座・高円寺企画製作「アメリカン・ラプソディ」座・高円寺1
<2021年12月19日(日)昼>
ユダヤ系ロシア人の移民の息子として、貧しい生活からピアノと作曲の腕でアメリカを代表する音楽家となったガーシュイン。数多いたガーシュインのパートナーの一人である女性作曲家と、同じユダヤ系ロシア人としてガーシュインの理解者だったバイオリニスト、友人だった2人の手紙のやり取りを通して描かれるガーシュインの生涯。
多少は立って動きもあるけど、脚本は手にもって、朗読で交互に手紙を読んで進める「ラヴ・レターズ」形式。そこにピアニストが入ってたくさんガーシュインの曲を弾き、歌入りの場合は作曲家役が歌う。
時代背景もあり、実際にガーシュインが行なった活動もあって、よく聞いていると差別に対する抗議を込めた場面も多々ある、穏やかならざる脚本。最初は翻訳モノだと勘違いしていたけど、後で見返したら斎藤憐だった(この劇場の館長も務めていました)。ただし今回はそこには踏込みすぎず、最後の曲だけ少し力を入れて弾いていたくらいで全体にはフラットに、ガーシュインの功績と曲を紹介することをメインにした演出。ほどよい規模の空間にピアノと歌で、休憩を挟んで2時間10分のおしゃれなコンサートを楽しんだ気分。
秋本奈緒美の歌も上手かったし、田中美央も抑え気味にすすめて好印象。不思議だったのは佐藤允彦のピアノ演奏。鍵盤の見える席だったけど、軽く弾いているのにザクザクとした荒っぽさと整った印象とが両立してさらに音色がカラフルで音の情報量が多い、目と耳が一致しない演奏だった。あれは腕前なのかピアノ(Shigeru Kawaiって河合ですね)なのか両方なのか。曲は素直に楽しんだけど、音色の謎はわからなかった。
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