱があります。他では必須の日本古典も、日本舞踊はやっても能狂言はなくて、その分をバレエとモダンダンスに充てています。ピアノや譜読みまで入っています。唄って踊れる基礎を2年でがっちり仕込む、演技は最低限だけやって後は歌劇団で、という強い意志を感じるカリキュラムです。女性ばかりの劇団で花の盛りに技術を間に合わせるという都合もあるのでしょう。高卒資格取得のための授業があるのも、若年から入学する生徒向けの特徴です。

月曜日から土曜日まで、9時から、日によって16時20分または18時05分まであります。応募資格は16歳から20歳まで。費用は入学費用48万円、授業料月額5万円の2年間120万円、他に修学旅行積立金や教材購入費など。さらに通学できない生徒は入寮必須で寮費が月額1万5千円です。

とりあえず4つの紹介ここまで。

こうやって並べてみると、歌劇団という出口がはっきりしているとはいえ、宝塚は異色です。他は何もない人間に一から教える想定ですが、宝塚のカリキュラムを何もない人間が2年でこなして身に付けられるとは思えません。バレエでもピアノでも、何かしらはやってきた家庭の子女が対象のように読めます。実際そうでないとインプットが追いつかないのでしょう。費用もなんだかんだで2年で200万円を超えますが、2年で最低限、ものになってもらうための環境と関係者の費用という現実面、冷やかし防止面、両面で設けたハードルかと思います。

なら他のカリキュラムなら身に着くのかよと言われたら言葉に詰まります。が、他は出口がはっきりしていない代わりに、人生の長期戦として戦うための基礎を身に付けさせようとしているように読めます。そこは関係者のキャリアも関わっているのでしょう。いろいろ苦労して生き延びてきた経験が、これを早期に身に付けさせたいというカリキュラムになったのかなと想像します。人生経験も影響する職業ですし。

ところで、とりあえず役者に絞ってどこがいいのかと聞かれても、困りますね。今は活躍する有名人と同じ場所で学んで同じことが身に着くかといったらそんなこともなく、しかも活躍どころか生活が保証されているわけでもないのが役者です。さらに合う合わないの相性の問題もあります。趣味の習い事でも講師との相性が出てくるのに、表現系の職業だったらなおさらです。これはもう、本人が自分で調べてどうにかするしかありません。最後は運です。

ただ、かれこれ見比べると、初心者が演技に結びつけるための発声と身体の基礎を習得するだけで、だいたい丸2年は必要という目安は共通認識だと読取れます。そこをセンスで最初からできる人がいて、凡人には困ります。そのセンスある人は例外とすれば、熟練の講師陣が長年の経験に基づくカリキュラムを試行錯誤した結果、だいたいそのくらいは必要なのでしょう。

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