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2021年6月27日 (日)

世田谷パブリックシアター企画制作「狂言劇場 『武悪』『法螺侍』」世田谷パブリックシアター

<2021年6月26日(土)昼>

Aプログラム。病で出仕できぬ日が続いたため主人の勘気から武悪を討つように申し渡された太郎冠者、幼いころより苦労を共にした相手だけに討つに討てず、討ったことにして見逃したが、逃げる途中の武悪が主人と会ってしまい幽霊としてごまかそうとすると「武悪」。素行の悪さから浪人に落ちぶれ金もないが女遊びに目がない洞田助右衛門、商人の妻2人への恋文を太郎冠者と次郎冠者に届けさせるが主人の横暴に耐えかねた2人が届け先の妻たちにばらしてしまう「法螺侍」。

「武悪」。腕が立つ武悪をだまし討ちしようとするも討つに討てない前半から、幽霊扱いされている武悪が主人に適当なことを言い出す後半まで、「武悪」はいかにも狂言らしい狂言。台詞をちゃんと聞き取れたか微妙だけど、幼いころより2人で頑張ってきた趣旨の台詞があったはずで、そこは太郎冠者の野村太一郎と武悪の野村万作が歳が離れすぎて見た目が苦しかったのだけ難だけど、軽く楽しめる。

野村太一郎の太郎冠者が顔も体も堂々とした押出しの一方、石田幸雄も主人らしい主人で貫禄十分だけど、出ていた3人の中で一番動きが決まっていたのが武悪の野村万作という芸能の謎。長年の動きが身体に染みこんでいるいるのもあるだろうし、歌舞伎の踊りを観たときにも思った、昔からの型や振付は昔の人の体形でちょうどよくなるように作られているのも理由のひとつだろうけど、それにしたって90歳であそこまでできるとか人類すごくないか。

「法螺侍」。シェイクスピアの「ウィンザーの陽気な女房たち」を狂言に仕立てた一本。「まちがいの喜劇」を元にした「まちがいの狂言」よりもこちらのほうが1年早いらしい。鳴物でも遊べるところが新作狂言のいいところ。もとは野村万作が洞田助右衛門のところ、今回から野村萬斎にバトンタッチ。元がシェイクスピアなので筋に心配はなく楽しめる一本。

素行が悪いのではなく人生を楽しみ尽くしたいため結果周りにはそう見えてしまう主人公なのかなと台詞からは感じた。けど、いかにも素行が悪くて家来からもとっちめられそうな役作りに見えてしまうのは野村萬斎らしい。見えるというか粘りっ気の強い声がそう聞こえさせてしまう。この「人生を楽しみ尽くしたい」という考えからくるいい加減さは、今の世の中に減っている、非常に求められている心持なので、ここはもう少しおおらかさを優先するように工夫してほしかった。全体に、やや不慣れな印象があったけど、キャスティング変更の影響か。

この日はアフタートークありだったけど、万作と石田幸雄以外全員出ていたのかな。司会の萬斎のほかに6名出ていて、全員に話を振るので精一杯。演じているときとは違って野村裕基は声が萬斎そっくり。野村太一郎は「万作に師事して」という趣旨の発言があったので気になって調べたら、万作の兄である野村萬の孫だけど「本来なら襲名する立場にあった六世万之丞を従弟の虎之介(九世万蔵の長男)が襲名することになり、萬狂言を離れ父の従弟・野村萬斎に師事を替える」とWikipediaにあった。古典の世界は大変だ。

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