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2022年5月31日 (火)

日本総合悲劇協会「ドライブイン カリフォルニア」下北沢本多劇場

<2022年5月28日(土)夜>

毎年の竹神様の祭が唯一の楽しみである田舎の、さびれた食堂兼ホテルの「ドライブイン カリフォルニア」。経営者の妹が離婚して中学生の息子と戻ってきた。その息子が事故で死んでしまうが、成仏する前に幽霊となって、母が店で働いていたころからの店と家族の歴史を辿る。

粗筋だけだと何とも味気ありませんが、2004年の再演版を楽しんだ観客として今回も楽しめました。松尾スズキの代表作のひとつに数えられるべき素晴らしい芝居です。出だしが若干固かったけど、途中から乗ってくる大人計画の面々と、大人計画以上に大人計画っぽい熱演のゲスト達とが一体となって繰広げる、悲劇と喜劇の混在や、小劇場感とプロ感の両立。特定の役者やスタッフパートを取りあげるのが忍びない、全方面に底が高い仕上がり。

2004年当時は純粋に笑える場面で笑って、感動する場面で感動していました。今回少し違う感想として、この脚本は誰かを悼む心情で書かれたのではないかと思えるような、追悼の情を照れ隠しの笑いで覆った弔辞のように見える場面が度々ありました。いやまあ、幽霊が振返る設定だし、日本総合悲劇協会名義だから、そう見えて不思議ではないのですけど。役者の熱演ゆえでしょうか。

休憩なしで2時間15分。いい芝居には短時間で密度濃く描くものと、長時間経ったことに気が付かないものとがありますけど、これは後者です。新型コロナウィルスの中止とか起きずに千秋楽まで走りきれることを願います。

2022年5月23日 (月)

伝わることに関する具体的な例

謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」ってエントリーを引用したばかりですが、そうしたらちょうどこんなTwitterを見かけました。

ビニールタッキー@vinyl_tackey

金ローで『ローマの休日』を初めて見た妻の発言集「セリフが超少ないのに全部伝わる」「今のドラマとかアニメの1話分ぐらいしかセリフがないのに」「信じられないほどの美女と美男だった」「ギャグとかいっぱいあるのに粋」「久しぶりに「これが映画だ」と思う映画を見た」

午後10:12・2022年5月16日

メッセージのないエンターテインメントだって極めればここまで行けるわけですよ。エンターテインメントだからこそ手練手管を駆使して「セリフが超少ないのに全部伝わる」とか実現してほしいのですよ。メッセージを持たせたいからといって全部台詞で言わずに伝える努力をお願いしたいのですよ。

みたいなことを思いました。数ある映画の中でも今もって鑑賞に堪える傑作中の傑作だからと言われればそれまでですし、メッセージのない粗筋の簡単なエンターテインメントと言われればその通りなんですけど。

ちなみに似た映画枠では「アパートの鍵貸します」も推したいです。

イキウメ「関数ドミノ」東京芸術劇場シアターイースト

<2022年5月22日(日)昼>

自動車事故の再調査で保険調査員に集められた関係者たち。自動車が歩行者をはねたはずなのに、歩行者は無傷で自動車が大破、助手席の同乗者が瀕死の重傷となる。関係者の証言を再確認しても原因は不明のまま。話が行き詰って大半の関係者が帰ったところで、目撃者の一人が仮説として提案したのが「ドミノ理論」。世の中には願いが何でもかなう人間が存在し、その願いが通常は月や年単位でかなうところ、今回は思った瞬間に願いが叶う「ドミノ1枚」現象だったのではないかという。提案した目撃者はこの仮説を確かめるためにある手段で検証を開始する。

2014年の再々演2017年の別企画公演に続いて3度目。今回はちょっと仕上がりが粗かった。もともと多少のことは気にならないよくできた脚本だから、過去の脚本で古くなったところやつじつまが不明だったところを手直ししたものの、ほぼそのままです。一番の違いが新しくオープニングとラストを追加したことで、これがいろいろ悪手。普通の人は観て楽しめますが、私には残念でした。以下、ネタバレにならないように配慮した拗らせたメタな感想ばっかりです。観てない人にはまったく参考になりません。

新しく追加されたオープニングとラストは、芝居の解釈の余地を残さない直球のメッセージ。もともとこの芝居は寓話らしさが魅力のひとつで、ラストの異なる2014年版でも2017年版でも余韻が残りました。今回この台詞を受持った安井順平はメッセージを担う十分な出来でしたし、芝居全体の造りもより誤解なくソリッドになっていましたけど、余韻は全部飛びました。ああ、これが「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきてる」ことへの対応の実例なんだと合点がいきました。

演劇は観ている側の想像力も試される余地の大きい表現形式でもあり、だけど生身の人間が目の前で演じることで多少の不明点も何となく通じるところが他の表現形式にはない武器のひとつです。演者と観客との間に第三の舞台が立ちあがるというアレですね。なのにここまで言う。今回は観客の想像力を信じるのを止めたんだと思いました。観客の反応を探る実験なのか時代への対応なのかはわかりません。

メッセージを追加した賛否について1日考えましたが、アリかナシかで言われればアリですけど、好きか嫌いかで言えば嫌いです。ただ、以前の脚本をそのまま上演したら、おそらく好きだけど古いという感想になったはずです。わがままな観客ですね。上演自体を古臭く感じさせないためのアップデートとしては必要だったのかなと思います。難を言えば、メッセージを出す側のポジションが曖昧でした。オープニングの親や教師や上司にっていう台詞、上演側の人たちもすでにそちら側の立場に入っていておかしくない年齢であり、自分たちをどういうポジションに置いてこの台詞を書いたのかは気になりました。

そして、直球メッセージの副作用として、お前らどうなんだというのが出てしまった。初演のころには特に気にせずに書いたであろう設定に、年月が追いついてきた。結果、この追加したメッセージに胸を張ってイエスと言える出演者がどれだけいるかという話です。新型コロナウィルスで公演中止も経験した後ならなおのことです。

それかあらぬか、本来なら劇団員も脚本の設定に近い年齢になって演じやすくなっているはずですが、今回はなんかチグハグ感の残る舞台でした。幕が開いて1週間経っていないといえばそうですが、それにしても仕上がりが悪い。さすがに演出家がもっと磨いておいてほしかったです。ここで話は飛んで、メタな感想もいいところですけど、これが精一杯なら劇団が解散するかもと想像しました。

役者では安井順平と温水洋一、たまに太田緑ロランスがいい感じでした。役でいうと小野ゆり子は、アップデートされたつじつま合わせの中で終盤の説得力の要なので、もう少しがんばってほしかった。後半の浜田信也と盛隆二のかけあいが今回好きな場面で胸を打つものがあって、決して上手くないものの成立させるために上手さだけではなく思いも要求されるところ、あんなやり取りが場面として成立するところが演劇だよなと観終わってから思いました。

2022年5月19日 (木)

売れっ子のダブルキャストが仇になった「千と千尋の神隠し」の一部公演中止

東京公演の後で大阪を経て博多公演中ですが、新型コロナウィルスで一部公演中止だそうです。久しぶりに追ってみます。劇場である博多座の発表からです。

最初は「一部公演中止(5/17)のお知らせ」。

※5月17日(火)11 時45 分掲載

お客様各位
2022年5月17日
株式会社博多座

舞台『千と千尋の神隠し』博多座公演
一部公演中止のお知らせ

平素より博多座にご愛顧を賜りまして、誠に有難うございます。
博多座5月公演『千と千尋の神隠し』につきまして、公演関係者の新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されました。
つきましては、5月17日(火)12:00/17:00 の公演を中止とさせていただきます。
なお、5月18日(水)以降の公演につきましては、改めてご案内申し上げます。
ご来場を楽しみにされていたお客様には、大変なご迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。

<中止となる公演>
・5月17日(火)12:00 開演の部
・5月17日(火)17:00 開演の部

ご入場券をお持ちのお客様には払戻しを承ります。詳細につきましては、決定次第博多座HP にてご案内いたします。
また、5月18日(水)以降の公演に関しましては、改めてご案内申し上げます。
なお、個人のプライバシーにかかわるお問合せに関しましてはお答え致しかねますので、ご理解ご了承いただきますようお願い致します。

次が「一部公演中止延長(5/17~19)のお知らせ」。

※5月17日(火)15時30分掲載

お客様各位
2022年5月17日
株式会社博多座

舞台『千と千尋の神隠し』博多座公演
一部公演中止のお知らせ

平素より博多座にご愛顧を賜りまして、誠に有難うございます。

博多座5月公演舞台『千と千尋の神隠し』につきましては、既にお知らせしております通り、公演関係者の新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されましたことから、急遽本日中止とさせていただきました5月17日(火)2公演に続き、5月18日(水)12:00と19日(木)12:00の公演をやむを得ず中止とさせていただきます。

ご来場を楽しみにされていたお客様には、大変なご迷惑をお掛けすることとなり、誠に申し訳ございません。心よりお詫び申し上げます。

<中止となる公演>

・5月 17日(火)12:00開演の部
・5月 17日(火)17:00開演の部
・5月 18日(水)12:00開演の部
・5月 19日(木)12:00開演の部

ご入場券をお持ちのお客様には払戻しを承ります。詳細につきましては、決定次第、博多座HPにてご案内いたします。

なお、5月19日(木)17:00開演の部以降の公演につきましては、5月18日(水)16:00以降に改めてご案内申し上げます。

なお、個人のプライバシーにかかわるお問合せに関しましてはお答え致しかねますので、ご理解ご了承いただきますようお願い致します。

そして本エントリーを書いている時点で最新の「今後の公演について」になります。

※5月18日(水)16時55分掲載

お客様各位
2022年5月18日
株式会社博多座
舞台『千と千尋の神隠し』博多座公演
今後の公演について

平素より博多座にご愛顧を賜りまして、誠に有難うございます。
博多座5月公演舞台『千と千尋の神隠し』につきましては、公演関係者の新型コロナウイルス感染症の陽性反応が確認されましたことから、5月17日(火)~19日(木)12:00開演の部を中止とさせていただきました。
公演再開に向けて、改めてその他の公演関係者全員のPCR検査を実施したところ、全員の陰性が確認されましたので、所轄保健所のご指導、また医療機関の監修もいただいて、関係者とも協議の上、5月19日(木)17:00開演の部から公演を再開いたしますが、やむを得ず5月22日(日)12:00開演の部、25日(水)12:00開演の部の2公演は中止とさせていただきます。
なお、24日(火)17:00開演の部と26日(木)12:00開演の部の千尋役は、橋本環奈に代わり上白石萌音が務めさせていただきますので、何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。

当該公演を楽しみにお待ちいただきましたお客様には心よりお詫び申し上げますと共に、何卒ご理解の程心よりお願い申し上げます。

<実施する公演>
・5月 19日(木)17:00開演の部
・5月 20日(金)12:00開演の部
・5月 21日(土)12:00開演の部
・5月 21日(土)17:00開演の部
・5月 24日(火)12:00開演の部
・5月 24日(火)17:00開演の部【千尋:上白石萌音】
・5月 26日(木)12:00開演の部【千尋:上白石萌音】
・5月 26日(木)17:00開演の部
・5月 27日(金)12:00開演の部
・5月 28日(土)12:00開演の部
・5月 28日(土)17:00開演の部

<中止となる公演>
・5月 17日(火)12:00開演の部
・5月 17日(火)17:00開演の部
・5月 18日(水)12:00開演の部
・5月 19日(木)12:00開演の部
・5月 22日(日)12:00開演の部
・5月 25日(水)12:00開演の部

ご入場券をお持ちのお客様には払戻しを承ります。詳細につきましては、決定次第、博多座HPにてご案内いたします。

なお、個人のプライバシーにかかわるお問合せに関しましてはお答え致しかねますので、ご理解ご了承いただきますようお願い致します。

「個人のプライバシーにかかわるお問合せに関しましてはお答え致しかねます」と言われても、中止になった公演は全部橋本環奈の回ですから、陽性反応が出たのは橋本環奈ですね。事務所でも発表しています

2022.05.17
弊社所属 橋本環奈 新型コロナウィルス感染に関する御報告

弊社所属タレント橋本環奈が新型コロナウイルスに感染していることを確認いたしましたのでご報告申し上げます。
本日早朝から喉に変調をきたし声が出づらい状態であったのでPCR検査を実施した結果、陽性であることが確認されました。現時点での症状は幸いな事に軽症で熱も有りません。今後につきましては、保健所の指導に従い一定期間、療養及び経過観察いたします。

この状況を踏まえまして現在博多座にて上演中の「千と千尋の神隠し」についても本日からしばらくの間降板させて頂き、その後については体調、主催者等と相談の上、再度の出演日を決定し発表させて頂きます。公演を楽しみにしていらした皆様方、関係各位、日頃お世話になっております皆様方には御心配、御迷惑をお掛け致します事心よりお詫び申し上げます。

また以降の博多座における上演スケジュールについては博多座のホームページ等で御確認頂けますようお願い申し上げます。

2022年5月17日
株式会社ディスカバリー・ネクスト

新型コロナウィルスはどこでどうなるかわからないからしょうがない。クラスターを発生させたら目も当てられないので、正直に公表されるのはいいことです。養生してほしい。私が興味があるのはこういう決定のときに裏で関係者がどう動いたかです。

17日の早朝で体調が悪く、特急で検査して陽性。当日でどうにもならないから取急ぎ中止を決めて案内を書いて掲載。12時開幕(開場ではない)なのに案内掲載時刻がぎりぎりの11時45分なのが、読んでいるこちらまでドキドキします。劇場前でロビースタッフ総出でごめんなさい中止ですの案内もしていたかもしれません。あわせて関係者のPCR検査を手配ですね。

とりあえず他のダブルキャストを含めたPCR検査の結果が17日の十分早い時間にはまとめられなかったであろうことと、後述しますがおそらく水曜日は上白石萌音はとっさには動かせない仕事が入っています。そのための移動手配も考慮すると、あるいはスケジュールの連続ぶりを考慮して、18日と19日は無理であることが17日の昼にはわかって、その日のうちにこの19日までの公演中止を決定して調整時間を確保。

今は待機期間が短縮されて最短だと検体採取日を0日目として10日目まで待機です。橋本環奈が17日に検査して陽性なら27日まで待機になります。この間のキャスト表を見ると、17日昼夜に加えて、18日昼、19日昼、22日昼、24日夜、25日昼、26日昼が橋本環奈の回です。

上白石萌音の事務所は主催の東宝と同じ系列の東宝芸能だから、この中止回のうち22日以降の分をいろいろやりくりして、24日と26日は都合をつけたけど、22日と25日はどうにも動かせない、あるいはやりくりした都合を押込んだため、その2ステージも中止を決定。みたいな経緯と推測します。

ついでに書くと、博多公演はあと28日博多千秋楽昼が橋本環奈の回ですが、もともと27日昼と28日夜が上白石萌音の回なので、橋本環奈の症状が長引いたときのために27日昼の後も待機するよう上白石萌音のスケジュールを確保しているはずです。博多の次は6月6日から札幌ですが、さすがにそこまでには快復するでしょうから、今のところ万が一のシミュレーションだけやって予定通りでしょう。

公演スケジュールを調べていましたが、東京公演だとほぼ1ステージごとに上白石萌音と橋本環奈が交代で入っているんですよね。大阪も比較的そんな感じです。博多の後半、ちょうどこの週以降からは、月火水は橋本環奈が出演、木日は上白石萌音が出演、土は片方ずつ出る、金はその時次第、みたいになってきます。札幌の後の名古屋も、博多の後半スケジュールに似ています。

推測の推測ですが、制作側というか事務所側は稽古からGWまでが芝居優先期間の一区切りで、そこからあとは芝居以外の仕事を入れられるようにスケジュール調整していたのだと思います。売れっ子に4か月も舞台に専念させたらあがったりですし、映像の仕事だとあまりスケジュール調整に無茶は言えない。だから移動も考えて何曜日か固まる形でスケジュールを割振っていたら、それが仇になったのでしょう。

ダブルキャストやトリプルキャストは、複数役者の組合せで役者狙いの客の範囲を広げたり、別キャスティングを見たくなるリピーターを狙うという営業上の理由が第一です。でも、ひとりがダウンした場合の代役を用意する制作上の狙いもあります。ところが今回は売れっ子同士をひとつの役にあてた。ツアーでプレビューから4か月以上も公演する芝居の主役だから営業上そうせざるを得ない。あるいはそのくらい長期公演にしないとペイしないくらい原作の存在感が大きい。やっている側がわかっていないわけはなくて、そこはリスクを天秤にかけて決めたけど現実化してしまった。挑戦して前向きに転んだとはいえ、制作の苦労は果てないものです。

橋本環奈はここまでCMと映画でがっつり働いていますが今年はテレビのレギュラー1本なので、今後も見据えて初舞台挑戦にスケジュールを確保していたと思いますが、うまくいかないものです。

そして上白石萌音のスケジュールを調べてみました。

朝ドラは、2021年3月末から朝ドラ「カムカムエヴリバディ」クランクイン、2021年12月末までに同クランクアップ、2022年2月中旬に追加撮影、でした。

舞台は2022年2月28日から7月4日まで「千と千尋の神隠し」だから、この稽古がおそらく1月終わりからです。その直後に東京、大阪、東京の順で8月14日から8月31日までミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ」。日程を考えるとこの稽古が「千と千尋の神隠し」の千秋楽直後からになりますが、歌の稽古は早めに始めているかもしれません。

なのに音楽ライブ「yattokosa」がそのミュージカル稽古期間のはずの7月16日、7月21日、8月6日、8月11日に4ステージ、順に沖縄、北海道、岡山、東京と入っています。音楽ライブがどのくらい事前稽古するものかわかりませんが、芝居の稽古と並行でこれをやるのはすごい話です。

さらに並行してテレビで毎週レギュラー放送の1時間番組「世界くらべてみたら」でMCをやっていて、もうひとつ5分番組だけど「風景の足跡」のナレーションもやっています。調整の付かなかった日曜日か水曜日にはこれらの収録が入っていたものと推測されます。おそらく水曜日が収録のために固定確保されています。日曜日は後ろの日程を見る限り固定確保されているわけではないので、何かCM撮影のような単発だけど動かせない仕事だったのではないでしょうか。

つまり2021年3月末から2022年8月末まで1年5か月ほぼ休みなしです。これぞ売れっ子スケジュール。新型コロナウィルスにかかっている暇がありません。この後は2023年3月と4月にミュージカル「ジェーン・エア」があることが公開されています。稽古がおそらく2月から。ミュージカルだと歌のレッスンでもう少し稽古が早くなるかもしれない。となると2022年9月から12月まではレギュラー番組を除いて休養期間になりそうですけど、何か仕事を入れるにはちょうどいいですよね。冬の連ドラとか年末の舞台とか。未発表の仕事がなにか隠れていそうですが、はたして如何に。

ここまで書いてきて気になったのは、これが新型コロナウィルス前だったらどうなっていたのかです。おそらく橋本環奈が点滴を打って予定通り上演だったでしょう。そして今もし上白石萌音が過労になったら、やっぱり点滴を打ってショーマストゴーオンでしょう。新型コロナウィルスにかかったほうが労わってもらえるという、なんだか不思議な形です。他に労わってもらえる状況としてはメンタルがやられた場合くらいしか思いつきませんが、その場合はまとめて降板でしょう。神経の太さも含めて、芸能界はやはり体力勝負です。

2022年5月12日 (木)

子役にはなかなかハードな「SPY×FAMILY」のオーディション

「SPY×FAMILY」面白いですよね。みんな考えることは同じなので東宝でミュージカル化されることになりました。個人的には「SPY×FAMILY」は文楽でいろいろ無茶やったら面白いだろうなと漫画を読みながら考えていましたが、さすがに舞台化が先でした。

で、アーニャ役をオーディション募集していました。なかなかハードなので記録しておきます。

応募条件

●次の稽古および公演に参加可能なこと
<稽古> 2023年1月中旬~2月下旬
<公演> 2023年3月(帝国劇場)
2023年4月~2023年5月(地方公演)
※公演日程詳細は、公式ホームページをご覧ください
●年齢は問わないが、身長が70cm~100cm程度(身長制限についてはあくまで目安です。応募前後での成長も加味しますので、現時点での身長が10cm程度前後しても問題ございません) で、演技、歌唱、ダンスが得意であること

応募方法

①プロフィールの提出
・プロフィール(氏名・年齢・身長・体重・経歴/芸歴・音域)
・バストアップ写真+全身写真各1枚
を、併せて全体でA4用紙2枚以内にまとめたデータをご用意いただき、下記アドレスまでメールで送信して下さい。

プロフィール送付先メールアドレスXX@gmail.com

②自己紹介動画の撮影・アップロード
自己紹介動画(30秒~1分以内)をYouTubeにアップロードして下さい。

*お顔がよく見えるアングル・明度で撮影をお願いします。
*歌の場合はマイクとの距離をできれば1m以上とってください。
*公開範囲は、必ず「公開」または「限定公開」の設定にしてください。
*なりすましや映像・音声の加工は固くお断りいたします。

③エントリー
応募者の基本情報と、②でご用意いただいたYouTubeのリンクを下記URLよりご入力ください。

*複数人まとめてご応募される場合には1回で10名までまとめてご入力いただけます。
*動画が正常に再生できるか必ずご確認の上、入力してください。

応募者基本情報エントリーフォーム

応募締切
2022年6月17日(金)23:59〆切

合否の結果は、書類審査を通過された方にのみ、2022年6月27日(月)までに連絡致します。
書類を通過されますと、2022年8月6日(土)、7日(日)、都内にて実施予定の実技審査に進んでいただきます。
実技審査に通られた方は、9~10月に、ワークショップ形式のレッスンにご参加頂き、11月の最終オーディションに進んでいただきます。
ご応募に際してご承知おきください。

*9~10月のレッスンにつきましては、実技試験を通られた方にのみ、詳細をご連絡差し上げます。

書類選考の段階ですでに動画が入るのが今どきだなと思います。ただ書類の送付先がGmailなのと、動画のアップロード先がYouTubeなのが、さらに今どきだと思います。割りきれば募集側の受付体制は無料で作れますねここら辺。複数人まとめて応募の規定があるのは児童劇団とか子役スクールの応募を想定しているのでしょうか。

書類が通過したら8月の頭に実技審査。ここは夏休みだからまあいいと思いますが、そのあと9月10月にワークショップ形式のレッスン。これは週末なのか平日放課後なのか。それが終わって11月にやっと最終オーディション。コロナに備えてダブルキャストトリプルキャストくらい採用しそうですが、それでも狭き門なのは間違いありません。

合格したら稽古が1月中旬から2月下旬、つまり3学期の間ずっと稽古です。脚本で出番の量は調整するとしても、アーニャだったら漫画なら主人公の1人ですから、すっぽかすわけにはいきません。で、春休みの3月が本番、で終わらずに4月5月にツアーです。

学校休んでも構わないという親を含めた体制が前提で、うっかりすると普通教育を受けさせる権利に抵触しそうなスケジュールです。世の中いろいろなのでその是非をここでは問いませんが、客も安からぬ木戸銭を払うのがミュージカルではありますから、その場に立つためにこのくらいの努力が要求されるという一例です。

ちなみにキャスティングはまだ発表されていませんけど、誰が来るでしょうか。ミュージカルには疎いので、雰囲気でロイド役に浦井健司、ヨル役に松たか子、ユーリ役に藤原竜也とか言っときます。注目は夜帷役ですけど、宝塚男役出身者から誰かが起用されると予想します。す。

アナウンスが丁寧な片岡仁左衛門休演

松竹「歌舞伎座『六月大歌舞伎』第三部 片岡仁左衛門休演のお知らせ並びに第三部演目変更のお知らせ」より。

2022年5月12日

平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
歌舞伎座「六月大歌舞伎」第三部『与話情浮名横櫛』の与三郎に出演を予定しておりました片岡仁左衛門ですが、頭皮における帯状疱疹(たいじょうほうしん)が発症し、舞台に立つのに必要なかつらを掛けることができず、休演させていただきます。その他の体調に関しては問題ございません。

それに伴いまして、下記の通り「六月大歌舞伎」第三部の演目・出演者を変更して公演いたします。

◆歌舞伎座「六月大歌舞伎」第三部
【6月2日(木)~27日(月)午後6時開演 休演9日(木)、20日(月)】

有吉佐和子 作
『ふるあめりかに袖はぬらさじ』
芸者お園 坂 東 玉三郎
通辞藤吉 中 村 福之助
遊女亀遊 河 合 雪之丞
岩亀楼主人 中 村 鴈治郎

何卒ご了承賜りますようお願い申し上げます。
皆様には、大変なご心配とご面倒をお掛けしますこと、深くお詫び申し上げます。

最初に休演って見たときにどきっとしましたから、わざわざ「その他の体調に関しては問題ございません」って書くあたり、わかってますよね松竹も。3月に途中休演したばかりですし。

帯状疱疹は過労とストレスが原因でしょうか。3週間では治るか微妙なところで、思い切って休んで養生してください、ってなもんです。

2022年5月 7日 (土)

新国立劇場主催「ロビー・ヒーロー」新国立劇場小劇場

<2022年5月6日(金)夜>

ニューヨークのアパートでロビー駐在の夜勤警備員として働くジェフ。毎晩勤務を見回りに来る上司は真面目だが尊敬できる。毎晩のように勤務中にアパートを訪ねてくる警察官は住民の一人に入れあげている。そのパートナーとなった見習い中の女性警察官はそうと知らず頼れるパートナーに好意を寄せている。ある日上司の様子がおかしいのでジェフが尋ねると、弟が警察に逮捕されたといい、何かできることはないかと心配する。パートナーを待つ女性警察官には好意を知らずうっかり警察官が住民を訪ねる目的をばらしてしまい、警察官に睨まれる。

ネタバレを回避しつつ一言で言ってしまえば、論語の有名な一説。むしろ孔子がなぜああ言ったのかを現代のシチュエーションで描いた会話劇。もっと小さいところでは、言いたいけど言えないことが人にとってどれだけ辛いかを描いた話ともいえる。これが4人の会話量かというくらい台詞だらけで休憩込3時間弱の芝居だけど、後ろに行くほど引込まれる力作。

脚本上、上司役が黒人であることが最初はよくわからなかったこと(アメリカの上演なら黒人が演じるから問題にならない)を翻訳で調整できなかったかという願いと、これだけやったのにあのラストは緩くないかという点にツッコミはあるけど、それくらいどうってことないと言えるくらいの脚本だった。親世代の話が遠まわしに土台になっているのが上手い。

駄目な役も愛嬌があって憎めないので、どの役の立場に感情移入するかが観る人によって変わりそう。これは観た人の感想が知りたい。自分はおっさん組の立場に同情してしまった。

場面転換以外で効果音はあっても音楽がないにも関わらずダレさせなかった役者が大豊作。愛嬌のある表情と台詞回しにくにゃくにゃした動きでジェフを演じた中村蒼が、台詞を言っていないときの仕草も含めて目が引かれる。その愛嬌を際立たせるのが上司の板橋駿谷と警察官の瑞木健太郎の(役としてはぶれるけど)ぶれない役作り。見習い警察官の岡本玲は若干硬かったけど終盤の説得場面は素晴らしかった。

桑原裕子演出は久しぶりだったけど、ここまで仕上げて来るとは正直予想していなかったのでうれしい誤算。それを支えたのは万全にして安定のスタッフワークだけど、今回はアメリカ現代劇にも関わらず日本語として違和感をほとんど感じさせなかった翻訳を挙げておく。

2022年5月 3日 (火)

2022年5月6月のメモ

4月は見たい芝居があったのにいろいろあって坊主になった。ここでもう少し見ておきたい。

・新国立劇場主催「ロビー・ヒーロー」2022/05/06-05/22@新国立劇場小劇場(2022/05/01-05/02プレビュー):渋そうな会話劇を桑原裕子の演出で

・公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団主催「東西狂言の会」2022/05/07@三鷹市公会堂光のホール:よさそうな出演陣

・Mrs.fictions「花柄八景」2022/05/11-05/23@こまばアゴラ劇場:なんとなくピックアップ

・イキウメ「関数ドミノ」2022/05/17-06/12@東京芸術劇場シアターイースト:代表作のひとつ

・日本総合悲劇協会「ドライブイン カリフォルニア」2022/05/27-06/26@下北沢本多劇場:訳あってこれは何とかして観たい1本

・新国立劇場主催「貴婦人の来訪」2022/06/01-06/19@新国立劇場小劇場:有名な作品らしく粗筋からして面白そうなので奇をてらわない演出を期待

・松竹主催「与話情浮名横櫛」「ふるあめりかに袖はぬらさじ」2022/06/02-06/27@歌舞伎座:仁左衛門玉三郎の第三部、の予定が仁左衛門休演につき演目変更して玉三郎主演

・Bunkamura企画製作「パンドラの鐘」2022/06/06-06/28@Bunkamuraシアターコクーン:期待の高い座組ながら主演2人が不安材料という悩ましい1本

・鵺的「バロック」2022/06/09-06/19@ザ・スズナリ:新型コロナウィルスで見そびれた芝居が再演登場

・新劇交流プロジェクト「美しきものの伝説」2022/06/16-06/26@俳優座劇場:一度は観たいと願っている演目のひとつ

劇場への距離から見やすさから何から何まで、もうちょっと気楽に芝居と付合えるといいんですけどね。

<2022年5月12日(木)追記>

仁左衛門休演に伴う演目変更を反映。

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